2006年9月4日 ホームページ『「日の丸・君が代の強制」と闘う人たちと勝手に連帯するレジスタンスの会』からの引越し完了しました。
今日の話題

2006年11月28日(火)
沖縄県知事選挙から見えてきたもの

 今回の選挙結果についてのマスゴミに登場した大方の論評は「沖縄県民は基地問題よりも経済問題を優先して選択した。」というようなものだった。

 しかしまともな感性と判断力があれば、沖縄県民にとってはどちらの問題も切実であり、どちらの問題も解決したいという思いが根底にあるだろうことは容易に想像できる。

 目取真俊(作家)さんの『「基地か経済か」でかたるな』(11月25日「朝日新聞」)がそのような観点から「沖縄県知事選挙」を論じている。

 沖縄県民にとってどちらの問題の解決も重要であり、同時並行して進めてほしいという人が大半だろう。爆音被害や事件・事故の危険性に日々脅かされている基地問題も、失業率が全国平均の2倍という水準が恒常化している経済問題も、どちらも切実な課題としてあり続けているのだから。

 それを二者択一の選択として描くのは、分かりやすい構図に単純化して読者に示すマスコミの恣意であり、それはまた、そのような選択を強制するヤマトゥ(日本本土) の沖縄に対する権力(支配)構造を隠蔽するものだ。全国に47ある都道府県の知事選挙で、基地問題か経済問題かという二者択一の選択が強いられる選挙が、沖縄以外のどこにあるというのか。

 それを強いているのは、厚木や横田、岩国、三沢などの一部の地域を除いて、米軍専用施設の大半を沖縄に集中させている日本人の多数意思に他ならない。そのことを自覚しないですますために、沖縄の「苦悩」や「苦渋の選択」が強調され、県外や国外という選択肢は考えられず、沖縄県内での基地「移設」しかないかのようにヤマトゥのマスコミは描き出す。

 そしてあたかも、沖縄で米軍基地の「整理・縮小」が進まないのは、「15年使用期限」や「軍民共用」を持ち出した稲嶺知事のせいであり、県内で反対運動が起こったから、つまり、沖縄県民自身の責任であるかのように描き出す。

 日米安保体制の必要性を言いながら、自らはその軍事的負担をになおうとしない虫のよさをごまかすために、問題をすべて沖縄という枠の中に押し込めようというのだ。そうやって、社会学者・野村浩也氏のいう「無意識の植民地主義」は再生産されていく。

 だが、そういう欺瞞的なやり方で基地問題が解決するはずはない。今回の選挙も少し注意深く見れば、仲井真氏が当選したからといって普天間基地の辺野古沿岸への「移設」が容易でないことは分かるはずだ。

 仲井真氏にしても、Ⅴ字形滑走路をもつ政府案を肯定しては当選できないのが自明だったから、「県内移設」容認をにおわせながら政府案には反対するという曖昧な立場を取らざるを得なかった。

 稲嶺知事がよく「マグマ」という言葉を使っていたように、基地問題への怒りや不満、苛立ちは沖縄の中に絶えず潜在している。これから政府との協議で自らの選挙公約をなし崩しに転換しようとするなら、中井真氏もまたその「マグマ」に脅かされるだろう。

 それは日本政府に対しても言える。沖縄に対して高圧的・強権的に基地政策を進めるなら、いずれ窮地に陥るのは政府の方だろう。反基地感情と反ヤマトゥ感情が合わさって「マグマ」の圧力が高まるとき、それがどういう形で噴き出すか分からない。

スポンサーサイト
 コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
 トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://adat.blog3.fc2.com/tb.php/2155-d0358985
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック