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第701回 2007/01/07(日)

戦争と平和(2)
政治的リコール権


 戦争を命令するものと実際に命のやり取りをするものとの区別はなくならないという ヴェイユが絶望して放棄した問題点は、敷衍すれば議会制民主主義(ブルジョア民主主義) の問題点でもある。

 『「国家意志」とは何か』で見たように、議会が国民の意思を反映するなどというのは 幻想にすぎない。理論的にそうだし、現実の政治過程を点検すれば実証的にも明瞭な事実 です。昨年末、この国の未来を誤まるような重要法案が国民の意志とは無関係に決められ ていったのを、私(たち)は見せつけられたばかりだ。あれは狆ゾウ政権がどうのこうのという 問題ではない。あれがブルジョア民主主義の本質なのです。12月22日・23日の 「今日の話題」『国会の「欺」事から見えてくる「ブルジョア民主主義」の正体』でも明ら かにしたことです。

 資本主義経済システムを下部構造とした近代国民国家を棄揚しない限り戦争はなくならない。 戦争をなくす方策を考えることは、近代国民国家を棄揚する道すじを考えることで もある。その道すじは①下部構造(資本主義経済システム)の棄揚と②上部構造(国家 =ブルジョア民主主義)の棄揚の二つある。この二つの道すじが一つに合流するところが目指す ゴールということになる。

 マルクス主義では「上部構造は下部構造に規定される」と言われている。吉本さんは 上部構造は下部構造とは相対的に独立していて、上部構造をそれ自体として扱うことがで きるという立場からさまざまな論及をしてきている。「戦争と平和」ではもっぱら②の問題を 考えている。『吉本隆明の「ユートピア論」』でも中心テーマであったように、 ②のための方策は「国家を開く」ということにつきる。具体的には「リコール権」の 確立ということになる。

 憲法は主権在民を謳っているが、その主権の行使は代議士を選ぶ選挙での投票だけという ように矮小化されている。しかも、社会的不平等のもとでの一票はまったく平等ではない。 さらにしかも、選ばれた代議士のおおかたは政治利権屋でしかない。間接民主主義は一般国民 意志を反映しない。国民が主権を直接行使できる仕組みを創るほかない。


 そこに、ただ一カ所(憲法に)条項を設ける。それは、国民が主権を直接に行使したい と考えた場合には、過半数の署名を集めて、無記名の直接投票によって過半数 を占めた場合には政府を取りかえることができるという条項を一つだけ設けれ ば、戦争は防止されるとは言わないまでも、どんな政府ができても大衆の同意 なしには戦争はできないということになるんじゃないかとおもうわけです。半 分はそれでできるんじゃないか。

 もっと極端に言えば、国家というのをなくしてしまえば国家間戦争というのはなく なってしまいますから、なくしちゃえばいいわけですけれども、ある限りはどうした らいいのかといえば、憲法の中にでもいいですけれども、一つ条項を設ける。

 要するに国民が直接主権を行使したい場合には、代議士さんを介さなくても、 過半数の署名を得て直接の無記名投票をして、それが過半数を占めたならば政 府を代えることができるという条項を一つ設ければ、戦争その他、あんまりい いことをやらないじゃないかという政府はリコールすることができるというこ とになる。民衆の意志によって代えることができるということになります。

 僕の考えでは、そういうリコール権というようなものを憲法なら憲法の中に 書き込むことができれば、戦争について政府の言いなりに命令で応召して兵隊 となって出て行くとかということなしに、もしその戦争に反対であるならば、 あるいは自分のほうが命がけになって頭を働かせている人はあんまり命がけじ ゃなくても済むというような不公正をなくするには、そういう一項目の条項を 憲法なら憲法の中に書き加えればいいじゃないかということが、僕が解決点だ と考えている唯一の点です。

 政治的な国民のリコール権、つまり国民主権の直接行使という条項を憲法の 中に設けるということが、僕に言わせれば戦争を防止する最後の課題になって いく。

 その課題が実現しない限り、戦争というのはしばしばやられちゃうと、僕に はおもえます。ですから、戦争をなくするにはどうしたらいいかというふうに 僕が考えたところでは、要するに国民主権の直接行使によって政府を代えるこ とができるという条項を獲得するということが、戦争をなくする唯一の入口に なるんじゃないかと考えております。

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