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534 新新宗教批判(1)
宗教は花盛り
2006年6月25日(日)


 「現代日本の宗教社会学」(井上順孝編 世界思想社 2001年刊)は新宗教に ついて次のように述べている。
 「新宗教」という言い方は最近ようやく定着してきたが、一般には、「新興宗 教」という言い方のほうが通りがよい。実際問題として、意味の違いはさほど 大きくはないが、若干のニュアンスの差がある。マスコミ・ジヤーナリズムで は、新興宗教という表現のほうが一般的である。この場合、「新興宗教」は、 「既成の宗教に比べてやや価値的に低い宗教」という意味合いが込められること がある。次々に出現する新しい運動を、もっぱらその新奇さに注目して扱って きた、という経緯が関係している。
 これに対し、研究者は概して「新宗教」という言い方をするようになってき ている。新宗教という、近代以降に出現した新しいタイプの宗教を学術的な対 象として扱っていこうというのが、その場合の基本的立場である。したがって、 どのような運動・教団が新宗教といえるかについても、おおよその了解がある。

 では、どのような運動・教団が新宗教に含められているのであろうか。<表1>に 掲げたのは、組織の大きな新宗教、あるいは注目されることの多い新宗教であ る。これらは、数ある新宗教のうちのごく一部にすぎない。『新宗教事典』に は、300余りの新宗教教団がリスト・アップされているが、これもある程度研 究がなされつつある教団の数であり、存在さえほとんと知られていない運動や 教団がまだ数多くある。


 <表1>は教団名の「あいうえお」順で作成されているが、それを設立年代 順位並べ替えたものを掲載する。(さしあたっては不要な項目を除外した)


 <表1> 主な新宗教教団一覧      
   設立年  教団名      公称    教祖名
             信者数  
(1)1815  黒住教       30万   黒住宗忠
(2)1838  天理教       186万   中山みき
(3)1840  禊 教       10万   井上正鉄
(4)1857  本門仏立宗     53万   長松日扇
(5)1859  金光教       44万   金光大神
(6)1892  大 本       17万   出口なお
                      王仁三郎
(7)1912  中山身語正宗    38万   八坂覚恵
(8)1914  大乗教       30万   杉山辰子
(9)1919  円応教       43万   深田千代子
(10)1919  松緑神道大和山    6万   田沢清四郎
(11)1925  ほんみち      32万   大西愛治郎
(12)1928  念法真教      76万   小倉霊現
(13)1928  霊友会       321万   久保角太郎
                      小谷喜美
(14)1929  解脱会       23万   岡野聖憲
(15)1930  生長の家      85万   谷口雅春
(16)1930  創価学会    ※ 500万   牧口常三郎
(17)1935  世界救世教     84万   岡田茂吉
(18)1936  真如苑       70万   伊藤奥乗
                        友司
(19)1938  立正佼成会     647万   慮野日敬
                      長沼妙佼
(20)1945  紫光学苑     ※ 3万   川上盛山
(21)1945  天照皇大神宮教   44万   北村サヨ
(22)1946  パーフェクト
        バティー教団  125万   御木徳近
(23)1947  善隣教       51万   力久辰斎
(24)1949  霊法会      ※20万   吉岡元治部
(25)1950  仏所護念会     223万   開口嘉一
(26)1950  妙智会       99万   宮本ミツ
(27)1951  白光真宏会    ※10万   五井昌久
(28)1951  妙道会       22万   佐原忠次郎
(29)1952  弁天宗       30万   大森智弁
(30)1953  大山祇命
        神示教会     84万   稲飯定雄
(31)1954  阿含宗      ※26万   桐山靖雄
(32)1956  霊波之光教会    74万   波瀬善雄
(33)1958  天道総天壇    ※ 3万    (陳庚金)
(34)1959  世界真光文明教団  10万   岡田光玉
(35)1960  イエスの方舟   ※ 26   千石剛贅
(36)1970  神慈秀明会     44万   小山美秀子
(37)1972  いじゆん      ※1万   高安龍泉
(38)1978  崇教真光      47万   岡田光玉
(39)1984  オウム真理教     ―   麻原彰晃
(40)1986  幸福の科学  ※20~30万   大川降法

 (注)※は面談,教団資料,その他による推測であることを示す。
 それ以外の数値は「宗教年鑑」(1992年版)による。「―」は「不明」
 を表わす。

 この他に「外来の新宗教」の主なものとして以下のものをあげている。

(41)エホバの証人(ものみの塔聖書冊子協会) 創始者チャールズ・フッセル(1852-1916)
(42)末日聖徒イエス・キリスト教会(モルモン教) 創始者ジョセフ・スミス(1805-1844)
(43)世界基督教統一神霊協会(統一教会) 教祖・文鮮明(1920-)
(44)ラジニーシの運動 創始者バグワン・シュリ・ラジニーシ(1931-1990)

 (41)と(42)はどちらも19世紀にアメリカで創始されたキリスト教系の宗教である。 (43)は第二次世界大戦後に韓国で創始されたキリスト教系の宗教である。 また(44)は瞑想的宗教運動で、ヒンドゥー教系の宗教で、やはり戦後に創始さた。

 ほとんどの教団が信者数を水増ししていることは容易に推察できる。上程書では 表に書かれた数の3分の1から5分の1ほどと推定、教団によっては10分の1以 下の場合もあると言っている。

 水増し信者数を割り引いても百花繚乱、宗教の花盛りという観である。
 <表1>の教団数は40だが、そのうち江戸時代末期に生まれたものが5教団、 明治から敗戦前までに生まれたものが14教団、敗戦後のものが21教団となる。 特に敗戦前後30年間に約半数の教団が誕生している。「『新宗教事典』には、 300余りの新宗教教団がリスト・アップされている」そうだが、たぶんその半数 以上は敗戦前後に創設されたものではないだろうか。
 実生活ではもちろん文化面でも精神面でも混迷を深めていく時代状況の中で、 立ちながら枯死している既成宗教にはもうすがれなくなった人たちを新宗教が 吸引していった。

 ところで「宗教社会学」では教祖の精神構造や教義内容の分析・解明まではた ち入らない。社会的な現象面だけで宗教を扱っているので、「新興宗教=新宗教」 と十把一絡げでくくってしまっている。
 古田さんの分類(「第530回」参照)は既成宗教との系列関係を基準にしてい た。それに対して同じ「第530回」で少し触れた吉本さんの分類は、さらにつっこ んで教祖の精神構造や教義内容の分析・解明を通して得たものであり、論理的 然性をもった分類だと私は思う。そこでは真の宗教批判がくりひろげられてい る。次回から吉本さんの論考を読んでいくことにする。

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