2006年9月4日 ホームページ『「日の丸・君が代の強制」と闘う人たちと勝手に連帯するレジスタンスの会』からの引越し完了しました。

今日の話題

2007年2月28日(水)
醜い人権後進国・日本

 「ピアノ伴奏拒否事件」で最高裁(第3小法廷)がまた憲法を捻じ曲げた詭弁判決を出した。「思想・信条の自由」の解釈も「公共性」についての見解も通俗的で皮相なものである上に、何よりも木に竹を接ぐような不明瞭な苦しまぎれの論理展開にはただただ呆れる。これが最高裁判事の知能程度なのかと暗澹たる気持ちになる。ただ、論理明晰な藤田宙靖判事の少数意見にわずかに希望を見る思いだ。

判決文全文 を読めます。

 澤藤統一郎さんが精緻な分析をしています。

「日の丸・君が代」強制とたたかう教員の皆様に

 本日の[anti-hkm]MLに、卒業式を控えてある保護者が『保護者として市教委、息子(高校)娘(中学)の学校に』提出した『「日の丸」「君が代」の取り扱いに関する意見書』が配信されていました。その中で引用されているアムネスティ・インターナショナルの見解の部分を転載します。

 日本国憲法は、思想・良心の自由を保障し(第19条)、市民的及び政治的権利に関する国際規約は、これを具体的に「この権利には、自ら選択する信念を受け入れ又は保持する自由(第18条第2項)、単独で又は共同して、公に又は私的に、その信念を表明する自由を含む」(第18条第1項)
 第18条第1項は「何人も自ら選択する信念を受け入れ又は保持する自由を侵害する恐れのある強制を受けない」」と定めている。

 国家行政組織法は、「(各大臣が発する省令=命令)には、法律による委任がなければ、罰則を設け、義務を課し、国民の権利を制限する規定を設けることができない」(第12条)と定め、命令より下位の法形式である「告示」(第14条)によっては「義務を課し、権利を制限する」ことを認めていない。

 去る1999年に制定された国旗・国歌法は、義務づけ規定を置かず、また、これを省令に委任する規定もない。しかるに文部省、各地方自治体の教育委員会は、「告示」に過ぎない学習指導要領を根拠として、教職員に対し、日の丸・君が代に関する業務を義務づけ、これに従わない教職員を地方公務員法違反として、減給等の不利益処分を課し、また、子ども・生徒・保護者が、日の丸・君が代に関して自ら選択する信念を受け入れ・保持・表明することも困難にしている。これは、憲法・国際人権規約などの諸法規に明白に違反する行為である。

(追記 2016年12月16日)
 日本の裁判に付いては《『羽仁五郎の大予言』を読む》の(9)~(17)で「裁判は階級的である」と題してかなり詳しく取り上げている。参考にして下さい。

 追記の方が長くなってしまいますが、日本の裁判が政権・資本権力べったりの「憲法を捻じ曲げた詭弁判決」は今でも続いていて、今日そのいくつかの情報を得たのでそれ。まず、今日の東京新聞「本音のコラム」で佐藤優さんは最高裁を「最高政治裁判所」と呼んでいる。その記事を転載しよう。

 筆者は、鈴木宗男事件に連座して東京地検特捜部に逮捕、起訴され最高裁判所まで争った経験があるので、この国の司法については書物で知った知識とは別の体験知がある。高裁判所の本質は最高政治裁判所だ。時の国家権力にプラスになる状況を司法の仮面をつけて提示するにすぎない。

 十二月十二日、最高裁第二小法廷(鬼丸かおる裁判長)は、米海兵隊普天間飛行場(沖縄県宜野 湾市)の名護市辺野古への移設計画をめぐり、埋め立ての承認を取り消した沖縄県の翁長雄志知事を国が訴えた訴訟の上告審で、判決を二十日に言い渡すと指定した。高裁判決の結論を変更する際には弁論が必要とされる。弁論を開かないということは、翁長知事の敗訴とした福岡高裁那覇支部の結論を確定させるということだ。中央政府がこれで沖縄を押さえこむことができたと思うならば、大きな間違いだ。

 日本帰属によって、基地の過重負担という差別的な状況を押しつけられ続け、しかも沖縄県全体の民意、名護市の民意によって否定された辺野古新基地建設を、中央政府が強行を試みるならば、沖縄人の自己意識が変化する。中央政府が辺野古新基地の建設を強行する際に反対派と流血の衝突が発生し、沖縄人が死亡するような事件が起きれば、沖縄全体で日本からの分離を要求する動きが本格化する。(作家・元外務省主任分析官)

 また、昨日届いた『週間金曜日1117号』の「今週の巻頭トピック」には4件のトンデモ判決が取り上げられている。それらの判決の詭弁ぶりを知るため、それぞれの判決の主要部分を転載しておこう。

