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2006年9月4日 ホームページ『「日の丸・君が代の強制」と闘う人たちと勝手に連帯するレジスタンスの会』からの引越し完了しました。
歴史隠蔽偽造主義者たち(11)

「慰安婦強制連行」捏造論(4)

 前回の引用文中に次の一文があった。
『日本軍の占領地で直接的な暴力や脅迫による、安倍首相の言う「人さらい」のような「強制連行」があった事実も明らかになっている。』

 私たちは強制的に慰安婦にされた人たちが朝鮮や日本の女性たちだけではないこと知り記憶に止める必要がある。特集『「南京」と「慰安婦」』の「慰安婦」関連の記事の中に、成澤宗男さんがヒフレデ・ヤンセン(Hilde Janssen オランダ在住文化人類学者)という方にインタビューした記事がある。ヒフレデ・ヤンセンさんはインドネシアで「慰安婦」の調査をした方で『恥辱と潔白 インドネシアの「慰安婦」の抑圧された戦争の過去』などの著書がある。今回はこの記事を読むことにする。表題と枕の文は次の通りである。
日本軍はインドネシアで何をしたのか

自民党政権は、日本軍「慰安婦」を「強制連行していない」と主張する。だが、インドネシアの数々の実例はこれがウソだと示している。

 本文を読んでみよう。

――ヤンセンさんは20年近くインドネシアにお住まいで、2007年から日本占領時代のインドネシアで日本軍「慰安婦」にされた女性たちの聞き取り調査を手がけられました。これまで繰り返されてきた戦時性暴力の歴史において、日本軍「慰安婦」の特徴は何であるとお考えですか。

 第二次世界大戦中の戦時性暴力は、突発的、かつ短期間に発生しているのが特徴です。しかしこれほど長期にわたり、かつこれほど多くの女性たちを軍隊が暴行した例は、日本のほかにありません。しかも軍隊が「慰安所」を設置し、管理・運営するという組織性についても、際だった特徴でしょう。

――これは日本だけのシステムだと。

 インドネシアには、1941年12月の真珠湾攻撃前に日本人の医師がスパイとして送り込まれています。彼は現地の売春施設にいる女性たちの健康状態を調べ、その報告書が残っています。多くの女性たちが性病にかかって健康ではないとして、「村の協力を得て女性たちを選び、『仕事がある』という名目で『慰安所』に送る」というシステムを提案しています。実際にこの通りにしたのですが、きわめて計画的、組織的です。

「強制連行」された「性奴隷」

――日本の菅義偉官房長官は昨年の9月5日の記者会見で、インドネシアでは「(『慰安婦』の)強制連行を示しているものは見当たらなかった」と発言していますが。

 まったくのウソですね。私の調査では、「慰安所」は軍の命令で設直されたもののほか、数が足りなかったため、現地の司令官が工場等を利用し私的に「慰安所」にした例もあるのですが、いずれにせよ女性をそこに強制的に連行し、監禁してレイプし、あるいは売春を強要するというやり方は変わりません。中には映画館にいたら、兵士に無理矢理「慰安所」に連れて行かれた例もあります。さらには兵舎で日中は料理や洗濯をさせ、夜間に集団レイプするという例もありました。調査で会ったうち、「慰安婦」にされた最年少の女性は実に11歳でしたが、銃を待った兵士に対し何も抵抗できない状況のまま、「慰安所」に入れられたのです。なぜこうした例が、「強制連行」ではないのでしょう。

――外務省は、日本軍「慰安婦」は性奴隷ではないとも他国に主張しています。

 これも、明らかにウソです。「奴隷」という定義にもよりますが、「慰安婦」にされた女性たちは、入れられた「慰安所」から出ることを許されませんでした。日曜日に外出できる例もありましたが、兵士の監視付きでした。抵抗できなくされた上で監禁され、売春を強制されたのなら、明らかに性奴隷と見なしうるはずです。

 07年11月にオランダ下院は全会一致で採択した決議で、
「旧日本軍が戦時中、アジア諸国や西欧出身の女性を『性的奴隷』として働かせた」
と非難し、日本政府に元「慰安婦」への謝罪と賠償を求める決議を採択しています。こうした声に、耳を傾けるべきです。

――このような愚かな日本政府の言動に対し、どのように思われますか。

 おそらく安倍晋三首相を始めとした日本政府は、特定の国が「日本を貶め、恥ずかしい思いをさせようとしている」と考えているようですが、そうした姿勢こそ日本にとって国際社会での「恥」ではないでしょうか。二度と誤りを繰り返さないためにも、自国の歴史を直視すべきでしょう。そして何よりも、「自分たちを被害者として認めてほしい」という元「慰安婦」の声に耳を傾け、彼女たちの証言が事実であると認めるべきです。そうしない限り、彼女たちの尊厳は決して回復しません。彼女たちに残された時間が少なくなっている以上、日本政府は早く姿勢を改めるべきでしょう。

 知れば知るほど恥の上塗りを繰り返している日本の極右政治家・学者・評論家の存在が同じ国に生きている一人として穴があったら入りたいほど恥ずかしくなってくる。

(追記)
 『週間金曜日』最新号(1155号 10月6日刊)に「慰安婦」被害者を記録し続けている写真家・安世鴻(アン セホン)さんへのインタビュー記事が掲載されている。その記事にはインドネシアの他に海南島(中国)や東チモール・フィリピンでの日本軍による女性拉致事件が取り上げられている。どの例も読むに堪えないようなおぞましい事件である。

 安さんは5年前に慰安婦の写真展を計画したが、中止に追い込まれていた。その事件を裁判で争って勝訴している。今回、『重重 消せない痕跡Ⅱ アジアの日本軍性奴隷被害女性たち」』という2回目の写真展を開催していた(10月9日終了)。その写真展への思いを次のように語っている。
「周りの冷たい視線、差別、目をそむける加害国と被害国……。こうした苦痛が被害者の中に幾重にも積もっている。彼女たちと共に泣き、笑って過ごしながら、その人生の内側をレンズに収めることが、私にできる最大限のことなのです。」
 このように被害女性たちに優しく寄り添う人がいることを知り、私の心はほんのりと温かくなっている。

 この記事をまとめた「おかもと ゆか」さん(多分 岡本有佳さん)は最後を次のように締めくくっている。

まなざしに向き合う

「日本では2015年12月の"日韓合意"で、問題が解決したかのような報道が続き、日韓の市民意識のギャップは広がるばかり」
と言う安さんは今回、インターネットでのクラウドファンディングで日韓の市民に直接、資金援助と参加を求め、写真展を実現した。

 安さんは言う。
「被害者の意見を無視した『合意』であり、彼女たちの苦痛は解かれるどころか、積もっていくばかり。しかも、韓国以外の被害者たちはまるで存在しないかのようです」

 12年に起きた東京、大阪のニコンサロン「慰安婦」写真展中止事件で明らかになったように、日本社会は「慰安婦」問題をタブー化し、覆い隠そうとした。しかし、安さんはニコンの中止決定に抗し、裁判で闘いながら性奴隷被害者の取材・発表を続けてきた。今回が勝訴判決後初の写具展。写真を通して被害者のまなざしに向き合うのは私たちの番だ。

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