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2006年9月4日 ホームページ『「日の丸・君が代の強制」と闘う人たちと勝手に連帯するレジスタンスの会』からの引越し完了しました。
208 北村小夜さんの講演から(1)
体のノート
2005年3月11日(金)


 先週(3月5日)「板橋のつどい」という集会に参加した。その集会で北村小夜さんの『子どもた ちをとりまく目に見えぬ「強制」』という講演があった。そのお話しの中に2点紹介したい話題があった。 それを紹介しようと思う。
 お話しは当日配られた資料(北村さんの論文)にそって進められたので、その資料からの引用 という形で紹介する。資料は『逆らわない心・丈夫な体 改憲と教育基本法「改正」のめざすもの』 (以下「論文1」と呼ぶ。)と『危ない音楽教科書』(「論文2」と呼ぶ。)

 北村さんはご自身が軍国少女に仕立てられていった経験とつき合せて現在の状況を読み解いて いる。その現状認識にはとても説得力があると私は感じた。

 まず「心のノート」の徳目が戦前の修身の教科書のそれとほとんど同じことを指摘する。また、 修身の場合はほとんどが上から指図する説諭の形を取った教育方法であったが、「心のノート」は 徳目ごとに自己点検を強いるという方法でこころを改造しようとしている。その点では修身以上に 問題だと指摘している。そして、一方的な配布についても大問題だとして「論文2」」で次のように 言っている。
 文科省は02年4月、全国の小・中学生に「心のノート」を配った。〝我が国を愛しその発展を 願う〝国民を育てようというその内容は勿論であるが、手続きも不届き極まりない。
 いま、教育現場で子どもたちに教材を渡すのは生易しいことではない。教科書なら検定制度 があり合格しなければならない上、教育委員会に採択されなければならない。補助教材に してもさまざまな手続きが必要である。
 ところが「心のノート」は、現場の意向などに関わりなく送りつけ、使用を強制している。 このことについては国会でも問題になり、中川智子議員や神本美恵子議員などが質問し ているが、文科省は「地方教育行政の組織及び運営に関する法律(略して地教行法と呼ばれ ている)の中にある、文科大臣は地方公共団体に対して、教育行政にかかわって、必要な指 導・助言、援助を行うことができる権限に基づいたものである」といっている。
 しかし、地教行法48条は1項に「文科大臣は都道府県又は市町村に対し、都道府県委員会 は市町村に対し、都道府県又は市町村の教育に関する事務の適正な処理を図るため、必要な 指導、助言又は援助を行うものとする」と、権限を「教育に関する事務の適正な処理を図る」 に限定している。どう考えてもこの法で国定教材ともいうべき「心のノート」を作成し、配布 して使用を強制するのは無理である。

 こんな製作や配布や使用強制を許していたら次に何が現れるかわからないと憂慮されていたが、 現れたのが、「体のノート」ともいうべき「元気アップハンドプック」というしろものである。 発行文部科学省、製作協力(財)日本体育協会とある。文科省生涯教育課によれば、今年 (04年度)は小学校1、3、5年生に配った。次年度からもそうしていくという。文科省がそう いうのに、まだ受け取つていない該当学年の子がたくさんいるのは、教育委員会を含め、多く の現場が求めているものではない証拠である。

 「心のノート」ほど豪華ではないが、やはり低学年用・中学年用・高学年用がある。いまのと ころ中学生用は出ていないようであるが、かわりに幼児用がある。
 一見して戦時中の国民体力法に基づく体力手帳を彷彿とさせるが、その手法は全く違う。 「心のノート」同様、自己点検させ、自ら一国民として健康と体力アップをめざそうと思 い込ませるよう仕組まれているし、家庭に責任を持たせようという意図もみえる。特に低 学年はカレンダー方式で、365日保護者によるチェックを要求している。

 このところ学校の内外で、子どもの健康に関することがかしましい。

 学習指導要領では77年改訂以来、総則で、道徳教育と体育に関する指導を教育活動全体を 通して行うものとして、各教科にさきだって、徹底の必要を述べてきたが、98年改訂では、 その「体育に関する指導」を「体育・健康に関する指導」に改めている。すでに「健康は 国民の責務である」という健康増進法も施行されている。もう健康を保てない者は非 国民である。障害や病気を持つ人々が生きにくくなってきた。
 学校現場における栄養教諭の新設もきまった。間もなく、知育・徳育・体育の基礎となるべきも のとして食育基本法が成立する。

 「論文1」の冒頭は次のように始まっている。
心と体が国に奪われた。このところ「心のノート」と「健康増進法」による体制をこう呼ん できた。「体のノート」ともいうべき「元気アップハンドブック」も配られた。
 戦争をするには、国民の逆らわない心と丈夫な体が必要である。その育成は多く教育に 求められる。ほぼその仕組みは完成している。
 すなわち、憲法も教育基本法も「改正」された状況にある。

 自分の不明を白状すると、私は「健康増進法」とか「少子化社会対策基本法」とかに 全く関心を持たなかった。北村さんはこれらは戦時中の「国民体力法」とか「国民優性法」に 匹敵すると言う。
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