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2006年9月4日 ホームページ『「日の丸・君が代の強制」と闘う人たちと勝手に連帯するレジスタンスの会』からの引越し完了しました。
ひらりちゃんの童話集
「弱虫ヨッちゃん木にのぼる」


弱虫ヨッちゃん木にのぼる

 むかーし、むかし、あるところに、弱虫ヨッちゃんという、七つの男の子がおったと。その子は、みんな木に登って遊ぶというにこわくて登れんかった。いつも六つのミサちゃんと、三つの花子ちゃんと遊んでいたと。

 ある日のこと、いじめっ子のサブやジローが、
「やーい弱虫毛虫はさんですてろ。」
「ミサや花子と遊んでばっかりいるぞ。ヨッちゃんヨッちゃんヨシ子さん!」
「木にも登れん弱虫だヤーイ!」
なんてバカにするもんだから、イラだって、
「木ぐらい登れんだ。」
と言うと、サブやジローは、.バカにして、
「ほんなら、向うの山の杉林の一本杉に登ってみろヤーイ!」
と言い返して、それから言うた。
「明日の三時きっかりにこいよ。」

 その夜、ヨッちゃんは明日のことが心配で、なかなかねむれんかったと。
(ああ、どおすんべえ、オラ、弱虫だってバカにされてもがまんしてだまっていれば、いかったな。んだが、ほんに変なこと言うてしもうた。ああ、どうすんベェどおすんベェ。)
と思っているうちに、眠ってしもうた。

 次の朝、ヨッちゃんは、ミサちゃんと花子ちゃんに、三時の約束のことを話した。ミサちゃんは笑って、
「でえじょうぶ、あたいだって、のぼれる。」
と言って、庭の柿の木にするすると登って、まっ赤な柿の実を、三つもいで、おりてきた。そして、花子ちゃんとヨッちゃんに、
「さあ、この柿食ったら、練習すんベェ。すぐ出来るようになるよ。」
と言って、一本杉のところへ連れていった。「ヨッちゃん、のぼってみい。木の幹にしがみついて、幹さけっとぱしていればいいだよ。」
と言った。そして、花子ちゃんに言った。
「ものさし持ってきてよ、花ちゃん。」
花子ちゃんは、テレテレと走ってすぐ帰って来た。一方、ヨッちゃんは、一生けんめい、木の幹をかかえて、ウンウンいっとるんだが、なかなかのぼれん。あっ、ちょっと尻が地面からういた。ミサちゃんは物さしで、
「やった。ヨッちゃん、2㎝、あ、5㎝になったぞ。もっときばれい。」
と、いちいち測って、応援してくれる。三時。

 三時。サブにジローに玉三郎、ゴンにノブに、大すけ、一郎。一本杉のまわりは、いっぱいだ。ヨッちゃんはのぼった。10㎝あがって5㎝下る。まっ赤な顔をしてがんばった。見ていて、みんなも応援しようと思った。
「がんばれ、よいしょ、がんばれ。」
と、尻をおす。ヨッちゃんのおしりをサブがおす。サブのおしりをジローがおす、ジローのおしりを玉三郎がおす、玉三郎のおしりをゴンがおす。ゴンのおしりを大すけがおす。大すけのおしりを一郎がおす、一郎のおしりをミサちゃんがおす。みんなで、ミサちゃんを、ひっはり上げて、ズラーッと木の枝にならんですわった。一人残った花子ちゃんは、ボケーつと見上げている。そして、「みんな、おりられるのけ?」と思った。上からは、みんながロをそろえて、半泣き声で
「花ちゃんー。はしごを持ってきてくれー。」
花ちゃんはあわてて走っていった。けれどもどうしたことか、いつまで待っても、花ちゃんは帰って来なかったと。ちょうど夕はん時の寺のかねが、のんびりと、なっておったと。

おしまい
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