2006年9月4日 ホームページ『「日の丸・君が代の強制」と闘う人たちと勝手に連帯するレジスタンスの会』からの引越し完了しました。
《沖縄に学ぶ》(45)

機密文書「日米地位協定の考え方」(2):機密文書を否定する政府の国会答弁


 前回の引用文中に
『沖縄選出の国会議員が国会で「機密文書の開示」を外務省に要求しましたが、外務省はそんな文書は存在しない」とかわしていたのです。』
という件があったが、その時の質問と答弁が衆議院のサイトで読めることを知った。その記録
『衆議院議員照屋寛徳君提出「秘 無期限」と記された「日米地位協定の考え方」と題する政府文書の存在と公開に関する質問に対する答弁書』
によると日付は2004年1月30日で、照屋さんが答弁を要求しているのは7項目あるが、その答弁を読むと、めちゃくちゃなウソ丸見えの論理的破綻をした答弁を全く恥じない政府(この答弁書は「内閣総理大臣小泉純一郎」の名で出されている)とエリート官僚たちの無知と無恥にあきれかえってしまう。「無知と無恥」は安倍晋三の専売特許ではない。答弁を質問書の項目後に組み込んで、転載しておくことにする(答弁を青文字で記す。また元号は全て西暦に書き換えた)。



 日米地位協定の全面改正を求める声は、今や沖縄県民の総意である。

 日米地位協定の全面改正要求は、沖縄県だけでなく米軍基地が所在する都道府県、各政党、労働界、経済団体、法曹界などに広がり、大きな国民世論に高まった感がある。

 ところが、政府は、かかる日米地位協定全面改正要求に対し、「運用の改善」で足りるとの姿勢を一貫している。「運用の改善」では不十分で限界があり、全面改正すべしとの切実な要求を無視するかの如き政府の態度はとても承服できない。

 日米地位協定は、余りにも多くの特権・免除を在日米軍とその軍人・軍属に与えている。私は、かねてより主権・人権・環境の視点で全面的に改正すべき、と主張してきた。

 ところで、琉球新報社は日米地位協定に関する政府の基本解釈となる機密文書「日米地位協定の考え方」を入手したと報じている。(2004年1月1日、琉球新報)

 同文書(B5版、132ページ)は、1973年4月に外務省条約局とアメリカ局が作成したもので、日米地位協定の逐条解説書とも言うべき文書である。ところが、政府はこれまで「日米地位協定の考え方」なる文書の存在を否定し、その公開を拒んできた。

 琉球新報は、2004年1月13日の紙面で入手した「日米地位協定の考え方」全文を掲載した。掲載された全文を読むと政府が条文の本旨を拡大解釈し、米軍に対する過剰な譲歩をなし、結果的に県民への犠牲と負担を大きくしていることが明らかである。

 日米地位協定についての政府の逐条解説とも言うべき文書が作成後30年余も秘密扱いにされるのは理由がない。今や、日米関係は主従関係ではなく対等平等であるべきだ。「日米地位協定の考え方」を公に開示することが日米間の改正交渉にも必要不可欠であり、公開は政府が国民に果たすべき説明責任と考える。政府は、一刻も早く同文書の存在を認め、全文を公表すべきである。

 以下、政府の見解をただすために質問する。


 政府は、琉球新報が2004年1月13日付朝刊紙面で、琉球新報社が入手した「秘 無期限」と記された「日米地位協定の考え方」と題する文書を全文掲載公表したことを知っているか。

『2004年1月13日付けの琉球新報の朝刊紙面で、琉球新報社が「秘無期限」と記された「日米地位協定の考え方」と題する文書を掲載したことは、承知している。 』


 よもや、政府は琉球新報が全文掲載した「日米地位協定の考え方」の中身について、「知らない」「初めて知った」「政府は作成に関与していない」等と言い逃れたり、「偽造文書だ」と弁解することはないと信ずるが、掲載公表された「日米地位協定の考え方」の中身(内容)について政府の弁明があらばお示し願いたい。

『琉球新報に掲載された「日米地位協定の考え方」と題する文書を保有しておらず、同紙に掲載された文書が政府の文書かどうかについて確認できない。』


 政府は、1973年4月、外務省条約局とアメリカ局が作成した「日米地位協定の考え方」と題する文書の存在を認めるか。もし、文書の存在を認めないのであればその理由を明らかにされたい。

 「日米地位協定の考え方」と題する文書の存在を認めるのであれば、同文書を全文公表する考えはあるかどうか明らかにされたい。

三および四について
『お尋ねの1973年4月に外務省条約局とアメリカ局が作成したとされる「日米地位協定の考え方」と題する文書は、保有していない。政府以外の者がその文書を保有しているかどうか確認できないため、その文書が存在しているかどうかお答えすることは困難である。』



 政府は、琉球新報が2004年1月13日付朝刊紙面で全文掲載した「日米地位協定の考え方」に基づいて、日米地位協定の解釈運用をなしてきた事実を認めるか。認めないのであればその理由を付して明らかにされたい。

『琉球新報に掲載された「日米地位協定の考え方」と題する文書を保有しておらず、同紙に掲載された文書が政府の文書かどうかについて確認できない。いずれにせよ、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(1960年条約第7号)については、これまで個々の事案に応じて適切に解釈運用を行ってきている。』


 琉球新報2004年1月13日付朝刊紙面によると、外務省元幹部の証言として、「1980年代に『日米地位協定の考え方』増補版が作成された」と述べているが、かかる増補版の存在を認めるかどうか明らかにされたい。

『2004年1月13日付けの琉球新報の朝刊紙面で、外務省元幹部が述べたとされている、1980年代に作成された「日米地位協定の考え方」増補版に該当すると思われる文書は保有している。』


 「日米地位協定の考え方」と題する文書以外に日米地位協定に関する「擬問擬答集」「地位協定逐条説明」「条・条ペーパー」と題する文書が存在するかどうか明らかにされたい。尚、これらの文書の存在を認めるのであれば、これらの文書全文を公表する考えはあるかどうか明らかにされたい。

『お尋ねの内容からは、日米地位協定に関する「擬問擬答集」、「地位協定逐条説明」及び「条・条ペーパー」が何を指すのか必ずしも明らかでないので、お答えすることは困難である。』

 原本の存在を否定しておいて増補版の存在は認めている。原本がないのに一体何を増補したのだ。

 原本の否定は、それが書かれたのが沖縄返還の直後だったことで、「…考え方」が主として沖縄対策のための極秘文書だったことを隠したいからだろう。そのためだろうか、存在を認めた増補版が『「擬問擬答集」、「地位協定逐条説明」及び「条・条ペーパー」』ではないと、その内容は隠蔽しているのも。その増補版も琉球新報が入手していたことを知らなかったようだ。増補版は2004年12月に出版されたが、これにもさぞかしびっくり仰天したことだろう。それでもなお、白を切るつもりだろうか。唯々あきれ返ってひっくり返るばかりである。
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