2006年9月4日 ホームページ『「日の丸・君が代の強制」と闘う人たちと勝手に連帯するレジスタンスの会』からの引越し完了しました。
《沖縄に学ぶ》(58)

未来へ向かって(5):沖縄が描く靑写真(1)


 「SACO合意(2)」で取り上げたように、日米政府が沖縄の民意を無視して強引に推し進めている軍事基地建設問題は辺野古新基地建設の他に高江ヘリパット建設がある。辺野古では工事中止に追い込んでいるが、アベコベ軽薄姑息うそつきオカルト政権は参議院選挙後ただちに、高江ヘリパット建設の準備を開始した。目取真俊さんは「機動隊の暴力に守られて進む高江ヘリパッド建設の準備」の中で、政府の意図を次のように分析している。
「これまでの高江のヘリパッド建設工事と大きく違うのは、機動隊が常駐して弾圧態勢を強化している点である。日本政府・防衛省はそれだけ高江のヘリパッド建設に力を入れている。辺野古の新基地建設が中断に追い込まれていることへの腹いせや、翁長知事を揺さぶる目的もあるのだろう。辺野古が進まない分、高江で成果を出して米政府に媚びたいのだろう、安倍親米隷従政権は。それだけ高江の状況は厳しさを増していることを認識したい。」

 さて、今回から『沖縄の…』の第5章「自治実現への構想」を読んでいくことにしよう。

 政府が理不尽な対応をすればするほど、沖縄の非暴力直接運動はより広くより強くなっていく。2013年以来、いろいろな会が形成され、一筋の道が見え始めている。それぞれの会の理念・運動を追ってみる。

《政府への「建白書」と島ぐるみ会議の発足》

 2013年1月28日
 沖縄県の41全市町村の代表たちが、オスプレイの配備撤回と米軍普天間飛行場の県内移設断念を求めた「建白書」を首相官邸で安倍に手渡した。建白書は県下すべての市町村首長、議会議長、県議会議長らが署名しており、この建白書の提出は「沖縄の総意」を示した歴史的な行動であったが、アベコベ軽薄姑息うそつきオカルト政権はこれを一顧だにしなかった。しかし、沖縄はひるむことなく更なる強い結束を果たしていった。

この建白書の要求を実現しようと、沖縄県内政財界や労働・市民団体の有志、有識者は「沖縄『建白書』を実現し未来を拓く島ぐるみ会議」を結成した。発起人には、保革を超えた幅広い層の約90人が名を連ねた。

 14年7月27日の結成大会には主催者発表で2千人余が参加した。沖縄への米軍基地集中は「社会的正義にもとる軍事的植民地状態の継続」と主張し、「構造的差別」の解消を訴えた。

 メンバーは、名護市辺野古への新基地建設阻止行動を支援している。今後は国連人権機関への直訴や、訪米して米国世論に働きかける活動を展開する。一般会員は2014年12月時点で1229人。今後、1万人規模に増やす方針だ。

 共同代表のひとり、仲里利信氏(衆議院議員)は、
「琉球への薩摩侵略から400年余、沖縄への差別や搾取の歴史が続いている。琉球国が独立国家だったことを前面に出し、主権回復を訴えていく。行き着く先に独立も想定しないといけない」
と主張する。

 仲里氏は沖縄の将来像として、軍隊のない「非武装中立」を描く。「沖縄は出撃基地であり続けていいのかが問われている」。県議会議長時代、沖縄と中国福建省の友好県省10周年の記念行事に招かれ、福建で「日本政府の外相級」の歓待を受けた。
「琉球は橋渡し役として日中友好を先導すべきだ。琉球に国連アジア本部を誘致し、スイスのような場所になるのがいい」

 沖縄の将来像として、軍隊のない「非武装中立」が提示されているが、ここで「非武装中立」という理念をめぐる国際的展開の中で、沖縄が果たせる役割を論じた文を引用して置こう。

 1989年、スイスで、国の非武装化の賛否を問う国民投票が実現した。「軍隊のないスイス」を目指す運動が起こり、国民投票を求める署名は、住所などを書き込む厳格なものであったにもかかわらず、85~86年の2年間で、有権者の約2.5%に当たる10万人分集まったのだ。

 投票日は東西ドイツのベルリンの壁が崩壊して15日後だったこともあり、国民の平和への関心は高く、通常は45%ほどの投票率が72%に達した。結果は「ノー」だったが、賛成票の割合は大方の予想を上回る35.6%だった。この投票が国民の軍隊へのイメージを変え、軍事費削減にもつながった。

 第二次世界大戦直後の46年当時、武装しないで安全を守る国は世界にほとんどなかった。しかし、2014年現在、国連加盟国の8分の1を占める26ヵ国が軍隊を持たない。「脱軍事化と軍隊のない国家」の著者で、先の国民投票の指導者、クリストフ・バルビー弁護士(55歳)はこう話す。
「軍隊を持たない国・コスタリカの首相は『私たちは子どものようなものだ』と言い、無力な自分らを他国は攻撃しようとは思わないという考えだ。非武装がいったん成功すれば、それを維持するのは決して難しいことではない」

 非武装化には、二つの重要な点があるという。一つは、長期的な視点から軍隊を持たないことをうたった憲法を持つことで、もう一つは、それを実現する国民の強い意志だ。

 スイスには国連機関や毎年ダボスで開かれる世界経済フォーラムがある。これらの国際機関・会議を軍隊で守ることを主張したり、「軍隊あっての平和」を唱えたりする人は少なくない。

 それでもバルビー氏は「世界の人々の意識は変わっていく」と強調する。戦争や脅威の形は、直接的な武力衝突から、IT戦争やサイバーテロなどに変容し、人々の意識も変わってきたと指摘する。
「軍事力でしか問題を解決できないと錯覚している人がいるが、すでに多くの人々が軍に頼らない統治は可能だと気付いている。世界の至る所で平和を望む声は広がっている」
と話す。

 より多くの人々が軍隊に頼らない平和を求め、政党がそれを汲み取り、非武装の賛否を問う住民投票など直接投票を成功に導くことが重要だという。

 世界的にはイスラエルとパレスチナの問題が「最も危険」で、これが解決すれば世界の平和化が一気に進むと予想する。ただ、「二番目に危険」なのは東アジアで、北朝鮮問題や日中関係が紛争の火種とみる。

「危険の中だからこそ、沖縄の立場は非常に重要だ。平和は沖縄だけの問題ではない。沖縄が平和になれば、東アジア全体への影響は非常に大きい」。
バルビー氏が沖縄の主体性や自己決定権に期待するのは、「軍隊に頼らない積極的平和」を発するイニシアチブ(主導力)だ。

 太平洋にはパラオやミクロネシア連邦など軍隊を持だない国が11もある。バルビー氏は、それらを含む16の国・地域でつくる太平洋諸島フォーラムと沖縄が連携し、意見交換していくことを提案した。そしてこう断言した。
「軍隊を捨てるというのは、権利を諦めることではない。創造的、人道的な解決法があるのを示すことだ。暴力のない世界をつくることは可能だ。」

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