2006年9月4日 ホームページ『「日の丸・君が代の強制」と闘う人たちと勝手に連帯するレジスタンスの会』からの引越し完了しました。
第793回 2007/05/18(金)

「真説・古代史」補充編

(お休みです。)



今日の話題

愚者と守銭奴が支配する「美しい国」日本

 昨日(5月17日)の東京新聞(朝刊)に2006年度の厚生労 働省による労災の統計結果が報じられていた。まとめると 次のようだ。

①仕事のストレスなどによる精神障害での労災
申請数:819人(過去最多)、前年度比24.8%増
認定数:205人(過去最多)、前年度比61.4%増
 認定数のうち、過労自殺(未遂も含む):66人(過去最多)

②過労が原因の脳・心臓疾患
申請数:938人(過去最多)
認定:355人
 認定数のうち、過労死147人

 ①のケースを年代別・職種別にみると

年代別 30代:83人(約4割)
    20代:38人

職種別 専門技術職:60人
    事務職  :34人

 記事は①の主原因について
「ノルマ達成のために長時間労働を強いられる実態が背景に あり、業務の負荷が高い若年層が、職場でサポートを得られ ないまま孤立する事例も目立つという。」
と報じている。

 また②については、ほとんどが長期間の過重労働を原因と して認定されている。一ヶ月平均の残業時間は最も多いのは 80~100時間で106人、160時間以上というのも26人だった。
 年代別では一番多いのが50代の141人、次が40代の104人 だった。

 これが新自由主義経済政策=労働者奴隷化政策の結果で ある。ポチ・コイズミは「構造改革は痛みをともなう」と ほざいたが、その痛みは全て労働者に押し付けられている。 ポチを引き継いだ狆ゾウも、経済的支配層と結託して 国民を支配の対象としか考えられない愚者である。「人間 の解放」という崇高な理想や倫理を理解する能力はまった くない。かくして資本という吸血鬼は、初期資本主義の頃 以上に労働者の血を搾り取ってますますブクブクと醜く 太っていく。

 1998年以来、年間の「自殺者3万人以上」が続いている。 それも記録しておこう。(警察庁統計資料による)

1998年 32863人
2997年 33048人
2001年 31957人
2002年 31042人
2003年 32143人
2004年 34427人
2005年 32325人
2006年 32552人

 平均毎日90人前後の人が自殺している。ちなみに、1997年 は24391人であった。これとて毎日六十数人の自殺者である。 明日はわが身かもしれない。なんと美しい国ではないか。

 これらの統計結果に接して、1週間ほど前に記録しておいた論文 を思い出した。愚者と守銭奴というクソに群がる糞バエどもの ごますり言説ばかりが垂れ流されている言論状況の中で、現実を正確に 見据え問題点を的確に押さえた出色の論文だ。 東京新聞の「ワークス」というコラムに掲載された元雇用審議会会長・ 高梨昌(あきら)さんの『「労働ビッグバン」を問う』 。全文を掲載する。


破壊された「働く環境」

 このワークス欄の初回に執筆の機会を得てから6年たった が、この間にますます日本の「労働の世界」は荒涼たる焼け 野原にされてしまった。

 この直接的原因は、長期不況下で進められたリストラと 称する企業合理化の嵐であるが、これを加速させたのは、
「構造改革なくして景気回復なし」
「構造改革には痛み(失業)が伴う」
というスローガンのもとで政府が推進した各種規制の緩和・撤 廃である。

 「労働の世界」では
①総額人件費の削減・縮小を図る賃下げ
②賃金差別を生む成果主義賃金
③サービス残業と長時間労働…。

 また「雇用」では
①相対的に高賃金で雇用が安定していた正社員の採用抑制 と「希望退職」という名の事実上の強制退職
②低賃金で雇用が不安定なパート・契約社員の採用増
③派遣請負システムの活用など非正規労働者の大幅増加…

という状況が定着してしまった。極言すれば、〝なりふり 構わない″手段で企業経営の合理化が進められてきたので ある。

 こうした「力は正義」といわんばかりの優勝劣敗、弱肉 強食の結果が「労働の世界」を〝焼け野原″化させてしま った、といえる。

 政府は、これら一連の産業界の不況克服策を抑制せず、 結果として生じた「痛み」の解消を図ることもなく、文字 通り自由放任。逆に、それらを促進させる雇用・解雇を自 由に行える「労働市場流動化政策」を推し進めてきた。つ まり「金融ビッグバン」に続く「労働ビッグバン」による 労働規制の緩和・撤廃を打ち出した。

 その結果は明らかである。戦後日本の政労使、労働研究 者が英知を結集して築いてきた「労働環境」が破壊されて しまったのである。経済成長をリードしてきた長期雇用慣 行や労使関係にしろ、解雇を抑制し失業を予防する政府の 継続雇用政策にしろ、すべてがご破算の対象となった。

 労働組合も「冬の時代」を迎えた。パート・派遣など非 正規の未組織労働者の激増による組織率低下で、交渉力は 弱体化し、年々の春闘も「ゼロ回答」で経営に押し切られ るほど後退してしまった。

 こうして産業界と政府が強行した「労働ビッグバン」は 何をもたらしたか。過当競争による労働環境下では必ず発 生する無断欠勤、早期の自発的退職者の増加など労働規律 (モラール)の弛緩と労働能率の低下…。さらには欠陥商 品など品質悪化、事故隠しの頻発といった事態も目立ちだ し、これら労働者の一種の〝反乱″によって企業そのも のの存立基盤が危殆(きたい)に瀕してきている。

 これは、労働組合の抵抗運動である「組織的怠業」戦術 ではないが、孤立した個々の労働者の非組織的「怠業」と いう〝能率低下行動″として顕在化したもので、フリータ ー、ホームレス、ニートの増加をも生み出した。

 労働組合運動が抑圧され、禁止されていた第二次世界大 戦中でも、軍需産業などで過酷な労働環境への抵抗運動が 起きていた。それは「オシャカ戦術」といわれ、不良品を 作るなど職場の労働規律の弛緩を生み、飛べない飛行機 や、動かない戦車が生産されて軍需生産力が失われた。こ れが敗戦を呼ぶ一つの引き金になったとさえ、いわれてい るのである。

 この歴史的な教訓に学ぶべきである。

 そして最後に
『連載ではこれまで述べてきたような「労働ビッグバン」 の問題点を、さらに検証し、次回以降は、今後実施すべ き、対策について貝体的に提言していきたい。』
とあった。続きを期待したい。

 なお現在の労働問題をグローバルにとらえたロナルド・ドーア (英ロンドン大学政治経済学院名誉客員)さん論文を 一ヶ月ほど前に紹介した。関連記事として再度紹介しておこう。

今日の話題:『万国の労働者よ、団結せよ』
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