2006年9月4日 ホームページ『「日の丸・君が代の強制」と闘う人たちと勝手に連帯するレジスタンスの会』からの引越し完了しました。
第815回 2007/06/26(火)

今日の話題

「君が代解雇裁判」オソマツ判決:当日の様子

 前々回で、「君が代解雇裁判」の判決の瞬間の様子をあた かも実際に見てきた風に書きましたが、実は私は抽選に外れて 「君が代解雇裁判」の判決法廷を傍聴できませんでした。 判決後の報告集会で原告や弁護士の皆さんから聞いた話を 頼りに書きました。

 ところで、しばらく更新のなかった大岡みなみ(池添徳明)さんの ブログ 身辺雑記 に「君が代解雇裁判」の判決法廷の傍聴記が掲載されていました。 ジャーナリストならではの過不足ない見事な報告です。 今日は、私のおしゃべりの参考にもしたいので、それを転載 させていただくことにします。


6月20日(水曜日) 再雇用取り消し教員の訴え棄却

 正午過ぎに、東京・霞が関の東京地裁。 卒業式の国歌斉唱の際に起立しなかったことを理由に、 定年後の再雇用の合格を取り消された元都立高校教員10人が 東京都を相手取って、嘱託教員(再雇用職員)や非常勤講師 の地位確認と賠償を求めた裁判の判決を傍聴取材する(6月6日付「身辺雑記」参照)。東京地裁の佐村浩之裁判長は、「請求はいずれも理由がない」として請求をすべて棄却した。原告側はただちに全員控訴する方針を表明した。

 佐村裁判長は、「君が代」のピアノ伴奏を拒否した音楽専科教員に対する今年2月の最高裁判決(2月27日付「身辺雑記」参照)を引用し、「式典で歌唱者が起立することは儀式・式典での儀礼的行為だ。(起立や斉唱を命じる校長の)職務命令は、原告の内心領域の精神活動に影響を与えることは否定できないが、公務員の公共性に由来する必要かつ合理的な制約として許容される」と述べて、校長の職務命令を合憲とした。さらに、「職務命令は生徒の思想・良心の自由を侵害するものとは言えない」とも述べた。

 判決はすべてこのような調子で、国旗掲揚・国歌斉唱などを教職員に義務付けて職務命令に従わない者を処分するとした通達や都教委の姿勢についても、「通達や一連の都教委の都立高校に対する関与・介入は、必要かつ合理的な範囲にとどまると評価するのが妥当だ。教育基本法が禁ずる教育への不当な支配に該当するとは言えない」と判断。また、再雇用職員の合格取り消しに関しても、「正当な人事裁量権の行使である。不起立行為をもって勤務成績の良好性に欠けると判断したことが不合理だと言うことはできない。社会通念上に照らして著しく不合理であるとまで言えない」とした。

 今回の判決は、「都教委の通達や職務命令は違憲・違法。いかなる処分もしてはならない」と明確に理路整然と判断した昨年9月の東京地裁(難波孝一裁判長)判決9月21日付「身辺雑記」参照)とは、あまりにも対照的な内容だった。

◇◇

 「原告の請求をいずれも棄却する。訴訟費用は原告らの負担とする」。佐村裁判長はわずか10秒ほどで判決主文を言い渡すと、そそくさと法廷を後にした。教員や同僚ら支援者で満席の傍聴席は息を飲んだようにシーンと静まり返ってしばらく声がなく、それから一瞬の間を置いて、ざわめきが広がり怒号が法廷内に飛んだ。黒い法服を翻して立ち去ろうとする佐村裁判長ら3人の裁判官の背中に向かって、傍聴席からは「不当です!」「理由も言わないで逃げるの!」などと抗議の声が投げ付けられる。弁護団席の原告代理人の弁護士らは、いずれも呆然と青ざめた顔をして言葉も出ない。「予想外。信じられない…。ちょっと信じ難い判決だな…」。ベテランの澤藤統一郎弁護士も、それだけ言うのが精いっぱいだった。あまりにも一方的な酷い判決で、それだけ関係者の受けたショックは大きかったということだろう。

 その後、弁護士会館で開かれた記者会見の席で、弁護団長の尾山宏弁護士は「ピアノ裁判の最高裁判決に全面的に影響され支配された判決だ。裁判官は憲法と良心に基づいて判決を言い渡す独立した存在であるはずなのに、独自に判断した形跡がなくまことにふがいない。これは日本の民主主義の根幹にかかわる裁判である。他人の思想・良心の自由を大切にし、尊重し合うという意識が日本社会全体に広がり高まることが大切だ」と強調した。

 原告の元教員らはこの判決に対して、「全く不当な判決で納得できない。卒業式の途中ずっと、立って下さいと言いながら教頭が歩き回っていたことこそ異常ではないか。法廷で私たちが述べてきたことを裁判長はどう聞いていたのか」「強制してはならないと訴えている人間を排除する都教委擁護の立場に立った判決だ。非常に政治的で事実をねじ曲げていて信じられない。戦争を経験した最後の世代として教育実践してきた者だが、憤りを感じる」などと怒りをあらわにした。


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