2006年9月4日 ホームページ『「日の丸・君が代の強制」と闘う人たちと勝手に連帯するレジスタンスの会』からの引越し完了しました。
《真説古代史・近畿王朝草創期編》(127)

「天武紀・持統紀」(43)


日並知皇子の謎(6)
「大王」・「日の皇子」とは誰か


(本題に入る前に、「文武天皇の謎(2)」で李寧煕氏の説について言及しましたが、それの補充をしておきます。)

「Shin」さんから次のようなコメントいただきました。

「李寧煕氏をブログで紹介している者ですが、私は歴史にまったく無知なので、どのあたりがおかしいと思われたのか、もう少し詳しく説明してくださるとありがたいです。」

 「Shin」さんは李寧煕氏の紹介を行っているとのことですから、私の「珍説」という評言をさぞ不快に思われたことでしょう。

 私のブログを通して読んでこられた方には「珍説」と断じる理由の詳しい説明は不要と思っていましたが、単発的な来訪者には不親切だったかも知れない、と思い直した次第です。

 「文武天皇の謎:番外編)」で、私は次のように書きました。

「朝鮮古代語の吏読表記というのを、私はまったく知らない。だから、莫離支(マンニジ)に対する李寧熙氏の解読が正しいかどうかを問題にすることはできない。」

 「文武天皇の謎(2)」で行った批判でも同じです。私が問題にしているのは
『これは百済人である舒明天皇が、新羅の攻撃に備えよと百済に警告するために、額田王に作らせた歌であった。』
という部分です。

 問題にされている額田王の歌は、『万葉集』では斉明(皇極)天皇の時代の歌とされています。また『日本書紀』では額田王は天武天皇の妃と記録されています。従って、上のような主張を人に納得させるためには
① 舒明天皇が百済人であること
② 額田王が歌人として活躍したのは舒明時代であること
③舒明時代にに新羅が百済攻撃を企てた、または攻撃した事実があること
の3点が、確かな根拠をもとに論理的に証明されていなければなりません。そういう論証がない限り、それは学問の名に値しません。珍説と断じるほかありません。

 私の使った史料は孫引きです。もしかすると李寧熙氏は上の3点を論証しているのに、第一引用者が省略したということも考えられます。もしそうなら、李寧熙氏の論証を教えてください。それがキチンとしたものなら、「珍説」という失礼な評言を心からお詫びして撤回します。

(本日の本題に入ります)

 実は私(たち)は問題①の答のカギを手に内に持っていた。いま問題にしている35~39番の後にを続けて、「飛鳥浄御原宮の謎(10)」で取り上げた239番・240番と、「地名奪還大作戦(22)」で取り上げた241番を置いてみるとその答が自ずから見えてくる。(必要に応じて参照できるように別ファイル別ファイルとしてアップしておきます。39番・240番・241番は古田さんによる訓読に訂正しました。)

 241番は甘木の王者(大王)が狩りに出て、事故にあって亡くなった時の挽歌だった。これに対して45番を大王が狩りに出て野宿したときに人麿が詠んだ歌と解すれば、なんと、一続きの歌として読めるではないか。そのように解釈することができる決め手が35番の「眞木たつ 荒山道」と241番の「眞木の立つ荒山中」という詩句である。35番~39番と239番~241番は同じ舞台で詠われた歌だったのだ。

 問題②『「日雙斯」とはどういう意味か』に対する古田さんの解答を見てみよう。

 古田さんはまず、大漢和辞典(諸橋轍次)を用いて、「雙」の字の意味の確認をしている。

(1)つがひ。そろひ。(イ)鳥二羽。飛鳥、雙と曰(い)う。(方言、六)
(2)たぐひ。ならび。
(3)つがふ。たぐふ。ならぶ。

 「雙」には「ならぶ」という訓みがあるから、「日雙斯」は「ひならびし」と訓むことができる。ところで、240番の解読で分かったように、甘木の大王の紋章は「月」である。「日にならぶ(ひならびし)」のは「月」である。つまり、39番で「馬へて」いるのは甘木の大王である。すると当然、「正」は「倭国(九州王朝)の天子」ということになる。このときの狩りの主人公は「倭国の天子」。甘木の大王はその天子の右腕として「馬へて」いた。人麿はそのような意を込めて「日ならびし」という形容句を使っている。人麿の歌は意味が深いなあ、と改めて感心している。

 もうこれは蛇足になるが、上の解答は同時に問題①(35番長歌)の解答ということになる。「大王」は「甘木の大王」であり、「日の皇子」とは「倭国の天子」を指している。
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