2006年9月4日 ホームページ『「日の丸・君が代の強制」と闘う人たちと勝手に連帯するレジスタンスの会』からの引越し完了しました。
今日の話題



TPP参加は売国行為だ


 前回、環太平洋経済連携協定(TPP)に少し触れた。今朝の東京新聞に世論調査の結果が掲載されていたが、その中に「TPP交渉参加を評価するか」という問いがあった。その問に対して「評価する25.2%」「ある程度評価する37.5%」で、好意的な回答がなんと62.7%もあった。世論調査のいかがわしさはいろいろと取りざたされているが、それにしても呆れた数字である。真実を報道しないマスコミの世論誘導の成果である(最近、東京新聞がTPPの問題点を報道し始めている)。この世論調査結果を知って、TPPについて少し詳しく取り上げる気になった。

 TPPは幕末の不平等条約(日米修好通商条約)に輪をかけたようなドンデモ条約である。TPPへの参加はアメリカの1%(支配階級)への売国行為にほかならない。このことを私が始めて知ったのは昨年9月のことであった。「マスコミに載らない海外記事」というサイトの「“グローバル経済クーデター”:密室での秘密交渉」という記事で知った。筆者はマーガレット・フラワーズ(小児科医)という方である。TPPの交渉会議は現在はシンガポールで行われているが2012年頃はアメリカで行われていた。フラワーズ氏は次のように書き始めている。

 今週、グローバル大企業による史上最大のクーデターの為の秘密「交渉」が、ヴァージニア州ランズダウンの辺ぴなリゾート地で進行中だ。それは環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)と呼ばれているが、もし読者がご存じなければ、アメリカ合州国では事実上報道管制されているのだから、読者も多数派の一員ということになる。

 氏はその交渉会場に通じる私道で「警官による暴行は覚悟の上で」自分の身体を「三本足のやぐら上に」縛りつけるという激しい抗議行動を行っていた。氏は上の記事の末尾で次のように訴えていた。

 この文章をお読みになった方全員が、家族や友人達に広めて下さるようお願いする。地元のマスコミには、TPPを報道するよう圧力をかけて頂きたい。認知度を高めるために、読者にはご自分でできる限りのことをして頂きたい。我々が暴露すれば、このグローバル大企業クーデターを止めることができる。我々自身、家族や、世界中の人々全員の健全な未来をお望みであれば、これを止めなければならない。

 では、フラワーズ氏が身体を張って抗議をし、このような悲痛な訴えをせざるをないTPPとはどんは条約なのか。

この条約は、大半大企業によって形作られている。ロン・カークが米通商代表部窓口だ。彼は大統領府の為に仕事をしているのだ。しかも600社の企業顧問が彼に協力している。これら顧問は交渉中に条約文章をリアルタイムで読むことができ、意見を言ったり、改訂を助言したりできる。ところが議員は文章へのアクセスが非常に限定されている。議員は個室の中でしか文章を読めず、しかも彼らは、携帯電話も、ペンや紙も持って入ることはできない。マスコミも国民も文章に全くアクセスできない。我々は漏洩されたものしか知らないが、その部分も実に恐ろしいものだ。

(中略)

 多くの住民が保守派である、ヴァージニア州のリースバーグさえ、私たちが出会った全員、そこで抗議行動をしている理由を説明すると、私たちの抗議行動を支持してくれた。TPPが、これまでに知る限り、以下のような結果をもたらすと思えばこそ、我々は反対しているのだ。

