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第720回 2007/01/31(水)

《滝村国家論より》:国家社会主義(4)
ソ連の国家社会主義化


 「マルクス主義」の理論では<共同体-内-国家>の<死滅>を謳い あげているが、現実はどうだったか。もう周知のように、そのための 構造的過程を解明することもなかったし、従って<死滅>させるための 具体的な方策を提出するという根本的なことは何一つ行われなかった。 その結果は、社会主義国家は<共同体-内-国家>社会主義国家へと 成り下がっていった。これが、普通「一国社会主義」といわれているものの 内実だった。

 さらに、その国家論に<共同体-即-国家>が欠落しているための 必然的致命的な帰結が続く。つまり、<共同体-即-国家>としてソビエット 連邦が、帝国主義諸国に対してばかりか、同胞国であるはずの他の社会 主義国に対しても強度の閉鎖性を持って対峙するようになっていった。 これは「大国主義」とか「社会帝国主義」とか言われているが、 いわば<社会主義世界体制-内-第三権力>としてソビエット連邦が 君臨したということだった。これは同時に、「一国社会主義」のあとに 想定されるべき「世界革命」の不可能性を意味していた。


 〝マルクス主義者″の方では、「世界革命」と<共同体-内-国家> としての・「弾圧装置」たる「国家」の<死滅>を、ただ言葉としてい っているだけで、理論的な解明は殆んどない。

 他方、<国家社会主義>の最良の部分というのは、<共同体-内- 国家>の<死滅>を、〝マルクス主義者″のいう意味では、つまり 「弾圧装置」としての「国家」の解体という意味では、充分に考えて いる。ただ、<共同体-即-国家>というものは解体できない、国家 としての民族だけは解体できない、ということを非常に素直にだして いる。

 〝マルクス主義者″の方では、そういうことを理論的に解明するの でもなければ、また、現実的に「社会主義国」をみますと、内部的な 意味での「暴力装置」も増大化し、巨大化するばかり、対外的には、 「社会主義共同体」という美名の下にいわば<社会主義世界体制-内 -第三権カ>として、ソヴェト連邦が君臨するというようなこと、 あるいは「大国主義」とか「社会帝国主義」といわれるような顕著な 傾向がある。これは普通「一国社会主義」といわれていますが、そう だとすればこれは陰微な<共同体-内-国家>社会主義ではないか、 そういう非常にきつい批判も可能だと思います。公然たる<共同体- 内-国家>社会主義者ではないにしても、やはりまともな国家論を 欠落させているということの懲罰はすさまじくて、彼らを隠然たる <共同体-内-国家>社会主義者にしてしまっているということなの です。

 いわゆる<国家社会主義者>を、<国家社会主義>というものを、 これはファシズムであるというふうに、あんまり調子よくいってくれ るな、というふうに思う。彼らだって実際には、隠然たる<共同体- 内-国家>社会主義著である、つまりそれは、<一国社会主義>であ るということは、そのことの別様の表現でしかないのではないか、 そういうきつい批判が可能であると思います。

 ただ、その場合、理論は理論、実際にやっていることとは別という 原則はやはり貫かなくてはいかんし、そうした場合には、唯一の救い はあるわけです。つまりあるというのはどういうことかというと、 少なくとも内部的な「国家」だけは「死滅」しなくちゃならん「消滅」 させなくてはいかん、あるいは「世界革命」というものは、どういう ことかわからないが、つまり理論的な能力がないからわからないが、 なんとかやらなくちゃいかん、つまり、そういう意味での主観的な、 大きな意味での思想的な方向性というものを、一応言葉だけになっ ちゃっているけれども、持っていることが唯一の救いである。それま でなくなっちゃったら、最良の<国家社会主義者>よりもっとダメな んじゃないかという、そういうところまできている、というのが、 今の〝マルクス主義″の現段階であると思います。これは、〝正統 派″だとか、〝異端″であるとかに全く関係なしに、いえることだ と思います。


 1972年の時点でこれだけのことを言っていることは、やはり、 「さすが」と言うべきだろう。
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