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今日の話題

2006年10月9日(火)
「アーミッシュ」という衝撃

 先週、アメリカの学校内で生徒を射殺する事件が立て続けに2件報道された。そのうちの一つ、ペンシルベニア州のアーミッシュの学校での事件には強い衝撃を受けた。

 学校に侵入した男(32歳)は男子生徒を教室から出るよう命じた後、女子生徒を黒板の前に並ばせて縛り、処刑をするように頭を撃って3人の生徒を射殺した。ほかに8人が負傷している。その後、男は自殺。

 少女たちの年齢は8歳から13歳。射殺された少女の一人(13歳)は年少の子どもを逃がそうと「自分を先に撃ってください」と男に申し出たということが、生存者の証言で分かった。さらにこの少女の妹も自分を撃つように男に訴えたという。妹は撃たれて肩などを負傷した。

 私はこの少女の言動に衝撃を受けた。この自己犠牲の精神はいったい何だろう。私の怯懦な心がたじろぐ。羞恥でうつむく。やがて、少女への畏怖の念がうつうつと湧き上がる。

 アーミッシュはドイツ系プロテスタントの宗派で、300年ほどの歴史をもつ。ヨーロッパでは異端視され続け、最もよく信仰の自由を保障しているペンシルベニア州(「第138回-2004年12月30日~第139回-12月31日」参照)を選んで移住してきたという。厳格な教義を守り、電気や自動車などの近代文明を否定し、農業を中心に質素な生活を続けている。男性は黒い山高帽に白いシャツ、サスペンダーで吊るした黒いズボン、女性は白い作業ドレスを着用して質素で静かな生活を守っている。

アーミッシュ1

アーミッシュ2


 私の驚愕はさらに続く。

 事件後、アーミッシュの人々は「加害者の家族のために祈れ」ということを最優先に活動しているというのです。アーミッシュ長老のウェス・ヨーダ氏はTVの取材に対して、「全国から送られた弔意には感謝しますが、我々への弔意ではなく加害者の家族のために祈って欲しい」というメッセージを発信している。

 また別の長老は「人間が悪意の犠牲になることは、残念だが根絶はできない。ならば、憎しみとともに生きるよりも、死を受け入れ、死もまた人生の一部として生きてゆくしかない」と言っている。

 そして凶行の当日の晩に、アーミッシュの年長の婦人グループが加害者の家を密かに訪れて、夫であり父親である男が「殺人犯として自殺した」ことで衝撃の中にあった家族に対して「赦し」のメッセージを伝えているという。

 亡くなった少女たちの葬儀が5日に執り行われた。供花や賛美歌などの演出は一切ない禁欲的で質素で、しかも凛として静かなものだったという。

 また、この葬列は墓地に向かう途中で加害者宅の近くを迂回して、改めて「赦し」の姿勢を示した。そればかりか加害者の妻を葬儀に招いてもいるという。  金儲けや権力への接近にばかりうつつをぬかしいるカルト宗教もあれば、教義のために無差別殺人をするカルト宗教もある。また、日本のマスゴミとその付和雷同者らは「被害者の正義」に悪乗りして、必要以上に加害者の家族を追い詰める。
 このような日本社会の醜悪さを日々見せつけられている私には、アーミッシュのこの無限の寛容と許しの精神には、今は畏怖の気持ちばかりで言葉がない。
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