2006年9月4日 ホームページ『「日の丸・君が代の強制」と闘う人たちと勝手に連帯するレジスタンスの会』からの引越し完了しました。
『続・大日本帝国の痼疾』(4)

百姓一揆とは何か(1)


形態面から見た百姓一揆の種類

逃散(ちょうさん)
 中世から行われていた農民抵抗の一種。江戸時 代初めごろ(17世紀初め)に多くみられた形態は、 村から都市部へ逃れて安い賃金で生活するタイプで ある。

越訴(おっそ)
 17世紀後期にはこのタイプが増えた。手続きを 無視し、代表が直接藩主や幕府に訴えた。要求を 勝ち取っても、その代表者はほとんど死罪となって いる。彼らは義民(ぎみん)としてあがめられてい る。前回あげた例では磔茂左衛門がそれにあたる。 佐倉惣五郎(下総)もよく知られている事例である。

惣(そう)百姓一揆
 17世紀末からこのタイプの一揆が増えた。 全村民による一揆である。時には藩全体にお よぶような大規模なものもあった。この場合も 代表者(指導者)たちは極刑に処された。 前回にあげた例では郡上一揆がそれである。

 これから検討する対象は、主として、この惣 百姓一揆である。一揆は、幕藩領主による諸負 担・諸統制の増強という新たな搾取攻撃に対する 民衆闘争であるが、村落の地域性や農民(町民) 内部の階層性によって、当然その要求内容は多様 であった。しかし、基幹的要求方法をかかげる ことで、 その地域的階層的相違を克服していった。それが、 一揆が一部の農民(町民)による闘いではなく、 「惣」(すべての)百姓一揆に発展していくかな めであった。そうした要求方法で一揆を分類する と次のようになる。

要求方法から見た百姓一揆の種類

(訴状文は漢文調の部分は読み下し文にするなど、読みやすくした。 こまかいところで誤りがあるかも知れませんが、 そのときは、ごめんなさい。)

(1) 旧来に復することを要求
「先規の通り仰せ付けられ候様願い奉り候」 (1718(享保13)年久留米藩一揆訴状)

 「先規」という文言の代わりに、「只今迄の通り」とか 「先の殿様の御代の通り」とか「前々の通り」と いうよう に、さまざまな表現があるが、どれも同じ意味 であり、新規の年貢増政策に対する農民の拒否 の論理根拠を示している。幕藩領主が新たな農民 支配の方式を展開していった幕藩制初期において、 定量的安定的な農業経営を維持しようとする農民 の自立と成長の闘いを意味している。

(2) 公儀(幕府)の基準を要求
「御料所並に仰せ付け下され候様」(1755(宝磨5) 年郡上藩一揆駕寵訴状)

 大名支配を公儀支配と比較して批判する方法である。 幕領(御料所)内においても、個別代官支配に対しては 「他の御領所並に」(1721(享保6)年南山御蔵入 騒動訴状)というように、同じ論理を用いている。 他藩との比較で批判する方法は早くからみられるが、 ここではとくに公儀をひきだすことで個別領主の 支配を批判するという方法に大きな特徴がある。 農民側にとて、それは「黄門様の印籠」の役割を 果たしているわけだ。もちろん、現実の幕領支配を全 面的に是としているわけではない。この藩領農民 の「御料所並」という要求方法が成長するに従って、 幕領農民の闘争が発展しはじめていった。

(3) 全国共通の基準を要求
「世上一統の通用並に」(郡上藩一揆願書)

 ここでの要求は「秤分銅」「元文金」、つまり通貨 に関するものであるが、支配領域をこえた天下(世上 一統)周知の水準、万民相互の道理ある方式を基準に して、現実の支配を批判している。(1)(2)と比べて、 より拡大された普遍的な視点に立つ新しい質の要 求方法へと発展している。

 以上のように、いわば共通のスローガンをかかげて、 地域的階層的な相違を越えた惣百姓一揆が形成されて いったわけだが、次はその要求内容を具体的に みてきたい。(続く)

別件ですが、追記
 「改悪教育基本法の実働化をとめよう!12・22全国集会」 に参加しました。教育への攻撃はますます露骨に広範に 広がってきているということを、改めて知らされました。 その集会の報告と現状分析(らしいこと)をしようと思いましたが、 報告の方はすでに「教育基本法の再改正を求める会」さん が正確簡潔にまとめてくれていますので、それを紹介してお きます。現状分析(らしいこと)の方はそのうちに、 と思っているのですが……

12・22全国集会の簡単な報告

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