FC2ブログ
2006年9月4日 ホームページ『「日の丸・君が代の強制」と闘う人たちと勝手に連帯するレジスタンスの会』からの引越し完了しました。
604 「ほんとうの考え・うその考え」―ヨブの主張(4)
不可解なヨブの和解
2006年9月11日(月)


 不条理な運命に対するヨブの苦悩・悲嘆・慟哭・呪詛・抗議の言葉が、世界中に満ち満ちている。無辜の 民の命を奪い、そのささやかな資産を灰燼に帰して恥じない国家による殺戮・破壊 はいよいよ激しい。その苦悩・悲嘆・慟哭・呪詛・抗議の言葉が、明日には私(たち) の口をついて出る言葉になるかもしれない。そうならない保証は何もない。 だから、ヨブがぎりぎりの所でどう神との最後の対峙をするのかは、 私(たち)の問題でもあり、私はとても関心をもっている。



「ヨブ記」終曲(第42章)

ヨブは主に答えて言った。

あなたは全能であり 御旨の成就を妨げることはできないと悟りました。

「これは何者か。知識もないのに 神の経綸を隠そうとするとは。」

そのとおりです。 わたしには理解できず、わたしの知識を超えた 驚くべき御業をあげつらっておりました。

「聞け、わたしが話す。お前に尋ねる、わたしに答えてみよ。」

あなたのことを、耳にしてはおりました。 しかし今、この目であなたを仰ぎ見ます。 それゆえ、わたしは塵と灰の上に伏し 自分を退け、悔い改めます。

主はこのようにヨブに語ってから、テマン人エリファズに仰せになった。

「わたしはお前とお前の二人の友人に対して怒っている。 お前たちは、わたしについてわたしの僕ヨブのように 正しく語らなかったからだ。 しかし今、雄牛と雄羊を七頭ずつわたしの僕ヨブの ところに引いて行き、自分のためにいけにえをささげれば、 わたしの僕ヨブはお前たちのために祈ってくれるであろう。 わたしはそれを受け入れる。 お前たちはわたしの僕ヨブのようにわたしについて正しく 語らなかったのだが、お前たちに罰を与えないことにしよう。」

テマン人エリファズ、シュア人ビルダド、ナアマ人ツォファルは 行って、主が言われたことを実行した。そして、主はヨブの祈りを 受け入れられた。

ヨブが友人たちのために祈ったとき、主はヨブを元の境遇に戻し、 更に財産を二倍にされた。

兄弟姉妹、かつての知人たちがこぞって彼のもとを訪れ、 食事を共にし、主が下されたすべての災いについていたわり慰め、 それぞれ銀一ケシタと金の環一つを贈った。

主はその後のヨブを以前にも増して祝福された。ヨブは、 羊一万四千匹、らくだ六千頭、牛一千くびき、雌ろば一千頭を持つこ とになった。

彼はまた七人の息子と三人の娘をもうけ、 長女をエミマ、次女をケツィア、三女をケレン・プクと名付けた。

ヨブの娘たちのように美しい娘は国中どこにもいなかった。 彼女らもその兄弟と共に父の財産の分け前を受けた。

ヨブはその後百四十年生き、子、孫、四代の先まで見ることができた。

ヨブは長寿を保ち、老いて死んだ。



 いったいこれは、ナンジャラホイ?とつい口癖の自家コトバが出でしまう。 あまりにも陳腐な結末じゃないか。(ここまで、仁平)

 どうしてヨブが、こんなつまらないことを言われて、あっさり兜をぬい じゃったんだろうというのがよくわからないところです。いままで苦悩の ありったけを打ち出して、ありったけの呪いの言葉と抗議の言葉を神にたい して吐いていた人間が、神はこんなふうに偉いんだぞ、おまえなんかでき ないだろうと言われて、はいわかりました、と言うのはおかしいじゃない かとおもうんです。

 たぶん唯一神があらゆるものを造ったという考え方が、オリエント、西欧 にとってどのくらいの重さをもっているのか、ぼくらには頭のなかで想像は できてもよくわからないところです。その考えが人工的でないとすれば、と てもわかりにくいのです。とにかくそこで和解します。

 ぼくらもヨブのほうが友人が言っていることよりも、正しいことを言って いるとおもいます。ヨブは神を呪う言葉を言って、一見すると神を冒涜して いるようにみえますが、そうじゃない。人間の<信>と<倫理>とを最大限 に結びつけようとしている。ありきたりの宗教的理念で、神は善いことをす れば善い報いをし、悪いことをすれば悪い報いをするという友人の考え方の ほうがつまらないとおもいます。

 しかし一般的にいえばそういう考え方が多いわけです。ぼくらが知っている 日本の宗教家でいえば、親鸞が唯一ひっ繰り返した言葉で言いました。 「善人なほもて往生を遂ぐ、いはんや悪人をや」と。そういうことを言ったの は、日本では宗教家として親鸞だけです。だからどうしても、神の言葉より ヨブの言葉のほうが優れているという読み方になります。

スポンサーサイト



 コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
 トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://adat.blog3.fc2.com/tb.php/618-70e71764
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック