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305 日本の支配者は誰か(12)
弱いは強い、強いは弱い
2005年6月18日(土)


 独占資本や地主などの支配階級は、戦前と比べて戦後は、いったい弱くなったのか強くなった のか。例えば独占資本の場合、資本の集中力はここで見れば戦前以下であるが総体では戦前より はるかに大きいという。だが、問題の核心はそこにあるのではなく、むしろ、「彼らは弱くなった、 そこで強い支配体制が必要になった」、という点にあると、「日本の支配者は誰か」の 筆者は指摘している。

 それに対して根本的な経済関係の矛盾の方はどういうことになるか。食糧問題を例にとって 次のように述べている。
 日本では食糧が不足ではないのに、外米外麦が輸入されて高い価格をはらってゆく。 それは戦略備蓄のためであり、またアメリカのいうことをきくシャムの反動政権に財源を あたえるためである。しかも一方で強制供出をやりながら、他方では米麦が朝鮮に送られ る。都市の大衆は戦争経済の影響をうけて次第に購買力を失い、そこから農村に過剰生産 があらわれているというときに、その打撃をもっとも深くうける貧農は高い飯米を買わね ばならない。
 農村における地主勢力の支配はこのような悪循環を無限に重ねてゆかざるをえな い。それは不可避的に一切の政治的自由から ―― 民主主義と自由主義からますます 遠ざかってゆく道であり、そのことによって社会の内部に現存する矛盾をとんでも ないところまで発展させてしまうやり方である。

 このような矛盾を糊塗するための支配階級によるさまざまな政治支配の方法の一端を 見てきたわけであるが、支配階級にとってもうひとつ重要課題があった。支配イデオロ ギーの再建問題である。それについては次のように述べている。
 それは植民地化の現況にふさわしく、古いショーヴィニズムの復活とタイハイ的なコスモ ポリタニズムの二様の展開を示している。ショーヴィニズムは農村から、コスモポリタニズ ムは都会からというわけで、それが基地を背景に全国いたるところで混り合い重なりあってい る。支配階級の目から見れば、それは、現実の矛盾に目をつぶりながら、国民を軍国主義と ファシズムの彼岸へたどりつかせるための興奮剤とみられるかもしれないが、ここにも 危機感はみなぎっているわけで、うけとる側の国民は生酔い本性違わずである。イデオロギー攻勢 の中身もむかしほどではない。けだし、支配的なイデオロギーというものも支配体制の有するす べての強さと弱さ、その矛盾を反映しないわけにはゆかぬからである。

 「ショーヴィニズム」=「排外的で偏狭なナショナリズム」、「コスモポリタニズム」= 「アメリカ一辺倒の単細胞的国際感覚」と解すれば、これも現在にまで尾を引いている日本の支配層の 陥穽である。いま日本の支配層はかってないほどの強固な体制を完成しているように思えるが、その 内実は、これもかってないほどの矛盾を抱え込んでいて、粗悪な上にチグハグな材質で建てられ た巨大ビルディングのように脆弱なのではないか。

 最後に、「日本の支配者は誰か」の「結び」の一節を引用して、このシリーズを終わる。
 われわれのリストによれば、日本の支配者たちは誰も彼も、ずいぶん古くさい帽 子をかぶっていた。世界で一番新しいというアメリカ人までが、この国の支配階級 にまじると、大名社会のサムライに似てくるように思われた。彼らは前方を見るこ とをやめたためにそうなったのであろうか。  だが思うに、中世紀の特徴は、住んでいる世界がせまいこと、世界の外が見えな いこと、明日も今日のごとしと思いこんでいること、等等である。中世紀が頭の中 にへばりついているかぎり、危機も、滅亡さえもが、其の意識には上らない。まこ とに物騒千万である。しかもわれわれにとっては、これを百年前のむかし語りと聞 き捨てることは不可能である。
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