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第674回 2006/12/05(火)

唯物史観と国家論の方法(3)
<近代的国家>の支配形態


 <近代的国家>にいたって国家的支配が完成的に発展したとはどういうことか。

第三権力の完成
 それは、<社会の体制的秩序維持としての第三権力>の特質がはじめて全的に 開花した形態で現出した、ということである。つまり、国家は支配的階級権力から 相対的に分離することによって、形式上、支配階級と被支配階級との二大階級権力の上に 君臨する<第三権力>として登場している。ここでは国家意志は、被支配階級の意 志はもとより、少くとも形式上は支配階級の意志とさえ区別され、<社会の体制的秩 序維持>にかかわる一般的な法的規範として、その本来の特質である幻想的な形態を 完成させている。

下部構造
 もちろんこのような形態が完成するためには社会経済的な前提がある。いわゆる下部構 造の成熟を必要とした。つまり、交通関係と社会的分業の全面的かつ多様な発展によって 有機的に統一された<近代的>市民社会の形成が必須の条件であった。そして、それは 支配階級と被支配階級の二大階級権力の存立という形態に収斂していく。

特殊利害と共通利害
 社会の諸階級・階層への分裂は、諸階級・階層の<特殊利害>と統一社会的 な<国民的共通利害>との構造的分裂を必然化する。従って、一方において 直接に現実的な<国民的共通利害>が、 各種公共事業・福祉事業等の<社会・経済政策>として押し出されるとともに、 他方では支配階級を中心とした諸階級・階層の<特殊利害>が、<政治的>であれ <社会・経済的>であれ、幻想上の「国民的共通利害」 という形態をとった国家意志として強引に押し出される。

政治的国家と社会・経済的国家
 第三権力が支配的階級権力から形式上分離し独立化する基礎には、支配階級を中心 とする国民的諸階級・階層の、政治的階級<権力>形成と経済的階級<権力>形成との、 構造的分離・ニ重化が前提となっている。従って第三権力の諸活動も、社会の <政治的>秩巌維持と<社会・経済的>秩序維持という内的性格上の区別が生ずる。 つまり原理的に、国家を<政治的国家>と<社会・経済的国家>とに区別して把握する ことが必要となる。同時にこれは、<社会の体制的秩序維持>に関わる一般的法規範 も<公法>・<私法>という区分に発展的に分化する必然性を示している。

司法権の分離
 第三権力は、直接には<近代市民社会>形態をとった国民的規模の有機的な経済的 統一体を現実的土台とすることによってはじめて自らを一元的統治組織として完成せしめ 、<社会の体制的秩序維持>に任ずることになった。そして、この第三権力の一元的統 治組織としての完成は、直接には実定的な一般的法規範を前提とすることによって、 第三権力自身をもその法規範による処罰対象から免罪しない<司法権>を原理的に分離 する。つまり、第三権力の一般的な組織的・制度的構成原理である<三権的分化>を 確立するにいたった。
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