FC2ブログ
2006年9月4日 ホームページ『「日の丸・君が代の強制」と闘う人たちと勝手に連帯するレジスタンスの会』からの引越し完了しました。
《「真説・古代史拾遺編》(96)
「七支刀」補論(2)


「こうやの宮」の秘密


 「こうやの宮」の背後には、神籠石(こうごいし)に囲まれた有名な山・高良(こうら)山がある。そしてその頂上には高良大社という名社がある。古田さんは、「こうやの宮」と高良大社に共通の語幹「こう」は、例えば神戸の「こう」と同じで、「神」ではないかと言う。さらに次のように考えている。「こう」に接尾辞の「や(屋)」と「ら(羅)」が付加されて「こうや」「こうら」。「こうや」は「こうら」の山麓という意味合いになる。平地で「こうや」、高地で「こうら」と呼ぶ。これは百済や新羅と共通した都城の在り方だ。今は小さな祠の名として残っているが、「こうやの宮」と高良大社とはそのような関係だったのではないか。

 さて高良大社の祭神は高良大名神(玉垂命)と言う。この神が高良山に鎮座した年が、「高良社大祝旧記抜書」「筑後国高良山仮名縁起」等に明記されている。

「仁徳天皇五十五年」

 ところで七支刀の銘文に次の年月日が記されている。

「泰和四年五月十六日丙午正陽」

 これは東晋の「泰和四年」であり、西暦に換算すると367年である。

 では高良大明神の鎮座(即位)したという「仁徳五十五年」は西暦に換算すると何年になるか。仁徳55年は「皇暦」では1027年。皇暦は神武即位とされる紀元前660年を起点としているから、皇紀1027年は西暦では「1027-660=367」年。七支刀の銘文とピタリと対応している。

 上の事実は「こうやの宮」の主(七支刀を贈られた倭王旨)と良大社の祭神(玉垂命)が同一人物であることを主張している。

 さらに、倭王讃が中国の史書に最初に現れるのは『梁書』倭伝であり、
「晋の安帝の時(396年~418年)、倭王賛有り。」
とある。倭王旨は倭王讃の先王と考えられる。

 さて、七支刀とは直接関係ないのだが、古田さんはさらに、高良大社にに残された唯一の文書「高良記」(高良玉垂宮神秘書同紙背)に記されている系図を取り上げている。ついでなので、この記事も紹介しておこう。

 「唯一」といったのは、他でもない。明治初年、維新政府の使者が来て、〝一週間にわたり″、当社の文書を焼きつづけた、という。ひどい話だ。この「高良記」のみ、〝社格調べ″のため、京都の吉田家に寄託され、かえって「明治初の焚書」をまぬかれた、という(糸永明典前権宮司による)。

 九州王朝から権力を簒奪した大和王権は、九州王朝の史書や歌集などを焚書し、九州王朝関係の神社仏閣や墳墓を破壊し、貴重な文化財を全て略奪した。つまり、九州王朝の存在の完全な抹消を企てた。しかしそれは失敗している。これまで見てきたように、「記紀」・「万葉集」・「神社仏閣に残された記録」・「謡曲」そして種々の金石文が九州王朝の存在を明らかに主張している。

 明治新政府による焚書なんて知らなかった。この焚書の受難にあったのは高良大社だけではないだろう。この焚書の目的は何だったのだろうか。「万世一系」のウソを暴くような文書をターゲットにしたのではないだろうか。

 さて、「高良記」末尾に、「異国征伐之時三百七十五人ノ神立」という、ことごとしい表題がつい不思議な「系譜」があるという。その系図は各種の神系図が〝合成″された形をしていて、その末尾に天照大神にはじまる系譜が書き留められている。

天照大神(  神)…天忍穂耳尊…神皇彦帝(カンスベタマノミコト、ニニギニミコトに相当)…(三十数代)…天日神命(アマノヒノクマノミコト)〈巳上三十九命。下文略〉

 右は、〝天照大神より、代々継承して、天日神命(現在)に至る″の意をしめした系図である。「天」は「アマ」。隋書タイ国伝にタイ王の姓が「阿毎(アマ)」である、といわれているのと一致する。「高良記」では、「神代」は「クマシロ」と読むべきを指示しているから、「日神」は「ヒノクマ」であるかもしれぬ。(佐賀県、吉野ヶ里の北方に「日隅(ヒノクマ)神社」がある)

 問題は次の点だ。右の歴代中、五櫛彦命から次のように系図が分岐している。

五櫛彦命-湯津彦命…(中略)…天日神命 〔本流〕

五櫛彦命…………
           |
           |
鸕鷀草葺不合尊……彦五瀬命…稲飯姫命…三毛入野命…磐余(いはれ)彦尊(神武) 〔分流〕
注(鸕鷀草葺不合=ウガヤフキアエズ)


 〝われは天照大神の本流。神武たちの近畿天皇家は、わが五櫛彦命からの分流に当る。″

 これが、この系図の「主張」である。わたしの
「九州王朝が本流、近畿天皇家はその分流」
 この分析は、ここに系図化されていたのである。

スポンサーサイト



 コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
 トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://adat.blog3.fc2.com/tb.php/1393-39ee90b5
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック