FC2ブログ
2006年9月4日 ホームページ『「日の丸・君が代の強制」と闘う人たちと勝手に連帯するレジスタンスの会』からの引越し完了しました。
『続・大日本帝国の痼疾』(15)

慶応4年~明治初年の一揆・騒動(2)


1868(慶応4)年9月8日、改元されて明治元年となる。

会津五郡騒動

 10月、会津五郡騒動が起こる。大沼→河沼→ 耶摩→南会津郡の順で伝播して、12月まで続いた。この 騒動は「世直し」騒動の代表的事例と言われてい る。

 口火を切ったのは山間地帯の大沼郡滝谷組・野 尻組である。凶作と兵乱によって「小前一統不融 通」となり、「諸家財品々質物等差し出し、当郷 にては取り呉れ候ものこれ無く、余儀なく衣類品 代永井野・高田辺へ持出し、漸く質に入れ、又は 売代になし、飯米買入」れてその日暮しに追われ ていた。一村で53軒のうち「当村五穀迄取続候者」 は7軒にすぎなかったという。10月3日打ちこわ しがはじまる。そのときは既に、出来たばかりの 新政府民政局の支配下にあった。

 この騒動は、年賦金・前々年迄の差引の無勘定、 前年以後の差引の10ヵ年賦、質物の全品返還、 当年の小作立場米の休止という約束を 「有徳のもの」よりとって鎮まった。なお結果と しては、永代地の元金受返し、質地の無金受返し の要求は、「地方出入に相成候ては村々騒動 止む得ざる事」であるからとしてとり下げられ、 一度は成立した差引無勘定も「段々御上納にも 差かかり候処、一統貸滞等相成ざる候ては誠以て 差支難渋」ということで、実現に至っていない。

 こうして、会津世直し騒動は、貸借関係の整理 ・質地取り返し・小作料金免という、半プロレタ リアの小生産者的側面にもとづいて展開した。 それは、この地の農民の大部分が村外の商人・高 利貸によって収奪され、半プロレタリア化してい ることによっていた。そして、この野尻組では、 この騒動の後、11月に入って、民政局に買入米 の高騰を理由に、安石代(周辺国の年貢率の 平均をとって年貢を定める方法)による金納願を 提出している。

 水田地帯河沼郡の騒動ではそれは「欲情相募り、 熟地の田畑、高利の貸金等を以て、一巳の手に入 り村方へ鹿田を相渡し」ていると追及している。 村役人の不正、その不正によって村役人が地主と して成長しいくといったような村落内に おける矛盾の激化が、この騒動の基礎にあった。

 10月19日、猪苗代東西両組の打ちこわし。 この騒動の性格は河沼郡と同様である。

 10月28日、南会津郡下郷一谷(松川・楢原・弥 五島・小出組)の騒動。ここでは「取定」が行な われ、「取定廉書」が作られた。「世直し義一組 切に相足り申候」に始まり、
村役人の「一谷惣立替」(村役人の改選)
村役人関係の帳・証文の取り上げ
郷頭高役の小前同様の負担などの他に、
「質物之儀は、田地は格別、外品は去年より 無利足にて、五ヶ年賦、品物は当辰の内に取戻し 候様相定め、田地一組切に談事次第」
「貸金の儀は当辰の内より無利足十ヶ年賦、但証文の 有無、金高は小書入金に寄らず一様」
とし、最後に、この「一谷御願方」のために、 一組二人ずつ出張することを定めている。 この騒動が封建社会を変革を志向する世直し 一揆としての性格をもっていたことがうかが える。

 なお、この下郷四ヶ組廉書には上記の外に注目 すべき項目として職人手間公定の要求が含まれて いる。それは「一、手間弐割下ケ桶屋」というよ うに、手間賃の引き下げを要求している。これは どういうことなのだろうか。例えば、楢原組のお かれている状況をみてみる。

 「水田村これ無き場所にて〔中略〕宝作と申す事 これ無き所」、「半年は薪ばかり取りて金 子にも相成らず」、「小出、湯の原、大内三ヶ所 へ継ぎ立て仕り〔中略〕人馬相勤め罷り在り」

 つまり、山業によって米を買い入れ、食用と年 貢上納とにあてていた。そして天領時代は役人の 通行も少なく「御年貢の諸入用費等一切御座無」 かったが、弘化年間会津預領となってからは諸入 費が多分になって小前百姓が難渋しているといった 歴史的事情をも持っていた。この状況のもとに、 ここでの世直し騒動は、半プロレタリア的要求を 秘めながらも、なお、自立小農民の維持に基礎を おいていた。その意味で、賃稼ぎ労務者とは対立的な 運動として展開したのだった。

 11月2日から、この一連の会津騒動の最後騒動が 、南会津郡伊南に起こった。村役人の不正追及で始 まり、8日に10項目の要求がまとめられ、農民代表 が22ヵ村の名主や郷頭らと交渉に入り、 「諸証文質物の儀残らず相渡」させ、さらに、 借金返済の低利永年賦、身代金の半分免除、質地 小作料や借金利子の一年間免除、質物利子の一年 間免除、利子の「廿両歩」の協定、等をきめるこ とに成功している。同じ山間地帯であっても、こ こには、よりはっきりと半プロレタリア層の要求 を読みとることができる。

スポンサーサイト



 コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
 トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://adat.blog3.fc2.com/tb.php/972-0873edbd
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック