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今日の話題3

続「安倍政権6年間の悪行・愚行」(4)

   日刊ゲンダイDIGITALの『巻頭特集』の中にあった記事で「安倍政権の悪行・愚行」を論じている論考をもう一つ手元に記録していました。『日本人の賃金は「一人負け」 日経も報じた安倍政権の大嘘』(2019/03/20付)です。今回はこれを読むことにします。

嘘ばっかり拡大する

   19日の日経新聞が1面トップで取り上げた〈ニッポンの賃金(上)〉と題した記事は衝撃的な内容だった。
   〈賃金水準、世界に劣後〉と大見出しを付け、欧州などの主要国と比べて日本の労働者の賃金が大きく伸び悩んでいる状況をこう書いた。

   経済協力開発機構(OECD)は残業代を含めた民間部門の総収入について、働き手1人の1時間あたりの金額をはじいた。国際比較が可能な17年と97年とを比べると20年間で日本は9%下落した。主要国で唯一のマイナスだ。英国は87%、米国は76%、フランスは66%、ドイツは55%も増えた。韓国は2.5倍。日本の平均年収は米国を3割も下回っている。

   <そして、日本がこの低賃金状況から抜け出すには、生産性を高め、最低賃金を引き上げるなど高付加価値の仕事にシフトする潮流をつくり出すことが欠かせない>――と結ぶのだが、この記事は2つの意味で驚きだ。

   一つは安倍政権がアベノミクスと称して黒田日銀の尻を叩き、異次元金融緩和を続けていても、国民が手にする賃金は全く増えず、逆に減っているという事実を突き付けたことだ。アベノミクスが始まった当初、政府は金融緩和などによる円安効果で大企業が儲かれば、やがて富が滴り落ちる「トリクルダウン」が起きて国民のフトコロも潤う、と喧伝していたが、全くの嘘っぱちがあらためて証明されたのだ。
   実際、17年度の国内企業の内部留保は第2次安倍政権が発足する前と比べて約164兆円も増え、過去最高の446兆円に達したが、人件費に回す割合を示す労働分配率は43年ぶりの低水準だ。
   なるほど、日本だけが突出して賃金が安いというデータが示されるのも当然だろう。

表面上の数字で好景気を演出するアベノミクス

   もう1つの驚きは、これまでアベノミクスを持ち上げ、政権を“側面支援”してきた日経が1面で安倍政権の“大嘘”を報じたことだ。

   アベノミクスが始まった13年。春闘真っ盛りの今と同じ時期の日経紙面を振り返ると、当時は〈安倍晋三首相が業績好調な企業に求めている賃上げに応じる動きが産業界に広がりそうだ〉と書き、アベノミクスが春闘にも好影響を及ぼす期待感をにじませていた。そして、実際は一時金を引き上げた企業が目立っただけで、基本給を底上げするベースアップ(ベア)した会社はチョボチョボだったにもかかわらず、トヨタを例に挙げて〈満額回答なら上昇分はアベノミクスの2%の物価上昇目標を大きく上回る公算だ〉〈金融緩和が生んだ円安・株高を追い風に日本経済が動き出した〉などとヨイショ記事を連発していた。

   ところが今回の1面記事の論調は6年前とは様変わり。春闘に臨むトヨタを取り上げつつも、〈労使交渉で、ベア見直しを含めた賃金体系の再考を提案〉〈危機感がトヨタを「脱ベア」に突き動かす〉と、アベノミクスの「ア」の字も出てこないのだ。金融論が専門の相澤幸悦埼玉学園大教授がこう言う。

アベノミクスとは大企業の利潤追求を国家が後押しすること

   日経もとうとう“本質”を書いたかと思いましたね。アベノミクスの正体はメチャクチャな金融緩和で円安誘導し、法人税減税で大企業を儲けさせただけ。本来は個人消費を増やす施策を打ち出し、地道に内需拡大しないとダメなのに、表面上の数字で好景気を演出していたわけです。さすがに6年経ち、このままでいいのかと、日経も危機感を持った表れだと思いました。

   それにしても、である。安倍が年頭所感で「景気回復の温かい風が全国津々浦々に届き始めた」と語っていたのは一体何だったのか。安倍の言う通りであれば、どの企業、労働者もウハウハだ。トヨタが大々的に「脱ベア」をブチ上げることもなかっただろう。ところが、今春闘を見ると、ベアを実施する、との回答は見られるものの、電機や自動車など輸出産業を中心に上げ幅は前年割れが続出した。貿易統計(2月)で輸出額が前年同月比1・2%減の6兆3843億円と3カ月連続で減少するなど、景気の減速懸念が鮮明になってきたからだ。
つまり、アベノミクスによる円安の恩恵を受けてきた輸出バブルにも陰りが見え始めているということだ。

   朝日新聞が16、17両日に実施した全国世論調査では、「景気が悪くなった」との回答が49%で、「そうは思わない」(41%)を大きく上回り、共同通信の世論調査でも、景気回復を「実感していない」との回答は84.5%にも達した。安倍内閣の支持層でも「実感していない」は73.7%だから、しょせんは「景気回復の温かい風」なんて安倍の妄想に過ぎないのだ。
   そしてこの先、働き方改革などという労働者イジメの愚策で残業代は限りなくゼロになる上、移民受け入れや非正規雇用の増大で、低賃金化はますます進む。安倍は「景気回復で380万人の就業者が増えた」と寝言を言っているが、増えた就業者の7割は高齢者だ。内閣府の調査では「今後も働き続けたいと思う理由」を高齢者に尋ねたところ、「収入がほしい」との回答が5割近くで断トツ。要するに景気回復で就業者が増えたのではなく、低賃金のために働かざるを得ない無残な状況に追い詰められているのだ。埼玉大名誉教授の鎌倉孝夫氏(経済学)がこう言う。

アベノミクスとは大企業の利潤追求を国家が後押しすること

   労働時間が増えるばかりで賃金は伸びない。そういう業種や業態がたくさんあるのに移民を受け入れ、非正規を増やす。労働者がどういう環境に追い込まれるのかは容易に想像がつくでしょう。アベノミクスというのは、国家が大企業の利潤追求を後押しするということ。当然、労働者は劣悪な環境に向かうだけです。

記者クラブメディアの報道はアベノミクス以上に問題

   日銀による空前の金融緩和が始まって6年。今回の春闘で、経営者や働き手のマインドは市場にお金を大量に供給する金融政策だけでは変えられないことが、改めてわかった。このままではアベノミクスがめざす景気の好循環は起きないし、日銀の物価目標の達成も遠のくばかりだ。

   19日の朝日新聞で、堀篭俊材編集委員は〈日本経済 「デフレマインド」払拭なるか〉と題したコラムでこう書いていた。
  「至極まっとうな正論だが、そんなことはとっくに分かっていたハズだ。

   全国銀行協会の藤原弘治会長(みずほ銀行頭取)は2月の定例会見で、日銀の異次元緩和について「物価目標は2%という絶対値にこだわりすぎるべきではない」と異論を唱え、16年には、三菱UFJフィナンシャル・グループの平野信行社長もマイナス金利について「懸念を増大させている」と踏み込んでいた。大新聞の記者が今さらエラソーに書かなくても、アベノミクス(異次元緩和)に対する市場の認識は、とっくに「やめろ」だったワケで、それを礼賛してきたのが大マスコミではないのか。元共同通信記者でジャーナリストの浅野健一氏がこう言う。

大マスコミの権力礼賛報道は、まず疑うべきだ。

  そもそも記者クラブメディアは経済について不勉強。だから、何ら疑いを持たずに政権の言うままに万歳記事を書くわけです。『アベノミクスで、こんなにうまくいっている』と言われれば、ハイそうですかと。
株高でスポンサーの大企業が儲かれば、自分たちも潤う面もある。アベノミクスも問題だが、それを垂れ流す記者クラブメディアの報道も問題なのです。


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