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2006年9月4日 ホームページ『「日の丸・君が代の強制」と闘う人たちと勝手に連帯するレジスタンスの会』からの引越し完了しました。
歴史隠蔽偽造主義者たち(8)

「慰安婦強制連行」捏造論(1)

 私はこれまで「慰安婦問題」については詳しいことはほとんど知らなかった。真実を度外視した議論に騙されないために、今回はその問題の真実を知ることが第一の目的である。

 ではまず、歴史隠蔽偽造主義者たちは「慰安婦問題」の何を問題にしているのか。「慰安婦」と呼ばれる人たちがいたことは否定していないようだ。その人たちが強制連行さていたという点を捏造と騒いでいるらしい。

 今教科書にしている週間金曜日の特集の慰安婦関係の記事は6件もある。とても全部を取り上げることはできないが、ともかく第1記事をよんで問題の要点を把握することにしよう。

 第1記事の表題と論説者は次のように紹介されている。
『朝鮮人女性「年間1万人」強制連行の動かぬ証拠』
 第二次大戦末期、日本の植民地だった朝鮮から朝鮮人女性を集めて日本内地や国外に送る強制連行が、1944年度の「国民動員計画」だけで年間1万人に及んでいたことが、新たに見つかった「極秘通牒」などの戦時中の公文書でわかった。文書を発見したジャーナリスト・今田真人(いまだ まさと)さんが「官憲による慰安婦狩り」の真相に迫る。

なお、論考文末に次の注記がある。
『※記事で引用した公文書の表記はすべて、旧字体の漢字を新字体に、カタカナをひらがなに改めた。』

 では、本文を読んでいこう。

公文書で明らかになった官憲による「慰安婦狩り」

 最近、戦中の日本政府の対朝鮮支配機構=朝鮮総督府関係の公文書〈文書A〉を読んでいて、アッと驚いた。

 その中に、「昭和十九年度内地樺太南洋移入朝鮮人労務者供出割当数調」という表があったからだ。朝鮮人女性1万人の「供出」を、朝鮮13道(日本の都道府県に相当)に割り当てている。  昨年、「朝日新聞」などで「信憑性」を問われた故・吉田清治氏の43年5月の「200人の慰安婦狩り」の舞台、済州島は当時、全羅南道に属した。公文書では、その全羅南道で「女1500人」の供出が目標とされている。吉田証言を裏付ける資料ではないか。

(管理人注)
 ここに出てきた吉田証言の核心は「済州島で200人の若い朝鮮人女性を『狩り出した』」という記事であったが、のちに朝日新聞が誤記事として取り下げた。これを捉えて右派のマスコミや論客が「吉田氏の発言をうのみにして報じた」と朝日バッシングを始めるとともに、この吉田証言を「慰安婦強制連行は捏造だ」という主張の最重要論拠として用い始めた。


 次の節では戦時体制下での国家権力(1%)が99%を消耗品扱いする恐ろしさを表徴する「国家総動員法」が取り上げられていて、その恐ろしさを詳細にたどっている。

秘密協定による"奴隷狩り"

 当時の日本政府の官庁の一つ、企画院(43年11月から軍需省)は39年度から44年度まで、国家総動員法に基づき、戦争遂行のための日本人などの「勤労動員」を、「国民動員計画」(41年度までは「労務動員計画」と呼ばれた)として、毎年度立案し、閣議決定した。

 「計画」は日本政府と朝鮮総督府との片務的な秘密協定(注1)により、当時、日本の植民地だった朝鮮にも適用された。このため、朝鮮人にとっては、異民族政府の官憲による事実上の"奴隷狩り"に転化した。

(注1)
 国立公文書館所蔵の公文書集『公雑纂・昭和十七年・第八巻・内閣に所収の公文書「極秘・労務関係例規集」中の「昭和十六年度労務動員実施計画に依る朝鮮人労務者の内地移入要領(昭和十六年十一月二十日協足)」など。


 ところで、先の公文書〈文書A〉の中にある「男29万人」は、44年度の「国民動員計画」(注2)に計上されている公式人数と同じだ。だが、同「計画」の公式な朝鮮人女性の朝鮮外への「供出」は、各年度とも「―」、つまり「ゼロ」とされている。

(注2)
 同館所蔵の公文書集『昭和十九年公文別録・国家総動員計画及物資動員計画関係書類三』。


 同公文書〈文書A〉には、39年度から44年度までの「国民動員計画に依る計画数」という一覧表も掲載されている(次ページの表参照)。  不思議なことに、朝鮮人の朝鮮外への「供出」の合計数は、「公式な国民動員計画」を40年度から各年度、1万~3万人程度上回っている。44年度は1万人上回るが、それは女性の「供出」1万人とも一致する(同表)。

 上で「表参照」と書かれている表を転載しておこう。
国民動員計画

計画に「女性なし」?

 この点について、戦中に発行された43年度「国民動員計画」の解説書(注3)を発見し、謎が解けてきた。

(注3)
 国会図書館所蔵の政府当局者の解説書『企画院第三部・山内第二課長講演、昭和十八年度国民動員計画の解説』(43年7月15日、生産拡充研究会、非売品)。


 同書の中の朝鮮人女性の朝鮮外への「動員」についての質疑応答部分を引用する。
▽質問
 朝鮮人はどのくらひ使つてをるでせうか。
▼課長
 数ですか。…毎年入れるのは其の年によって相違はありますが、最近は計画上は大体十二万位です。けれども出て行くものもあり期間満了によって帰鮮するものもありますからそう沢山の増加は致しません。
▽質問
 それは男子朝鮮人だけですか。女子はをりませんか。
▼課長
 をりますけれども計画の中で女子をのせたことはないのです。たゞある方面で必要上少々女子を集団移入として入れたものもあります。

 同解説書は、朝鮮人女性の朝鮮外への「供出」を公式な「動員計画」に載せてはいないが、秘密裏には実施してきたと告白している。公式な「計画」と朝鮮総督府の公文書との差は、朝鮮人女性の朝鮮外への「供出」数を示している可能性が大きい。

 (次回に続く)
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