 もし環境や労働条件を保護する為の法律等が大企業の利益を妨げる場合、大企業が国家を訴えることを可能にする。

 裁判官の大半が顧問弁護士という私企業法廷をそうした訴訟審問の為に作り出す。

 医薬品の特許有効期間を延長し、価格を高いままにし、必要とする人が医薬品を入手できなくする。

 “バイ・アメリカン”条項を廃止し、より大規模な雇用の海外発注をもたらす。

 大手金融業の更なる規制緩和。

 インターネットの言論の自由、プライバシーや適正手続きの権利を損ない、人々の革新する力を阻害する。


 TPPは、大企業による歴史上最大の権力簒奪だ。TPPの下、多国籍大企業は、個々の国家より大きな権力を得ることになる。オバマ大統領は、アメリカ人に有利になる形で、NAFTAを再交渉すると約束した。ところが、TPPで、まさに逆のことが起きているようだ。我々は、オバマ大統領に、透明性の向上と、TPP文章の公開という大統領選挙時の約束に従って行動するよう求めているのだ。議会で、TPP採決を行う前に、民主的な審理過程をもうけることも要求している。

 これがアメリカ国内最後の交渉なので、時間が極めて重要だ。TPP交渉はブッシュ大統領の下で開始されたが、三年前まで本格的に動き出さなかった。大国がこれへの署名に関心を持っているので、ホワイト・ハウスは早い内にTPPをまとめようと狙っている。

 日本ではTPPについての報道は農業問題に限定されたような報道ばかりが目に付く。それでも、秘密交渉の内容が少しずつ明らかになってきているようだ。「五十嵐仁の転成仁語」が3月23日に『主権侵害条約「TPP」が振りまく「毒素」の怖さとは何か』と題して、フラワーズ氏が指摘した問題点をより具体的に分かりやすくまとめている。これをそのまま転載させていただこう。

 国会審議などを通じて、ようやくTPPというものの正体が分かりつつあるようです。依然としておぼろげではありますが……。

 それもそうでしょう。基本的には秘密交渉で、交渉の進展具合も、どのよう条件があるのかも、何が決まったかも、正確には分からないのですから……。

 交渉が終わってTPP条約が締結されてからも、その内容は5年間秘匿することが義務付けられているというのですから、秘密主義は決まった後でも貫かれているということでしょう。

 何があるか分からない真っ暗な部屋に入ろうとしている。そして、一度入ったら、もう出られない。それが、TPP交渉という闇の世界なのです。

 その闇の中には、危険な「罠」がいくつも隠されているのではないでしょうか。その「罠」の一つで最も良く知られているのがISD条項で、最近ではISDSと書かれることも多いものですが、TPP条約の代表的な「毒素」です。

 「ISDS条項」は投資家保護条項(Investor-State Dispute Settlement)のことで、ある国家が自国の公共の利益のために制定した政策によって、海外の投資家が不利益を被った場合、世界銀行傘下の国際投資紛争仲裁センターなどの第三者機関に提訴できるというもので、地方自治体の規制なども訴訟の対象になる可能性があります。それに「第三者機関」とはいっても、この「紛争解決センター」はワシントンにあってアメリカ支配下の世界銀行傘下で、審判はアメリカ寄りですから、アメリカの思うままです。

 現に、これまでの46件の提訴のうち31件が米国企業の原告で、米政府が負けたことは一度もないと言われています。しかも、この審理は非公開で、不服があっても上訴することができません。

 先ほど「『罠』の一つ」と書きましたが、「毒素条項」そのものは一つではありません。以下のような「毒素条項」もあります。

 たとえば、「ラチェット条項(Ratchet条項)」は、貿易などの条件を一たん合意したら、後でどのようなことが発生してもその条件は変更できないというものです。先発国がすでに合意した条件については、後から入った国は異議を申し立てられず、ただそれを受け入れるだけというわけです。

 「NVC条項(Non-Violation Complaint条項)」というものもあります。これは「非違反提訴」のことで、米国企業が日本で期待した利益を得られなかった場合、TPPに違反していなくてもアメリカ政府が米国企業に代わって国際機関に日本を提訴できるというものです。

 さらに、「スナップバック(Snap-back)条項」はアメリカ側が相手国の違反やアメリカに深刻な影響があると判断した場合、関税撤廃を反故にできるというものです。

 「未来の最恵国待遇(Future most-favored-nation treatment)」という条項もあります。将来、日本が他の国にアメリカより条件の良い最恵国待遇を与えた場合、自動的にその待遇はアメリカにも適用されるというものです。

