2006年9月4日 ホームページ『「日の丸・君が代の強制」と闘う人たちと勝手に連帯するレジスタンスの会』からの引越し完了しました。
第628回 2006/10/10(火)

(連載シリーズは今充電中で、今日はお休みです。)

区切り用模様


今日の話題

言葉の詐術

 このコーナーでは時々古い切り抜きを利用します。日付が不明になっているものもあります。 でも、今日的な問題からずれてはいません。

 詩人のアーサー・ビナードさんが朝日新聞にコラムを書いていました。 実に達者な日本語で感心します。私の日本語が恥ずかしくなるくらいです。 その内容も卓越しています。アーサーさんのコラムは私の楽しみの一つで した。

 今日紹介するのは「ぼくらも仲間?」という表題です。


 アメリカでロックバンドのドラムを叩いている友人に、久しぶりに電話を かけた。ツアーで回っていないとき、彼はレストランで働いて生計をたてて いるが、「ウエーターの仕事はどう?」と聞くと、「オレはもうウエーター なんかじゃなくてアソシエートなんだ。アソシエートと呼んでくれよな」 ―電話口から、彼の苦々しい諦めの表情が、伝わってきたのだった。

 友人いわく、そのレストランチェーンでは数年前に、まずwaiterとwai tressの呼称が廃止され、どちらもserverと呼ばれるようになった。そし て今度はserverがassociateに改められた。

 「サーバーには男女の区別がないので、言い換えの意義が分かりやすいけ ど、アソシエートっていうやつはもっと手の込んだ心理作戦だ。時給が上が るわけでもなければ、残業手当がもらえるわけでもなく、劣悪な労働条件が 何一つ改善されないまま、気分だけは栄転さ。言葉ってロハだからね、企業 にとっては」

 英語のassociateは漠然としているが、「共同経営者」とか「提携者」 「同人」といった、仲間意識が内在する呼び名だ。ただ、組織の一員であ りながらも対等ではなく、「準同人」 r準会員」のような、決定権のな い立場を表す。場合によって、人をその気にさせるのに重宝する。きっと 広告代理店の発案だったろうと、電話を切ってからしばらく思いを巡らし、 はっと日本語の「郵政民営化」が頭に浮かんだ。考えれば、これも手の込 んだ見事なすり替えネーミングだ。


 アメリカの労働者諸君も新自由主義という新しい資本主義システムの下で 過酷な搾取に苦しんでいるのですね。アメリカは新自由主義の大元締めです から、当然でした。

 男女差別解消のためという理由での言い換えは日本でも盛んです。「看護婦」を 「看護師」と言い換えているのを、私は先だって入院したときまで知らなかった。 だけど、男の看護師さんを一人も見かけなかったけどなあ。お年寄りや体の不自由な人の 介護をする人では男性が多いのかもしれませんね。

 「パート」という言葉の語源は「part-time jobber」です。最近は「パートナーさん」 と呼んでいるところもあるようです。「partner」は「仲間、相棒、共 同出資者、共同経営者、配偶者」などという意味であり、動詞なら「~と提携 する」です。「associate」より偉そうですが、たぶん「劣悪な労働条件」はそ のままなのでしょうね。


 なにしろ「民」といわれると、ぼくら一般市民はどこか嬉しい。自分たち のことだと思って。そして「官僚」にはまるで親しみを感じないので、 「官から民へ」と聞くと、よけい身近な感じがしてくる。ところが実際は、 郵政民営化の「民」はぼくらなんかではなく、大資本の民間企業のことを 指す。つまり「官」よりも遥かに市民から遠い、国際金融市場を支配する 巨大な「民」なのだ。

 ウォール街は、じっと待ち構えている。日本国民が、その一字を取り違え て、うっかり340兆円を落としてくれるのを。


 アーサーさんの警告にもかかわらず、日本愚国民はポチ・コイズミとその下僕の マスゴミにまんまと乗せられて、「郵政民営化」選挙を大勝させてしまった。

 ポチ・コイズミを支持した愚民たちは、相変わらずオコチャマランチ狆ゾウ にたぶらかされているようだ。救いようがないね。
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