2006年9月4日 ホームページ『「日の丸・君が代の強制」と闘う人たちと勝手に連帯するレジスタンスの会』からの引越し完了しました。
《沖縄に学ぶ》(60)

未来へ向かって(7):沖縄が描く靑写真(3)



《沖縄自治研究会》

2002年
 識者や自治体職員、議員、報道関係者、市民らが集い、発足。

 市町村の憲法といわれる自治基本条例のモデル条例を完成させた後、40回にわたる会合を開き「沖縄自治州基本法試案」を05年に完成する。

 その議論では当初、方向性として、

 現行の地方自治法の枠内、

 現行の自治基本条例の枠は超えるが、現行憲法の規定内、

 現行憲法を超える自治基本条例
の三案があった。過去の沖縄自立・自治構想を検証する一方、諸外国で高度な自治を完成した地域も研究した。

 議論の結果、②案を採用。試案の根拠は、条例制定のための住民投票権を定めた次の憲法95条だった。

第95条【特別法の住民投票】
 一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない。

 つまり、国会である特定の地方公共団体にだけ適用する特別な法律案が可決された後、その地方公共団体の住民による住民投票にかけられ、有効投票の過半数の賛成をもって初めて法律として成立する、と規定している。

 『風游』(沖縄の自立解放に連帯する風游サイト)というサイトの「『沖縄の自治の新たな可能性』最終報告書№6」という記事の中に「構想案 『憲法第95条に基づく沖縄自治州基本法』 」が記録されている。参考に読んでみたが、【解説・補足】もあり、相当な長文だ。ここでは『沖縄の…』がその概略を解説しているので、それを用いることにする。

 試案は前文で
「沖縄の住民の命を守ることを何よりも最優先する」
と宣言する。そして
「非暴力と反軍事力を基本にした、平和な国際社会の構築を目指す」
と明記している。またさらに
「平和憲法の改悪に反対し、平和憲法の理念をより徹底して活かす」
と強調し
「東アジアの平和構築のために沖縄が主導権を発揮する」
とうたう。

 試案は35の条文で構成し、基本原則、人権、統治機構、国や市町村との関係、財政などを定めている。琉球列島内の島々や地域の個性を大事にし、多元多層的な独自の自治・分権を提唱している。 そして、行政・立法・司法の三権については次のような構想を提示している。

 州議会は、市町村代表による自治院と、直接公選される立法院でつくる二院制で、州知事を長とする州政府を設置する。国の最高裁の下に州裁判所を置き、州警察も設ける。州は「国の専属的権限」以外の権限、自治立法権、自治行政権、自治外交権、自治司法権を有し、市町村とは対等の関係とする。

 財政については
「国は、平和的領土・領海の維持・保全の観点を含めて沖縄自治州やその市町村に保障しなければならない」
とし、沖縄自治州に一括移転、予算・決算権は州議会に持たせている。
 試案の解説で自治研究会は
「従来の沖縄自治構想は常に独立か現状維持かの二元論に陥ってきた」
とまとめ、
「経済的に自立しないと独立は不可能とするか、具体的実現過程を考えない情緒的独立論に終始してきた」
と批判している。そして、
「海外には国の枠内で高度な自治権を獲得したり、独立後に他国から政治・経済的な保護を受けたりする例が多くある」
と指摘し、次のように結論付けている。
「経済的自立を高度な自治の前提条件とする考え方は、政治的自律の重要性を経済的要件の下に位置付ける発想だ。その考え方が自由な発想と重要目標を見失わせてきた。政治的自律を経済条件に従属させる必要はない」
(試案の「概略」終わり)

2014年11月21日
 沖縄自治研究会は、会員の一人の前城充(まえしろみつる)(南風原町(はえばるちょう)職員)さんの提唱にもとづいて、那覇市の自治会館で研修会を開催した。この集会は政策形成能力を高める研修の一環だった。100人近くの県内自治体職員が集い、MICE(企業の報奨旅行や国際会議など)の誘致をめぐって熱い議論を交わした。研修アドバイザーの前城さんは
「鍵は公共交通の整備だ。観光ルートにつなげる工夫が必要だ。」
「政策を積み上げ、地域の問題を解決していくことこそが自己決定権の行使だ」
と語っている。

 以上、さまざまな会の理念・活躍を追ってきたが、そこで語られていた沖縄の靑写真は次の四つにまとめられる。
(1)
 沖縄自治州(現行憲法枠内で自治拡大)
(2)
 特例型沖縄州(高度の自治を提言)
(3)
 連邦・国家連合(主権回復し平和外交)
(4)
 独立(主権回復こそ「沖縄の解放」)

 『沖縄の自己決定権』の最終節は上の四つの靑写真を論じている。上の「沖縄自治研究会」の試案が(1)である。次回は(2)~(3)を取り上げる。
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