2006年9月4日 ホームページ『「日の丸・君が代の強制」と闘う人たちと勝手に連帯するレジスタンスの会』からの引越し完了しました。
企業経営の社会主義化・日本編(4)



株式会社樹研工業(1)


 樹研工業も実に魅力あふれる会社だ。この会社の目次は次のようになっているが、全てを記録しておきたくなるような内容だ。

株式会社樹研工業(愛知県)
社員は先着順で採用。
給料は「年齢序列」の不思議な会社

①入院した社員に三年半給料を払い続けた会社
②六坪の木造平屋工場で六大での出発
③三つの「世界最強の商品」
④国内外に850台の成形機
⑤世界一小さな歯車の開発に成功
⑥画期的な技術を開発して市場をつくっていく会社
⑦社員の採用は先着順で
⑧「私が定年になったら子供を入れてほしい」
⑨学校では問題児だった社員たちの絆
⑩職場は楽しい真剣勝負の場
⑪出張時は誰でもグリーン車で
⑫最高齢の社員が最高給の「年齢」序列
⑬辞めたいときが定年のとき
⑭「社員が路頭に迷うときは私も路頭に迷います」

 ①⑦⑨⑩⑫あたりをメインに紹介していこうと思うが、その前に樹研工業が何を作っている会社なのかを知っておこう。

 樹研工業はプラスチック加工をしている会社である。しかし、他のほとんどの同業者とはまったく異なる経営が行われている。

 プラスチック加工を行っている全国の大半の中小企業は、親会社から仕事を受注する、いわゆる下請けタイプです。このため、プラスチックを成形するための射出成形機(インジェクションマシン)はメーカーから購入しますが、要の金型は、メーカーから貸与されたり、金型メーカーにつくってもらったりする企業が大半です。その結果、プラスチック部品製造業とはいえ、そのほとんどの会社の実態は、加工業のような仕事をやることになるのです。

 しかし、樹研工業の経営スタイルはまったく違います。成形している部品は極小、かつ超精密な、非常に高い精度が要求されるものばかりなのです。しかも特定の企業の系列に属さず、国内外の一流企業と直取引です。現在取引をしている会社は国内外の大手企業約30社ですから、まさに独立独歩の道をひた走っている感があります。

 超精密な金型も、射出成形機も自製。超精密な部品も自社でしかできないという、まさに世界最強の商品を三つも擁している会社なのです。

 「超精密な部品」の一つが樹研工業を一躍有名にしたプラスチック製の極小歯車だった。

 どれくらい小さいかというと、直径0.19ミリ、重量100万分の1グラム。肉眼では歯車とはわからないほどです。この歯車の開発、量産化に成功したというニュースは世界を駆け巡りました。そのニュースを知り、私もさっそく豊橋の本社工場を訪ねて見せてもらいましたが、拡大鏡でのぞいたときの感動はいまだに忘れられません。

 肉眼では粉がばら撒いてあるような感じで視認できませんでしたが、拡大鏡で見て驚きました。
「ああ、確かに五枚の羽根がついている」
明らかに歯車なのです。

 もちろん、世界を驚かせたその歯車が、ある日突然、偶然にできあがったわけではありません。松浦社長は創業以来、「21世紀の技術はマイクロ化が一つの潮流になる」と予見し、1980年代から全社をあげてマイクロ加工に挑戦していたのです。

 さらに、景気に左右されないために、
「この世に一社しかつくれない、樹研工業しかできないという商品をつくらなければ、社員を路頭に迷わすことになってしまう」
という危機意識もあったのでしょう。

(中略)

 10万分の1グラムの極小歯車の開発は、世界の時計メーカー、自動車メーカーを驚愕させました。
「こんな小さいものができるのなら、もっと小さい時計ができる」
「自動車のパーツももっと小さくできる」
「こういう商品がほしかった」、けれど「誰もつくれなかった」ということで、世界中から注文が相次いだといいます。

 100万分の1グラムの歯車は、まだ市場に出ていません。それを活用するものが現時点では存在していないのでしょう。

 現在、樹研工業の稼ぎ頭は1000分の5グラム、1万分の5グラムの歯車だそうです。しかし、たとえば人が飲み込んで検査をする機械などは小さければ小さいほどいいわけです。だから樹研工業は、いつの日か役立つだろうということで100万分の1グラムの開発も行ったのです。

 「100万分の1グラムの歯車」は前回紹介した株式会社アールエフの「飲むカメラ」を更に小さくすることができるかも知れない。

 さて、言うまでもなく、坂本氏は以上のような素晴らしい製品開発力だけで樹研工業を優良会社として取り上げたわけではない。「社員が路頭に迷うときは私も路頭に迷います」というように、松浦社長が常に社員とともにあり、社員を大事にする経営理念を貫いているから優良会社なのだ。次回は樹研工業の社員待遇のあれこれをまとめてみよう。
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