2006年9月4日 ホームページ『「日の丸・君が代の強制」と闘う人たちと勝手に連帯するレジスタンスの会』からの引越し完了しました。
ひらりちゃんの童話集
不思議なフウセンガム(2)


「てつくーん、遊びましょ。マムで遊びましょ。川に行って遊びましょ。」
するとてつうくんが二階の窓から顔を出して言いました。
「ゆりちゃん、上がってこいよ。」
「ウン!」
ゆり子はくつをポーンとぬいで
「おじゃましまーす。」
と、どんどん勝手にてつくんの部屋まで上がっていきました。ゆり子は自分のマムをかみながら、てつくんにも一つぶあげました。てつくんはすぐかんでみて
「おれの、メロン味だぜ。」
と言って、クチャクチャプーと風せんみたいにふくらませました。すると、メロンの形にふくらみました。いっぱいいっぱいふくらんで、窓から出ていそうになりました。てつくんはヘタの部分をしっかりつかんで、窓わくの所にふんばりました。そしてゆり子に
「ゆりちゃん、はやくふくらませ!」
と言いました。ゆり子ははじめてなのでドキドキしながら、フーッと息をふきこみました。するとイチゴの形に大きくふくらみました。二人はそれに乗って窓から飛び立ちました。その時、机の上にあった花びんの花が折れてしまいました。でもぜんぜん気が付きませんでした。二人はフワフワ飛んで行きます。てつくんが聞きました。
「あといくつ残っている?」
「えーと、1,2,3…5個よ。」
その時、スズメの大群がやってきました。
チュイチュイピピピピピ…… プツン!パチン!
スズメにつつかれてガムの飛行機は割れてしまいました。
「キャー、助けて!」
二人はドボンと川に落ちてしまいました。スズメたちが心配そうに集まって来ました。
「ごめんね。チュンチュンピピピピピ…」
ゆり子は大いそぎでマムを二つ出しました。一つぶてつくんにあげて、クチャクチャプー。そして
「長くのびろ、長くのびろ。」 と言うと、ビューとゆり子のマムがスズメの足にからみつき始めました。てつくんのマムも同じです。
「さっ、スズメさん、お家に連れてって!」
パタパタパタパタ…。てつくんの家についた時はもう六時でした。ゆり子は残りの三つぶのうち二つぶをスズメにあげました。そして最後の一つぶは大切に自分のたから物のふくろに入れておきました。

 次の日、お母さんはゆり子に言いました。
「ゆりちゃん、おつかいに行って来てちょうだい。おかし屋さんのとなりの八百屋さんよ。モモを四つ買ってきてちょうだい。」
ゆり子は
「ハーイ!」
と元気よく返事をすると、ビーズのさいふを急いで持ってきました。そしてお母さんから買いものかごを受け取ると
「行ってきまーす。」
と玄関から出て行きました。
「おばちゃーん、モモ四つください。」
とゆり子が大きい声で言うと、あばさんが出て来て
「ハイハイ、モモ四つね。」
と、モモをゆり子のかごに入れてくれました。帰り道、ゆり子は八百屋さんの方をふり返って、大変な事に気が付きました。
「マム屋さんがない!」
ゆり子は全速力で走って家に帰りました。
「ただいまー!」 「あら、ゆりちゃん、はやかったわね。」
お母さんにモモをわたすと
「大変、大変!」
と言って、自分の部屋にころげこみました。そして、たから物のふくろの中身を全部ぶちまけました。てつくんからもらったシール、キャンディのつつみ紙、赤い石ころ、おはじき、毛糸のきれっぱし……。けれどもマムはどうしてもみつかりませんでした。(おわり)
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