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第737回 2007/02/25(日)

《吉本ファシズム論より》:社会ファシズム(5)


「国家改造計画綱領 第六、農業の国家統制」

 中野のブルジョワ・イデオローグとしての性格は、農業政策のなか に、さらに端的にあらわれている。

 中野の農業政策で、もっとも主要な問題点は、

「農村救済を以て、単に地主階級の救済に堕せざらしむるため、 特に耕作権の確立を急務とす」

とかいて、私有限度を超える土地と皇室の所有地を分割して、土地 をもたない農業者に給付するという、北の改造法案の条理に対応する 綱領をもうけている点である。

 この条項なしには中野の綱領はもともと軍部および農本ファシス トたちの行動的エネルギーを吸収できる代物ではないし、また、 ここに中野のブルジョワ・イデオローグとしての性格が封建的な 土地所有にたいして対立している要素があらわれているということ もできる。

 しかし、中野は、封建的な土地所有に代えるに米穀の資本独裁 的な<合理的生産計画化>を強調し、農業金融の整備を主張した にすぎなかった。

 それは、まがりなりにも皇室財産の国家下付、所有土地山林株券 の下付、皇室費の制限の問題に言及することによって、天皇制の物 質的な基礎を考慮の対象とした北一輝の改造法案とは比較すべくも なかった。それにもかかわらず、小作農に耕作権を与えるという幻 想的な綱領を提出することによって、北の法案に対抗せざるをえな かったところに、時代的な背景があらわれたのである。


「第七、財政政策の改革」

 中野の綱領がブルジョワ独裁的な本質をもつ、時代迎合的なビポ ウ策にすぎなかったのはあきらかである。一方で

「租税体系を根本的に変革し、貧者の負担軽減と、富者への重課を 断行し」

などとかきながら、当時の資本主義的危機の打開策として、

「現下の財政膨脹に応ずるため、非常時公債の増発を認むべきも、 その条件は努めて低利とすべし」

などとまったく矛盾したことをかかねはならなかった。

 北一輝が私有財産限度を壱百万円とし、超過額は無償で国家に納 付させる所以を、

「現時ノ大資本家大地主等ノ富ハ其実社会共同ノ進歩と共同ノ生産 ニヨル富ガ悪制度ノ為メ彼等少数者二停滞シ蓄積セラレタル旨二係 ハル」

としたのとは、雲泥の相違だというべきである。
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