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2006年9月4日 ホームページ『「日の丸・君が代の強制」と闘う人たちと勝手に連帯するレジスタンスの会』からの引越し完了しました。
第645回 2006/10/27(金)

国家の起源とその本質(5)
<部族国家>とは何か。


 <共同体-即-国家>形成が<共同体-内-国家>形成に先行することを 歴史的=論題的に証示する第二の事例として、滝村さんは『広く個別歴史的国家形成に おいて一般的に現出した<部族国家>』を取り上げている。

 <部族国家>は完成された<国家>ではなく、<外的国家>形成の一定の進展段階 において、<共同体-内-第三権力>の萌芽的形態がようやく生み落された過渡的段階 を指している。

 それを一般的に定義すると、<部族的>共同体が<外的国家>として一定の進展を すると、<軍事的指揮者>に共同体内部における祭祀的・政治的・経済的な第一人者 的地位を付与されて<部族的・王>となり、<共同体-内-第三権力>へと転成する。  つまり、<外的国家>の侵略・支配の膨張的拡大発展が、極限的には<王国>を登 場せしめる。しかしこの場合も、いぜん根強い<部族制>的制約を保持している。

 以上のことをより詳しく、滝村さんは次のように論している。


 <原始的>共同体においては、殺人・傷害・姦通・窃盗等の成員相互間のもめごと の出来に際して、慣習的な<共同体的規範>に従った、形式的かつ名目的な祭祀的主 催者たることによって、同じく形式的かつ名目的な調停・勧告者として<首長>ない し<長老>が登場し、共同体全体に関わる他共同体との紛争とりわけ戦争に際しては、 右の平時<首長>とは別に、形式的かつ名目的な軍事指揮者がその都度選出された。 かかる事情をふまえるならば、軍事的指揮者であると同時に祭祀的主催者としても 現出する<部族国家的・王>は、当初の単なる<軍事的指揮者>から、戦争による 他共同体の掠奪・支配によって獲得した食糧・家畜・財貨・奴隷等が否応なしに齎す 物質的な富裕を、いわば唯物論なバネとして、やがて必然的に、共同体にかかる大き な利益を約束する<軍事的指揮者>たることによって、<首長>の地位を獲得し、 そのことによって同時に<祭祀的>主催者としても登場することになったものと 思われる。

 これを権力論的にいうならば、他共同体との掠奪・支配をめぐっての抗争とりわ けときに部族全体の存亡・興廃を賭けた<戦争>が、主要とはいわないまでも極め て重要な協同社会的活動としての位置を占めることによって、<部族的共同体>の政 治的かつ軍事的性格、正確には<共同体(部族)-即-国家>としての<外的国家> 構成は力強く進展し、軍事指導者すなわち戦争遂行における指導者の、<外的国家> 構成における当初は名目的かつ形式的な第一人者的地位が、対内的立場すなわち祭 司的・政治的(正確には共同体的公務への関わり)かつ経済的地位における第一人 者的立場へと、徐々にだが確実に.転化しつつある、<国家>形成の過渡的段階で ある。

 

 このような<部族国家>は<国家>形成の一定の進展段階であり、前<アジア的>・ <古代的>・<中世的>な<世界史的国家>の段階の個別歴史的国家の形成において 一般的にみられるものです。さらにこれを共同体の構造的特質という面から見ると、 次のようになる。


 <氏族-部族的>共同体構成に比しての<部族国家>的構成体の構造的特質は、 共同体内・外における交通関係と社会的分業の相互にからみ合った一定の進展が、 多くの場合ときに移動を伴なった定着的牧畜・農耕様式へと突き進み、以前とは 異なった一定の生産力水準を獲得することたよって、内部的には、上層のいわゆる 「貴族層」すなわち<王>及び<首長>・<長老>層と、それ以外の一般成員及 び奴隷とのいまだ僅少な階級・階層的落差を生み出したにもかかわらず、外部に 向っては、他と区別される<協同社会性の最大の範囲>としての<政治的・社会的・ 経済的・文化的>な関係が、いぜんとして<部族的>ないし同系諸部族連合的結合 体(構成体)として押し出され、したがって他のそれとの支配=従属の権力関係に おいては、<共同体(部族)-即-国家>としての<部族国家>として構成されざ るをえない、過渡的な段階たる点にある。

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