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2006年9月4日 ホームページ『「日の丸・君が代の強制」と闘う人たちと勝手に連帯するレジスタンスの会』からの引越し完了しました。
《真説古代史・近畿王朝草創期編》(20)
「天智紀」(9)
「白村江の戦」の戦後処理(1)
「唐の占領軍」記事


「白村江の戦」の続編です。

 近畿王朝の成立はひとえに「白村江の戦」で九州王朝が大敗した故に起こった「棚からのぼた餅」であった。しかし、その成立には唐の占領軍の介在が不可欠だったろう。唐の占領軍は物見遊山のために九州に上陸したわけではない。ここで、先の大戦で大敗した日本国で、天皇制が温存されたのも岸信介のようなCIAのエージェントが首相になったのも、アメリカ占領軍の思惑によるものであったことを思い出すのもよいだろう。

 唐の占領軍は何をしに来たのだろうか。次の2点であろうことは容易に想定できる。

 唐に頑強に抵抗してきた倭国を徹底的に壊滅すること。

 唐に従順に朝貢してきたヤマト王権を倭国の後継権力とすること。

 ただし、 「壬申の乱(1):近江遷都」で取り上げたように、天智は倭国王の血筋を引く九州王朝の人物の可能性がある。その場合は、「壬申の乱」の意味づけとも関係するし、②の構図はかなり違ったものとなる。このことと深く関連する事項がまだあるので、今は結論を急ぐことなく、その事項を取り上げたときに検討したい。

 さて、郭務悰(かくむそう)という人物が唐の占領軍の総司令官にあたるようだ。上の①・②を検討するために、どの記事を使うことになるか分からないが、ひとまず「天智紀」「天武紀」「持統紀」から、郭務悰が関わっている記事を全部抜き出しておく。

664(天智3)年
5月17日
 百濟の鎭将軍劉仁願、朝散大夫郭務悰等を遣わして、表凾(ふみひつ 上奏文を収めた凾)と獻物(みつき)とを進(たてまつ)る。
10月1日
 郭務悰等を發(た)て遣す勅を宜たまふ。是の日に、中臣内臣、沙門智祥を遣して、物を郭務悰に賜ふ。
10月4日
 郭務悰等に饗賜ふ。
12月12日
 郭務悰等罷り歸りぬ。

665(天智4)年
9月23日
 唐國、唐國、朝散大夫沂(き)州司馬上柱國劉徳高等を遣す。〈等といふは、右戎衛郎將上柱國百濟禰軍・朝散大夫柱國郭務悰を謂ふ。〉凡て254人。7月28日に、對馬に至る。9月20日に、筑紫に至る。22日に、表函を進る。
10月11日
 大きに菟道(うぢ)に閲(けみ)す。
11月13日
 劉徳高等に饗賜ふ。
12月14日
 物を劉徳高等に賜ふ。

 是の月に、劉徳高等罷り歸りぬ。

669(天智8)年
 是の年、小錦中河内直鯨等を遣して、大唐に使せしむ。…
 又大唐、遣郭務悰等二千餘人を遣せり。

671年(天智10)年11月10日
 對馬國司、使を於筑紫大宰府に遣して言さく、「月生(た)ちて二日に、沙門道文・筑紫君薩野馬・韓嶋勝娑婆・布師首磐、四人、唐より來りて曰さく、『唐國の使人郭務悰等600人、送使沙宅孫登等1400人。総合(す)べて2000人、船47隻に乗りて、倶(とも)に比智嶋に泊(とま)りて、相謂(あいかた)りて曰く、今吾輩(われら)が人船、数衆(かずおほ)し。忽然(たちまち)に彼(かしこに)到らば、恐るらくは彼の防人、驚き駭(とよ)みて射戦はむといふ。乃(すなわ)ち道久等を遣して、預(あらかじ)め稍(やうやく)に来朝(まうけ)る之意を披(ひら)き陳(まう)さしむ。』とまうす」とまうす。

672(天武元)年
3月18日
 内小七位阿曇連稲敷を筑紫に遣して、天皇の喪を郭務悰等に告げしむ。是に、郭務悰等、咸(ことごとく)に喪服を着て、三遍擧哀(みねたてまつ)る。東に向いて稽首(をが)む。
3月21日
 郭務悰等、再拝(をが)みて、書函と信物(くにつもの)を進る。
5月12日
 甲冑弓矢を以て、郭務悰等に賜ふ。是の日に、郭務悰に賜ふ物は、総合て絁(ふとぎぬ)1673匹・布2852端・綿666斤。
5月30日
 郭務悰等、罷り帰りぬ。

692(持統6)年
閏5月15日
 筑紫大宰率河内王等に詔して曰はく、「沙門を大隅与と阿多とに遣して。佛教を傳ふべし。復(また)、大唐の大使郭務悰が、御近江大津宮天皇の爲に造れる阿弥陀像上送(たてまつ)れ」とのたまふ。

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この記事へのコメント
竜の象眼がある鉄大刀
大和との交流示す? 鉄大刀に竜の象眼/えびの・島内地下式横穴墓群
南日本新聞 : 2010 04/21
http://373news.com/modules/pickup/index.php?storyid=23476

記事の見出しには「大和」となってますが、近畿にすらない立派なものが大和王権から九州の支配者に贈られること自体が不思議ですよね。
2010/04/21(水) 18:41 | URL | ゴンベイ #eBcs6aYE[ 編集]
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