2006年9月4日 ホームページ『「日の丸・君が代の強制」と闘う人たちと勝手に連帯するレジスタンスの会』からの引越し完了しました。
《続・「真説古代史」拾遺篇》(100)



「倭人伝」中の倭語の読み方(43)
「21国」の比定:前回の訂正などなど


前回の訂正事項
古冢期、志摩半島は島ではなかった。

 前回『まぼろしの邪馬台国』から転載した地図は地質学者が作成したということなのできちんとした地質調査の結果と思い「この地図の信憑性を疑う理由はないと思う」と判断したが、この判断は間違いだった。「愛読者」さんから次のようなコメントを頂いた。

『「まぼろしの邪馬台国」の地図は古くて、最近の調査では縄文以降伊都・志摩間は泊-志登間でつながっていたとされています。』

 昨日、「深…」地名の存在する各地域について詳しいことを知りたいと思い、図書館で『日本古代史地名事典』(雄山閣 2007年10月刊)を利用していた。「志摩郡・しまのこおり」の段は次のような記述で始まっていた。

『郡名は、はじめ「嶋」と見え、また「志麻」にも作られた。『和名抄』は韓良・久米・登志・明敷・鶏永・川辺・志麻の七郷をあげるが、ほかに加夜郷の名も見える。郡域は筑前国の西北端に位置し、北と西は玄界灘、東は博多湾に臨む。かつては平安時代ごろまで南の怡土郡との間に糸島水道が通じ、文字どおりの島であったといわれていたが、近年の調査によって、東西から内海が大きく入り込んではいたものの、陸続きであったことが判明した。現在の福岡市西区および福岡県前原市の各一部と同糸島郡志摩町に当たる。』

 「愛読者」さんの指摘の通りであった。「怡土郡・いとのこおり」の記事にも同じ趣旨の記述がある。そこでその出典を知りたいと思い、「糸島水道」でネット検索をしてみた。『邪馬台国大研究』というサイトの記事「邪馬台国周辺の考古学-その5- 6.伊都国の考古学」に出会った。このサイトの作成者は安本美典氏の諸説に依拠した論考を展開しているので私(たち)とは立場を異にするが、その記事中の考古学的遺跡・遺物についての記事は写真や図をふんだんに用いていて充実している。これから時々利用させていただこうと思った。

 さて、上記の記事の中に下のような地図が掲載されていていた。(見比べるため、前回の地図も再録しておく。)

弥生時代の志摩半島
弥生時代の博多湾

 そして、上の地図について次のように解説している。

『かっては、古代の糸島半島は、海に突き出ている「志麻(しま)郡」と内陸部の「怡土(いと)郡」とに別れていて、ふたつの地域は「糸島水道」によって分断されており、志麻郡にあたる部分は島であったと考えられていた。しかし最近の縄文時代の海面変動の分析や地質調査、海生動物の化石分布調査、遺跡発掘調査の分析などから、上図のように、縄文時代以後の糸島半島は、泊-志登間では、南北に陸地としてつながっていた可能性が高いとされている。怡土と志麻が元来陸続きであったとすると、泊-志登地区が両地を結ぶ橋の役目を果たすとともに、東西から入り込んだ湾の接点に位置しているため、伊都国の海の玄関口として重要な位置にあった事が推測できるのである。』

 上の地図の出典が示されていないが、サイト作成者がご自分で作られたのだろうか。ともあれ、この地図を描く基礎になった研究のことを直接取り上げている記事はないかと、ネット検索結果を調べ続けていたら、糸島新聞社のHPのバックナンバー(2007年1月11日号)「サイエンスキャラバン 糸島水道はなかった」に出会った。新聞は九州大学の下山正一助教授の「糸島の地形・昔と今を探る」と題する講演の内容を次のように報じている。

『下山助教は、糸島半島の地形や地質の概要を説明した後、糸島水道の存在の有無に触れ、「西区の水崎や前原市の油比の地層からは、貝などの海生化石が出ている。しかし、その間に位置する泊地区を調査したが海成層はなかった。過去1万年間で最大の縄文海進最盛期ですら海峡はなかった。分断する海峡という意味での糸島水道はなかった」と述べた。』

 下山助教授のこの研究は2007年以前のこととなる。『日本古代史地名事典』は2007年の出版だから、『日本古代史地名事典』の記事は最新の研究成果を取り入れていたことになる。怡土郡と「志摩郡」郡は陸続きだったという諸記事の根拠の大元は、たぶんこの下山助教授の研究だと思われる。

 さて、新たに知った地図によると「深江」の辺りは砂丘だったようだ。「深江」を候補から除外するという判断は訂正する必要はないようだ。
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