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381 天皇制の基盤を撃つ ― 真説・古代史(35)
「ヤマト王権」の出自(3) ― 磐余彦
2005年9月3日(土)


(ウガヤフキアエズ尊)其の姨(おば)玉依姫を以て妃と為す。彦五瀬命を生む。次に稲厳(いなひ)命。 次に三毛入野(みけいりの)命。次に神日本磐余(かむやまといわれ)彦尊。凡(すべ)て四男を生む。 (神代紀、第十一段、本文)

 故、日向に坐す時、阿多(あた)の小椅(おばし)君の妹、名は阿比良比売を娶る。生む子は多芸志美美 (たぎしみみ)命、次に岐須美美(きすみみ)命、二柱坐すなり。(神武記)

 イワレヒコがどこで生まれたかは不明だが、その活動拠点は日向(宮崎県)である。イワレヒコの 最初の妻・アヒラヒメも日向(宮崎県)の人だ。(この「日向」が「筑紫の日向」ではないことは 既に論証されている。)このアヒラヒメは『書紀』(帝王本紀)では、「日向国の吾田邑の吾平津媛」 (神武紀)と書かれている。また『古事記』(神武記)に、「即ち日向より発して筑紫に幸行す。故、 豊国の宇佐に到りし時・…‥」(いわゆる「神武東征」の出立時の記事)とある。
 では日向(宮崎県)に阿多という地名があるだろうか。詳らかではないが古田さんは日向国臼杵(うすき)郡 (日向市近隣)の「英多」を候補地としてあげている。『この字面は普通「アガタ」 と読むことが多いが、「英虞(あご)郡」(志摩国)、「英賀(あか)郷」(播磨国)のような例からみると、「英多= アタ」であるかもしれない。』

 イワレヒコの拠点が日向(宮崎県)であったと断ずる理路を、古田さんは次のように述べている。

 「神武東征」の発進の地、およびその妻の出身地、そのいずれも、その日向(国)は、宮崎県で あって、福岡県ではない。―『記・紀』の表記に従うかぎり、そう考えるほかはないのである。
 従来、例外的ながら、北九州(糸島都)こそ「神武東征」の発進の地と見なす論者があった。 たしかに北九州は九州の政治・軍事・文化の中心をなしていた。それは遺跡上からも疑うことはできない。 また、「邪馬台国Lを筑後平野流域におき、その栄達を考える論者にとって、それは魅惑的な命題 であったろう。
 しかし、『記・紀』の表記のルールに正確に従う限り、そのような見地をとることはむつかし い。第一、「日向より発して筑紫に幸行す」というとき、「日向」は国名である。「筑紫の日向の 高千穂の……」といったときのような〝神聖なる太陽神の″といった、宗教的な修辞ではない。 〝例の日向の国″という感じなのだ。
 『古事記』の中の他の例を見よう。

(A)(建沼河別と大毘古と)相津に往き遇ひき。(崇神記)
(B)尾張の相津に在る二俣榲(ふたまたすぎ)(垂仁記)

 上の(A)は会津磐梯山で有名な福島県の「相津」だ。これに対し、(B)は同じ「相津」でも、愛知 県の方だから「尾張の相津」というのである。この「相津」が現在どこに当るか不明だが、いき なりこの「相津」を福島県にあて、〝福島県も昔は尾張国に属したのだろう〟などということは できない。
 このような表記のルールを正視する限り、神武東征の発進地の「日向(国)」は宮崎県であり、 天孫降臨の「筑紫の日向の……」は福岡県だ。この判別の道理を疑うことはできない。すなわち、 天孫降臨を宮崎県へもってきたり、神武東征発進の地を福岡県へもっていったりすることは、 ――それぞれの論者にとってそれがいかに誘惑的な命題であったとしても――『記・紀』の表記 事実を恣意的に処理しない以上、到底許されることではない。


 このあと、古田さんは、イワレヒコの兄弟や子供の名に『日向国から豊国、つまり九州東岸域の 「地名」がついている』ことを指摘しているが、ここでは詳述しない。
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この記事へのコメント
書紀』(帝王本紀)では、「日向国の吾田邑の吾平津媛」(神武紀)と書かれている。また『古事記』(神武記)に、「即ち日向より発して筑紫に幸行す。故、豊国の宇佐に到りし時・…‥」(いわゆる「神武東征」の出立時の記事)とある。
 では日向(宮崎県)に阿多という地名があるだろうか。詳らかではないが古田さんは日向国臼杵(うすき)郡(日向市近隣)の「英多」を候補地としてあげている


宮崎県日南市のJR日南駅周辺は、「吾田」と呼ばれた土地であり、隣の油津駅周辺が「吾平津」でしょうね。傍に「吾平津神社」もありますし
2008/09/27(土) 11:18 | URL | 不知詠人 #-[ 編集]
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