 このほか、「ネガティブリスト方式」というものもあります。これは、明示された「非開放分野」以外は全てが開放されるというものです。

 規制必要性の立証責任と開放の追加措置というものもあります。日本が規制の必要性を立証できない場合、市場開放のための追加措置を取る必要が生じる、例えば当初米をネガティブリストに加えていても、その規制が必要であることを立証できない場合、無条件で開放させられるというものです。

 これらの条項によって、加盟国の市場は無理やりこじ開けられることでしょう。少しでも邪魔なものがあれば次々と訴訟を起こされ、アメリカ寄り(というより多国籍企業寄り)の「第三者機関」によって莫大な賠償金を支払わされます。

 政府の試算では、関税撤廃が求められている農業分野だけしか対象になっていない点が批判されました。非関税障壁の撤廃が求められている農業以外の分野での影響と損害は、見方によっては、もっと大きなものかもしれません。

 というのは、医療の市場化が求められ、公的医療の給付範囲は縮小し、医療格差は拡大するでしょうし、国民階保険崩壊の危機が訪れることになるからです。また、知的所有権の変更によって、著作権などはアメリカ企業に有利に変えられるでしょう。

 公契約や公共事業への参入という点でも、外資が安く入札して日本の建設業者は壊滅的打撃を受ける可能性があります。地方の土建業者にとっては死活問題になります。

 外国の農業法人が進出し、遺伝子組み換え食品や今まで認められなかった農薬なども流れ込んでくるでしょう。この点では、アメリカの遺伝子組み換え食物や種子などを取り扱うモンサントと住友化学(会長は米倉経団連会長)との親密な関係も注目されます。

 遺伝子組み換え食品などの表示方法の変更や食品関連の規制撤廃によって、安い米国製品が売り込まれ、病気や病人が増大するでしょう。こうして、医療に対する需要が高まり、混合診療の解禁や新薬・高い薬の売り込みなどを通じて外国の医療ビジネスにとって大きなチャンスが生まれますが、国民にとっては医療費が増大し、自己負担が拡大することになります。

 郵政・金融・保険などの分野にも、米国企業が参入してくることになります。差し当たり、郵貯・かんぽの資金267兆円が標的となることでしょう。

 こうして、国民の健康と安全が脅かされ、日本はアメリカの医療資本や保険ビジネスの草刈場となります。「病気の沙汰も金次第」という、アメリカ映画「シッコ」のような未来が、この日本に訪れるにちがいありません。

 とはいえ、TPP条約の内容については、おぼろげにその姿が分かるだけで、すべては暗い闇に包まれたままです。世論調査ではTPPへの支持率が高いようですが、このような恐ろしい内容が知らされていないからだと思います。

 以上に見たような、主権侵害条約としてのTPPのおぞましい全貌が明らかになれば、このような世論も大きく変わることでしょう。でも、その時になってからではもう遅い、ということにならなければよいのですが……。

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TPP報道の犯罪性
おっしゃる通り、メディアは「農業問題」のみに焦点を当てて報道していますが、これは「好意的に言っても」大きなミスリード。率直に言えば「意図的な焦点隠し」以外の何物でもありません。
 国民の運動で営々と築いてきた「医療・福祉・環境」等の先進的施策が「国際標準=米標準」の名分によって一気に崩壊する恐れがある事、また、例え日本国政府が「国民の突き上げで守る姿勢を取らざるを得なくなった」としても、TPPの取り決めにより権限を奪われ、無能力状況に貶められている可能性が大きい事、ちょっと調べれば分るこの程度の事、天下の大新聞が分っていないはずはないのですから。
 「農民の利益VS多数の消費者の利益・景気回復」と言う構造を作り出し、世論をTPP推進に持っていこうとしているとしたら、これは「反国民的・犯罪的行為」です。
 今この問題を取り上げたAuthor氏に敬意を表します。
2013/03/25(月) 20:56 | URL | 愛読者 #KUmnAu4w[ 編集]
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