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今日の話題

2006年12月5日(火)
岡留式「脱基地・産業振興プラン」

 沖縄が基地に依存しないで経済的に自立する可能性を、岡留安則さんと天木直人さんが対談で論じている(『討論外伝 「外交の裏側を知りつくす男が語る「日米同盟破棄のススメ」』)。その対談から沖縄関係の部分を転載します。なお、この対談は今回の沖縄知事選挙以前(昨年11月ごろ)のものです。


岡留
 今、僕は沖縄にいるので、それなりに考えていることはあるんですよ、沖縄限定ですが。ただ、沖縄県知事がいくらいろいろ言ったところで、県知事が直接的に対米交渉をするわけではありませんからね。結局、日本の政権党、外務省、防衛庁がやるわけじゃないですか。米軍基地の75%が集中する、沖縄県民の意向が反映されるシステムに全くなっていない。

天木
 県知事がカリスマ的でリベラルな人間だったら、ずいぶん違うと思うんです。大田(昌秀・前沖縄県知事)さんはそれなりにやってましたけど、もっと若い人、もっと大衆受けするような人が、たとえば、沖縄国際大学にヘリが落ちた時に、基地の返還を強く訴えていた市長(伊波洋一・宜野湾市長)、彼なんかが知事になって、もっと積極的に訴えるとかすれば、少しは違ってくると思う。米国は、なんだかんだ言ったって、英語がしゃべれてまともに議論できる人間には耳を傾けますから。「国しか相手にしない」なんてバカなことは言いませんよ。言葉をしっかりしゃべり、米国に行って、国民の前で、ハーバード大学かなんかで、演説するような人。それぐらいの人間が沖縄の知事になって、どんどん発信していくようになると面白い。

岡留
 結局、沖縄は戦後一貫して米国の支配下にあり、今も基地に支配されていますから、自立という点では、いくら頑張っても、何をやっても展望が切り開けないという無力感が漂っているんですよ。

天木
 沖縄の悲劇は、というより日本政府の卑劣さは、沖縄住民が分割統治(デバイド・アンド・ルール)されているということです。基地と引き換えに地域振興費をばら撒くことで、日米同盟に関する県民世論が二分されてきたでしょう。実際、基地によって産業も成り立っている。現状では、放っておいてもお金がもらえるんだから、「基地を追い出すことによって、米国や日本政府から意地悪されたらどうするんだ」「自立した産業を興せるのか」という不安が生じてくるわけですよ。それに対して、「基地がなくなれば、無限の可能性があるんだ。畑を耕したって、20年後には立派な産業になるんだ」と言える人間が出てくる、そして沖縄県民の多くを「その通りだ」と納得させる魅力を持っている、そういう人間が出てこないと、分割統治から脱し切れないと思う。

岡留
 僕が前から言っているのは、沖縄の自立経済のための観光事業強化策のひとつとしてのカジノ誘致です。実際に、糸満市がオーストリアの大手カジノ企業と交渉していたのは事実ですが、そのためには、まず刑法の改正や議員立法が前提になる。仮に基地によって2000億円だかの経済効果があるとするなら、それくらいは観光やカジノ、自由貿易や経済特区の収益で十分にカバーできるし、基地がなくなっても経済的損失の穴埋めはできるはず。あるいは、カジノだけでなく、地理的にも有利なので、国連のアジア支部を誘致するとかね。そうすれば、各国のメディアが常駐するから、沖縄の米軍基地による日米地位協定の不平等な現状や、米兵が起こす事件などが世界中に発信されるでしょう。今のままでは、沖縄県民自身が、「基地がなくなるなんて、無理だ」と、はなっから思い込んで基地振興費に漬かり切っている人々も見受けられる。それでは絶望的気分が蔓延し、享楽的になるしかない。

天木
 カジノ誘致はいい考えだと思います。それにはやはり、県知事が本気で日本政府と交渉するしかないと思うんです。カジノにしたって、国連支部にしたって、すべて政府の決定ですから、いかにそれを実現させるか。私はそれは強力な政治力があって、小泉の郵政改革のように、毎日毎日、沖縄のために偏執狂的に言い続けられるような、カリスマ性のある人間が出てきて初めて可能になると思いますね。

 カジノには色々な問題点があり、私は賛成しがたいが、それを除いて岡留さんの提言(赤字部分)は一考の価値があると思う。

<追記 2016年11月6日>
 小池都知事は豊洲への市場移転をご破算にして、その跡地にカジノを設置することを企んでいるらしい。折しも『週間金曜日(11月4日号)』が「小池都政 人気の裏側」を特集している。その中の横田一(ジャーナリスト)さんの記事「小池都政は 手法・人的・政治志向的に "維新東京版"」が、最後でカジノ問題を取り上げている。その部分を紹介しておこう。

豊洲後にちらつく「カジノ解禁」

 しかも小池知事は維新や安倍政権と足並みを揃えて、さらなる工事ラッシュを招く「カジノ(IR=統合型リゾート)」推進の立場も表明。9月2日の会見で問題発言が飛び出した。

「IRはただカジノだけではない。私はむしろカジノが真っ先に語られることによって『教育的に どうだ』『中毒になってしまう問題があるのではないだろうか』、あと社会的な問題、いろいろな議論があって、思考停止に陥る。だからIRに変えたのだと思う。私自身はエンターテインメントを考えるという意味でのIRは積極的ですが、カジノだけ特筆して引っ張ってくるということで国内を二分するような議論をしているのはプラスではないのではないだろうかなと思うところです」

 カジノとIRがまったくの別物であるかのように印象づける詐欺的発言だ。IRでカジノが占める面積は5%未満にすぎないが、売上高では8割以上の"稼ぎ頭"。格安のディズニーランドを用意して家族連れを呼び込み、母親と子どもが楽しむ一方で父親がカジノで大損するという仕掛けになっているのだ。IRでもギャンブル依存症問題が消え去るわけでもなく、深刻化する恐れさえある。しかも上客確保のために宿泊や食事代の値引きをするIRは、周辺のホテルやレストランなどを衰退させる悪影響を及ぼす。「都民ファースト」どころか、「ギャンブル業界やゼネコンなど大企業ファースト」というのが小池知事の実態なのだ。

 小池知事は衆院議員時代、「IR議連(国際観光産業振興議員連盟)」のメンバー。「外国人観光客を2020年までに年2000万人へ倍増させたい。IRは(外国人観光客を呼び込む)成長戦略の目玉」と意気込む安倍首相は、小池知事や維新と連携してIRを推進しようとしているのだ。

 宮城のボート会場を視察する暇があるなら、IR誘致発言を撤回、東京五輪関連事業をできるだけ抑制すると同時に、安倍首相にも「IR推進を中止し、全国的な公共事業抑制もしましょう」と進言しないとおかしい。

 カジノ(IR)推進の業界関連企業や大手ゼネコンですら、オリンピック工事が集中する東京への誘致を問題視する。巨大なハコモノ建設を伴うIR施設整備によって、人手不足や資材不足に拍車をかけてしまうからだ。

 「大阪万博やカジノ推進と憲法改正が交換条件になる」という維新の国会議員の発言が報じられたが、小池知事と維新と安倍自民党が連携してカジノ推進をする可能性は十分にある。

 維新のように安倍政権に同調(補完勢力化)するのか、それともIR蔓延や原発問題で対峙するのかが注目される。

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