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2006年9月4日 ホームページ『「日の丸・君が代の強制」と闘う人たちと勝手に連帯するレジスタンスの会』からの引越し完了しました。
第807回 2007/06/16(土)

今日の話題

予防訴訟控訴審第1回口頭弁論詳報

  大岡みなみ(池添徳明)さんが

身辺雑記

で予防訴訟の控訴審・第1回口頭弁論を詳細に報じています。 さすがジャーナリスト、必要にして十分な記事内容です。被 控訴人側の代理人(弁護士)の弁論内容だけでなく、 担当裁判官の過去における訴訟指揮もまとめてその人となりを 報じています。以下にその記事を転載します。


 教員側代理人の加藤文也弁護士は、「一審判決は膨大な証拠を詳細に検討した上で、都教委の通達を違憲・違法と判断した。判決は多くの国民に支持されており、社説や世論調査などの新聞報道からも明らかだ。都側の控訴理由は理由がなく、控訴は棄却されるべきだ」と陳述した。続いて教員側の山中真人弁護士は、「日の丸・君が代の評価を争っているのではなく、裁量のない卒業式を強制するといった都教委の強制の是非を争っている」と述べるとともに、一審判決を否定する石原都知事の発言や判決後の都教委の対応を批判した。

 最後に、教員側の澤藤統一郎弁護士は、「憲法訴訟としての重みを理解してほしい。行政権力は教育の内容に立ち入ることが許されるのかが問われている。上告されれば最高裁大法廷で憲法判断が下されることになるが、最高裁の判断をリードするような審理を要望する」と締めくくり、東京高裁(都築弘裁判長)に対し、憲法と良心に忠実な姿勢で判決を言い渡すように求めた。東京高裁の3人の裁判官の胸に、果たしてどこまでこの訴えが響いただろうか。

 ちなみに、この法廷の右陪席(ナンバー2)は園部秀穂という裁判官だが、この人物は東京地裁八王子支部の裁判長時代にかなり強権的な訴訟指揮をしている(司法改革のページの記事「Tシャツ着用で退廷命令」参照)ほか、強制連行された中国人労働者が多数死傷した「花岡事件」の損害賠償請求訴訟でも、審理を一方的に打ち切る訴訟指揮をして、裁判官忌避の申し立てをされている。「花岡事件」の二審で、日中間の戦後補償訴訟で初めて和解を成立させた東京高裁の新村正人裁判長とは対照的だ(単行本「裁判官Who's Who/首都圏編」参照)。本件の都築弘裁判長は、現場の裁判官生活よりも司法行政職が長い人物。いわゆる法務エリート。

 都側の弁護団は、一審では数人だったのが控訴審から19人に増強された。「危機感の表れではないか。これまでと違って相当真剣になっている」と関係者は指摘している。


 「憲法と良心に忠実な姿勢で判決を言い渡すように求めた」 澤藤さんの弁論はこの裁判の本質を鋭く突いたもので、たい へん格調高いものでした。裁判官に同様な格調の高い判決を 期待したいが、その経歴を見ると行政権力ベッタリの 判決になる不安をぬぐいきれない。裁判官が「憲法と良心に忠実 な姿勢」を取らざるを得なくなるようなプレッシャーを、 公判を通して与え続ける必要があります。常にあふれるほどの 傍聴希望者が集うこと、そしてマスコミの関心を喚起すること が大きなプレッシャーの一つとなるでしょう。
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