2006年9月4日 ホームページ『「日の丸・君が代の強制」と闘う人たちと勝手に連帯するレジスタンスの会』からの引越し完了しました。
《真説古代史・近畿王朝草創期編》(185)

「天武紀・持統紀」(100)


「大化改新」の真相(23)
「品部廃止の詔」をめぐって(10)


第四段は改めて発遣する国司と各国の国造に地方行政に関する6項目の指示を出している。番号を付して再掲載する。

今發て遣す國司、幷て彼(そ)の國造、以(ここをも)て奉聞(うけたまは)るべし。

去年朝集(ちょうしゅう)に付(つ)けし政(まつりごと)は、前(さき)の處分(ことわり)の隨(まま)にせむ。

収め數ふる田を以ては、均しく民(おほみたから)に給へ。彼と我と生(な)すこと勿れ。凡そ田給(たま)はむことは、其の百姓の家、近く田に接(つ)けたらむときには、必ず近きを先とせよ。
此(かく)の如くに宜たまはむことを奉(うけたまは)れ。

凡そ調賦(みつき)は、男の身の調(みつき)を収むべし。

凡そ仕丁(つかへのよほろ)は、五十戸毎に一人。

國國の壃堺(さかひ)を觀て、或いは書にしるし或いは圖をかきて、持ち來(まゐ)りて示(み)せ奉(まつ)れ。國縣の名は、來(まうこ)む時に將に定めむ。

國國の堤築(つ)くべき地(ところ)、溝穿(ほ)るべき所、田墾(は)るべき間(ところ)は、均しく給ひて造らしめよ。
當(まさ)に此の宣(の)たまふ所を聞(うけたまは)り解(さと)るべし」
とのたまふ。



 今回の国司発遣は東国・畿内だけでなく、全国への発遣のようだ。それ故に前年の「東国国司発遣の詔」で示した事柄を確認しているのだろう。


 「改新の詔」で「戸籍・計帳・班田収授の法」をつくるとうたっていた。それの試行と思われる。「東国国司発遣の詔」のときは検地をしたのは畿内だけだったが、全国での検地を指示している。さらに班田の試行にまで踏み込んでいる。


 「改新の詔」では「田の調」・「戸別の調」であった。それを人頭制に変えたということだろうか。頭注に「令と同じ丁調(調の人別賦課)の制定。」とある。大宝律令として結実するまでにいろいろと試行錯誤をしたようだ。


 これは「改新の詔」とまったく同じである。その再確認ということか。


 国境を再確認して、改めて「國縣」の名前を定めると言う。「評」制度から「郡」制度への移行準備か。


 治水・灌漑設備などのインフラ整備とそのための賦役の平等を指示している。

 以上、ヤマト王権が政権を盤石なものとするために全国規模で具体的に動き出したようである。

 ところで、一つ取りこぼしていた詔があった。「東国国司発遣の詔」と「改新の詔」の間に入る。不正な蓄財や土地の貸借を禁じる詔で、この詔はたいへん分かりやすい。後に必要になるかも知れないので、一応転載しておく。

大化元年9月19日
甲申(きのえさるのひ)に、使者を諸國に遣して、民の元數(おほかず)を録(しる)す。仍りて詔して曰はく、「古より以降(このかた)、天皇の時毎に、代(しろ)の民を置き標(あらは)して、名を後に垂(た)る。其れ臣連等・伴造・國造、各己(おのおのおの)が民(たみ)を置きて、情(こころ)の恣(ほしきまま)に駈使(つか)ふ。又、國縣(くにあがた)の山海・林野・池田を割(さきと)りて、己が財(たから)として、爭ひ戦ふこと巳(や)まず。或(あるひと)は數萬頃(あまたよろづしろ)の田を兼ね幷(あは)す。或は全(もは)ら容針少地(はりさすばかりのところ)も無し。調賦(みつき)進(たてまつ)る時に、其の臣連・伴造等、先(ま)づ自ら収(をさ)め斂(と)りて、然る後に分ち進る。宮殿(おほみや)を修治(つく)り、園陵(みさざき)を築造(つく)るに、各己(おの)が民を率(ゐ)て、事に隨(したが)ひて作れり。易(えき)に曰へらく、『上(かみ)を損(おと)して下(しも)を(ま)す。節(したが)ふに制度(のり)を以てして、財を傷(やぶ)らざれ。民を害(そこな)はざれ』といへり。方(まさ)に今、百姓猶乏(なほとも)し。而るを勢(いきほひ)有る者は、水陸(たはたけ)を分(わ)け割(さ)きて、私の地とし、百姓に賣り與えて、年(としごと)に其の價(あたひ)を索(こ)ふ。今より以後、地賣ること得(え)じ。妄(みだり)に主(あるじ)と作(な)りて、劣(つたな)く弱きを兼ね幷(あは)すこと勿(まな)」とのたまふ。百姓、大きに悦(よろこ)ぶ。
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 コメント
この記事へのコメント
たっさんの古代史も研究 素晴らしいとおもいます。ですが、、

私は古代史を理論的に論ずるには 石渡信一郎説が基本になるべき
と信じています。

ぜひ 石渡論を論じてください。
2011/06/12(日) 15:19 | URL | むらかみからむ #z8Ev11P6[ 編集]
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