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2006年9月4日 ホームページ『「日の丸・君が代の強制」と闘う人たちと勝手に連帯するレジスタンスの会』からの引越し完了しました。
67. 「非国民について」(1)
2004年10月20日


 今回から上の表題は天本さんの本の中での表題をそのまま使っています。

 前々回に引用した文の続きです。

 『戦争中の日本人は、「天皇陛下のために死ね」といわれ、「皇国不滅」とか、「鬼畜米英 に負けるな」などといって戦っていた。「一億一心」という言葉も生まれた。日本国民一 丸となって、天皇陛下のために戦えという意味である。
 この皇国の人々は、天皇は神であるから、絶対に戦争には負けるはずがないと思ってい た。神風が吹き、奇跡が起こり、日本は世界を制覇すると思っていたのだ。恐ろしいこと である。今の子供でもそんなことは考えない。
 この時、きちんと戦局を見抜き、正常な判断力を持っていた人たちは、非国民と呼ばれ た。日本国民ではないといわれたのだ。
 この戦争は間違っていると考えたり、この戦争には反対だと発言した人たちは、非国民 と呼ばれ、監獄に入れられた。監獄の中で特高警察に拷問され、たくさんの人たちが拷問 によって殺された。
 戦争中は、愛国者たちが非国民を警察に密告していたのである。ウチの隣の家の男が、 この戦争は負けるといっている、彼は非国民です、と、警察に密告する。すぐに警察が来 て、男は連れていかれ、監獄に入れられた。  日本人が、日本人を売り、殺していたのだ。』


 大日本帝国時代に最も猛威を奮ったのは「不敬罪」でしょう。山中恒さんの 『ボクラ少国民』に「特高月報」に記録されている「不敬罪」の事例が三例挙げられています。 次の事例は明らかに密告によるものでしょう。

庁府県名 石川
種  別 不敬不穏言辞
氏 名 金沢市池田町一番地二、荒木勇次郎・六二
概 要 被疑者は昭和十七年四月以来居町会庶務部長として現在に及びたるが本年八月末頃同町会の席上に於て町会役員数名に対し
 天皇陛下は宮殿下に羽二重を御下賜になったと新聞に出て居るが天皇陛下からになると羽二重が自由に手に這入るから結構なものや、衣料切符はどんなになって居るのかな云々
 と不敬の言辞を弄したる外七、八月頃の役員会席上に於ても時局に関し人心を惑乱すべき言辞を弄す。
措 置 九月三十日検挙取調の上本月十二日不敬罪及言論出版集会結社臨時取締法違反として送局


 密告だけではありません。電車や映画館には、不敬罪を摘発すべく虎視眈々と獲物を狙う私服刑事 (移動警官と言うらしい)がうろちょろしていたのです。次の二事例は移動警官による摘発です。

庁府県名 長崎
種  別 不敬言辞
氏名年齢 横須賀海軍工員宿舎・志佐甚平・三二、同・井上七太郎・二七
       (前)
概  要 上記両名は四月十三日公休日を利用し郷里に赴き其の帰途列車中に於て
 志佐/オイ皇太子殿下に会って来たか(子どもの意)
 井上/皇太子殿下には会わんが皇后陛下に会って来たよ(女の意)
 志佐/やって来たか、シゲ(シテの意)帰ったっじゃもん
 と不敬会話を為し居たるを同乗の移動警官に於て検挙す
措  置 本件は徴用工員の事犯なるを以て憲兵隊に引継き取調中

庁府県名 徳島
種  別 不敬言辞
行為者 本籍・徳島県美馬郡脇町字猪尻二二七、住所・徳島市中佐古町一四、郵便集配人・高 木幸盛・当二十年
概 要 六月二十七日徳島市内東宝両国館に於て映画(日本ニュース)観覧中
 皇后陛下別嬪デナイデナイカ云々
 と不敬言辞を弄す
措  置 不敬罪として検挙


 たわいのない日常会話まで監視されていたのです。全く狂気の沙汰としか言いようがありません。 石原のイデオロギー(虚偽意識)など、この狂気と五十歩百歩でしょう。しかし、狂気だから怖いのです。
 前回に触れた「共謀罪」が成立すると、喫茶店や飲み屋に移動警官が出没することになるのでしょうか。
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