① 裁判長は検閲官気取りか
     (渋井哲也さん・ジャーナリスト)
 株式会社ナガセがフランチャイズ(FC)方式で運営する特定の「東進衛星予備校」の過酷な労働環境を「私は」という1人称を使って告発した体験ルポをめぐり、東京地裁(原克也裁判長)は11月28日、ナガセが直営・FC方式の両方によって全国で運営する「東進」予備校のすべてかその多くで同様のことが起きているような印象を与える―とする曖昧な理由で、記事を掲載した「マイニュースジャパン」(MNJ)に対して見出し削除と40万円の賠償を命じた。真実性は不問、「印象」で「クロ」と決めつけた。明治政府が政府批判を弾圧した讒謗律さながらの乱暴な判決だ。

(中略)

 記事を少し読めば特定の「衛星校」における特定の体験だとはっきりわかるではないか。MNJの反論に、ナガセは見出しだけの削除を求める内容に変更。その見出しも、会話の引用であることを明示しており、やはり、特定の体験だと誤解なく読めるではないかと主張したが、原裁判長らは「印象」を根拠として虚偽認定した。書かれた事実と読み手の内心の「印象」をごちゃまぜにして「適法」「違法」と分ける思想はまさに検閲だ。 MNJ側は控訴して争う方針。

② 第4次厚木基地爆音訴訟の最高裁判決
一、ニ審の飛行差し止め破棄
     (成澤宗男さん・編集部)
 判決では、自衛隊機飛行による「睡眠妨害の程度は深刻」としながら、「公益性や騒音被害の程度、防音対策などを総合的に考慮した結果」「自衛隊機の運航が、社会通念に照らし著しぐ妥当性を欠くとは言えない」と結論づけた。さらに自衛隊機運航は、「高度の公共性、公益性があり、防衛相には広い裁量がある」としている。

 しかも、東京高裁命じた2016年末までの被害賠償も認めず、過去の補償のみにとどめたが、国が賠償を命じるほどの爆音被害を出している自衛隊機の飛行が、なぜ違法でないのか。住民が安眠できないような人権侵害を放置して、何の「公益性」なのか。これでは今後、防衛相の「広い裁量権」を盾に、自衛隊がらみのあらゆる住民訴訟はたとえそれが違法でも、「公益性」や「総合的に考慮」という名目で退けられかねない。

③ 「ピースおおさか」展示撤去、府・市への賠償請求棄却
戦争の加害知る権利認めず
     (平野次郎さん・フリーフイター)
 大阪府・市が出資する資料館「ヒースおおさか」(大阪市中央区)が戦争の加害展示を撤去したリニューアルをめぐり、変更内容を記した文書が非公開になったため知る権利を侵害され精神的苦痛を受けたとして、市民団体『ピースおおさか』の危機を考える連絡会」の竹本昇さん(66歳)が府・市に損害賠償を求めた裁判の判決が12月8日、大阪地裁であった。山田明裁判長は「非公開決定は情報公開条例に基づき合理的」と、また決定の異議申し立てに対する審査会への諮問を怠った点については条例違反としたが、違法とまでは言えないとしていずれも請求を棄却した。

(中略)

 また、判決は[原告は自己の人生を通じて歴史的加害行為と向き合う生き方を送っており、非公開決定で強い精神的苦痛を受けた」として原告の主張に触れたものの「判断するまでもない」と退けた。

 判決後、竹本さんは「大阪府・市の情報公開条例違反を擁護する判決だ。戦争の加害と被害の悲惨さ残酷さを知る機会を奪われることは、またもや戦争に駆り出されることになる」と批判し、即日控訴した。

④ 結論ありきの司法判断に疑問
高江住民の訴え却下      (満田夏花さん・FOEJapan)
 沖縄本島北部の米軍北部訓練場のヘリパッド建設が進む中、東村高江の住民31入らが国を相手どり工事の差し止め仮処分の申し立てをしていたことに対し、那覇地裁は12月6日、住民の申し立てを却下した。理由は「航空機騒音、低周波音で重大な健康被害が及ぼされる恐れがあると十分に疎明されているとは言い難い」。住民側は決定を不服として福岡高裁那覇支部に即時抗告を行なう方針だ。

(中略)

原告の1人、伊佐育子さんは語る。「実際に、オスプレイの騒音で、子どもが眠れない。気分が悪くなった人が現にいる。一人ひとりの証言を提出したのに一顧だにされなかった。残念です」。

 「ヘリパッド工事を続けるという、結論ありきの判断。きわめて不規則に騒音が発生するという演習場の特性を老慮にいれていない」
と弁護団の1人、小口幸人弁護士は批判する。

 なお、『週間金曜日1117号』の記事にはもう一つ裁判関係の記事があるが表題だけの紹介をしておく。
東京地裁が食品衛生法にもとづく調査実施の請求退ける
「水俣病幕引き」へ動く行政を後押しの判決
     (岡田幹治さん・ジャーナリスト)
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