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2006年9月4日 ホームページ『「日の丸・君が代の強制」と闘う人たちと勝手に連帯するレジスタンスの会』からの引越し完了しました。
203. 再軍備はどのうに行われてきたのか(5)
再軍備の経過がはらんでいた問題点
2005年3月5日(土)


 福島氏は「再軍備の経過がはらんでいた問題点」を5点挙げている。それぞれ長い文章なので 要約をして紹介する。

(1) 警察予備隊ほ警察の名で実体をおおったので、地上部隊のみに限られていた。しかし保安庁の下 で陸海二部門をそろえた上、航空部隊の準備を始めた。それらは54年7月には航空自衛隊に合流した。

(2) 保安庁発足時に大量に旧軍人が入隊し、編成、訓練等の主導権はたちまちかれらに移った。 54年5月の保安庁幹部級軍歴表(旧軍尉官以上)によれば、旧軍人は保安隊で24.4%、警備隊で 実に80.2%をしめた。隊内では昭和初期のファッショ的青年将校が愛好した「昭和維新の歌」が教 えられ、社会では在郷軍人会、戦友会が復活した。これら旧軍人はその後20数年自衛隊を指導し、 その下で新しい幹部自衛官の団体精神が養なわれたのである。

(3) それと関連してシビリアン・コントロールの問題が深刻となった。
 保安庁法第16条6項では内局の課長以上の幹部は幹部保安(又は警備)官の経歴のない者のうち から任用すると定めていた。これが審議中から旧軍人の激しい攻撃を受け、大橋国務相は修正 を考慮していたが、原案どおり制定され、批判は続けられた。54年6月の防衛庁法ではとうとう この制限を撤廃するにいたった。そのことにより内局幹部は制服よりに立場が変っていったと みられる。
 そればかりでなく55年3月の第二次鳩山内閣では野村育三郎元海軍大将の防衛庁長官起 用を求め、内閣法制局の異論で断念している。

(4) その点にも示されたように政治指導層には軍事政策立案・検討能力がなく、在日米軍や MSA軍事顧問団と直接連絡した部隊幹部の決定によって、重要な政策路線が既成事実として先行 的につくられる慣習が確立した。
 例として
 ① 海軍の設置は米軍からのフリゲート艦の半ば強制的貸与によって行われた。
 ② 航空部隊の設置も在日米空軍と旧陸海軍幹部との間で協議されていた。
 ③ レーダー部隊の養成、スクランブルの航空自衛隊によって担当なども米軍との合意によって進められた。
などがあり、
 このように重大な政策は国会はおろか閣議でも事前に検討されたことはなく、国民には全く知 らされなかった。

(5) MSA援助を受けるにあたってのアメリカからの強い要請にこたえようと、長期防衛計画 の立案が非公式に始められている。
 ① 53年5月12日経団連は「防衛生産八ヵ年計画」を発表。
   59年までに総額2兆9700億(米への依存2兆3200億)という大きな規模を示した。
 ② ついで木村保安庁長官が談話の形でやや小規模な「警備五ヵ年計画」を発表も吉田首相 に政府正式見解ではないと叱貴され、取り下げる。
 ③ 9月2日あらためて保安庁が「防衛五ヵ年計画案」を発表。
 ④ 経済審議庁もその頃さらにひかえめな「防衛六ヵ年計画」を作っている。
 ⑤ 53年10月の池田・ロバートソン会談で「防衛五ヵ年計画池田私案」を示す。総経費9000億円。
 ⑥ 最も極端なものは増原恵吉保安庁次長が同じ10月7日自由党総務会で理想案を説明。五ヵ年で 7~80兆円と大風呂敷をひろげる。米顧問の希望意見と日本案がひかえめなものだと見せる演出をした。
 これらの計画案の競演によって、再軍備が不可避であり計画的に進める義務を負っているという 国民的意識の刷り込みをはかっていた。

 いずれにしても憲法第九条を無視し国民に対する説明と討議を行なわずに、すべて既成事実のつみ 重ねによって進められてきたという点が重要である。

 前回の年表でも略記したが、池田・ロバートソン会談の直前9月27日に吉田・重光の自由・改進両 党首会談が行なわれた。吉田は重光に衆議院202名の少数与党の上に立つ第五次吉田内閣の防衛政策 への協力を求めた。両者の合意は、
1. 長期防衛計画を立て、自衛力増強の方針を明らかにする、
2. 保安隊を自衛隊に改め直接侵略にも対抗できることにする、
3. それに関する憲法問題を協議する、
4. 長期経済建設の政策も協議する、
というものであった。

 上記の3.とは別に、53年11月17日吉田が分党派自由党をひきいる鳩山に復党を懇請 し、その条件として党内に憲法改正調査会を設けることを合意した。このときから、 憲法「改正」への歩みがふみ出されることになった。
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