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540 新新宗教批判(7)
パラノイアの症候例
2006年7月1日(土)


今回から「幸福の科学」を取り上げる。

 新興宗教を本を買ってまで調べようという気は起こらない。今は便利になった。 インターネットのサイトから調べることができる。天理教の世界図式や天地創造説 やお説教はすべて天理教の公式サイトに公開されていた。統一教会の公式サイト では公刊された全ての教義書がそっくりまるごと公開されている。しかし「幸福 の科学」の公式サイトには教義の「いいことも言うじゃないか」という部分の概略 だけで「ばかばかしい」部分は一言も掲載されていない。教祖のパラノイアの症候が 改善されてきて「ばかばかしい」部分を恥ずかしいと思い直したわけでもないだ ろう。「幸福の科学」では教祖の著作物を何冊か読まないと入団できない仕組みに なっているそうだから、そのためかもしれない。前回で天理教を「道徳宗教」と呼んだ が、「幸福の科学」はさしあたって「出版営利宗教」と呼ぼうか。

 というわけで、以下の「幸福の科学」の教義はすべて吉本さんが引用したものの 孫引きである。

 まず、大川隆法が体験した「神がかり」を吉本さんは次のようにまとめている。
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 1981年1月高橋信次の『心の発見―神理篇』を読みすすんでいるとき、胸が大 きく動悸し、体が前後にこきざみに揺れる状態を体験する。それから高橋信次 が説いている神理を、じぶんは以前から知っていたという心の既視感におそわ れる。

 おなじ3月23日に、幻聴で話しかけられる感じがして、カードと鉛筆を 用意すると憑依状態で「イイシラセ」と繰り返して書記している。 「おまえは、なにものか」とたずねると「ニッコウ」と自働的に署名する。 日蓮宗の日興上人のことだ。そのあと日蓮からの幻聴がきこえる。

 6月のある夜、こんどは高橋信次からという幻聴がやってきて「大川隆法よ。 今日、私は、おまえの使命をあかすために来た。おまえは今後、おおいなる救 世の法を説いて、人類を救わねばならないのだ」と告げる。

 おなじ6月に郷里からやってきた父親(善川三朗・「幸福の科学」顧問)のいるま えで、イエス・キリストからのお告げが幻聴としてやって来る。

 それ以後、大川隆法はじぶんが呼ぶと天上界のあらゆる霊が出て来るように なったと書いている。そして1986年6月に、日蓮、イエス・キリスト、天之御中 主之命、天照大神、モーゼ、高橋信次などの霊が降下して、会社勤めをやめて 神理伝道に生涯をかけよと託宣が下って、宗教法人「幸福の科学」(91年、宗 教法人承認)を設立するようになったと書いている。
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 ここで登場する高橋信次 (1927年9月21日 - 1976年6月25日)はGLA(God Light Association) という新興宗教の教祖だそうだ。真のメシアだと騒いでいた(騒いでいる)人たちが いた(いる)。まあ、初めて知る新興宗教がいっぱいあるなあ!

 さて、上記の大川隆法の「神がかり」についての吉本さんのコメント。

 わたしたち平常人の解釈では、大川隆法のこの体験はじぶんの音声にたいし てじぶんが解釈し造形したとおりの、日蓮やイエス・キリストや天之御中主之命(あめのみなか ぬしのみこと・この神は存在性をもたない)や天照大神やモーゼや高橋信次の 言葉が憑依したという以外の意味をもたない。

 またなぜこうも次元の違う人物や架空の存在の霊が降下してくるのかといえ ば、そのときどきに読んだ著書や神話や聖書などで印象がつよく刻印されたもの が託宣に現れるものだという理解になる。また天台智顗(ちぎ)や高橋信次は 特異的に択ばれているが、これは大川隆法が日蓮から日蓮の傾倒した智顗に遡っ たものだし、高橋信次は直接に「幸福の科学」の教義をつくるのに基本になった 師にあたるからだということになろう。


 宗教を取り付かれたように勉強していたことが推測できる。一種の「オタク」 だったのだろう。
 この憑依状態の体験をきっかけに大川隆法は持続的なパラノイアに特有な誇大妄想に取り 付かれる。たとえばこんな具合である。
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 いまから一千数百年前に、天台智顗が、中国の天台山で一念三千論を説いてい たのですが、そのとき、霊天上界において、彼を指導していたのは、実は、ほか ならぬこの私でした。

 私は、私の指導霊であるイエス・キリストと、愛について、よく話しをするこ とがあります。

 右にあげたことばは、いまから二千年近いむかしに、イエス・キリストが、 ナザレの地で語っていた愛の話の復元です。現在、イエスが私を指導している ように、当時は、私が天上界からイエスを指導していたからこそ、私は、彼の ことばを知っているです。
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 麻原彰晃が著書「亡国日本の悲しみ」で張り合っていた。曰く、『「幸福の科学」の 主宰・大川隆法は前世で私の弟子だった。天法金丹の法の開祖はじぶんだといいふらして、 無間地獄に堕ちた。』『大川隆法は一生前は「四国のたぬき」だった。死後は 無間地獄に堕ちる。』

 次に大川隆法の世界図式はもっと荒唐無稽だ。

 ユークリッド幾何学では実在の世界を「空間」として抽象してそれを3つの 座標軸(タテ・ヨコ・タカサ)を使って数式化する。これを3次元ユークリッド 空間と言う。そこで一般に実在の世界を「三次元世界」と呼びならわしている。
 これをさらに抽象して一般化すれば、n次元ユークリッド空間の数学ということに なる。
 物理では3次元空間に時間という第4の座標軸を加えて4次元ユークリッド空間 として物体の運動を表現する。

 大川隆法は、この4次元世界の「時間」を通って鎌倉時代のヒトと同じ場所で 出会えるとのたまう。
 ずいぶんむかしのこと、「タイムマシン」という連続テレビドラマを楽しく見たことがあ る。昨夜「戦国自衛隊」という最近の映画をテレビで見た。そういえば「バック・トウ・ザ・フ ィーチャー」という映画もあった。視聴者は「もしも歴史」の面白さを楽しんでいる。 時間を行き来することができるなどと本気で信じてみている人はまずいないだろう。 (将来科学が進歩すればそのようなことが可能になると思っている人は、あるいは いるかも知れない。)

 大川隆法のバカばなしのふろしきはまだまだ広がる。
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4次元世界+「精神」=5次元世界
 人間が物質的な肉体ではなく「精神」であることに目覚めたものの住む世界。 のことだ。

5次元世界+「神知識」=6次元世界

6次元世界+「利他」=7次元世界
 愛をもち他者に「奉仕」できるものの往ける世界。

7次元世界+「慈悲」=8次元世界
 太陽のような愛の世界。

9次元世界
 そのうえに「宇宙」の太陽系のほかの星団の霊界のことも知り、大宇宙の進化 という方向のうえで、地球系の霊団を指導している世界的宗教の人格神や根本神 の世界のことをさす。

10次元世界以上になると地上の実在の関係をもった人霊ではなく「三体の意 識」だけの存在の世界だ。その三体とは
   大日意識(地球生物の積極意志をつかさどる)
   月意識(消極的な女性的な面をつかさどる)
   地球意識(地球の生命体としての意識をつかさどる)
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 パラノイアの症候としてこのような誇大妄想のバカばなしが生まれるのは なんら不思議なことではない。不思議なのはこれを真に受けて恐れ入ってしまい のめりこんでしまう「平常者」が絶えないことである。

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