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511 認識論と矛盾論(2)
唯物弁証法の発見者
2006年5月27日(土)


 自らあきれもし後ろめたい気持ちでもいるが、私はどの分野でも「チョッとかじっただけ」が多い。たぶん多くの誤解曲解をしているだろうな、と危惧をいつも持っている。その誤解曲解は現在の自らの内実の表象であって如何ともしがたい、が、自らの内実を豊かにすることによって誤解曲解を解消する努力はしようと思う。
 いまさら殊勝なことを言っちゃって! とチャチャが入りそうだけど、やり通せるかどうか心もとないが、「資本論」(岩波文庫版)を読み始めた。冒頭「第1版の序文」の次に「第2版の後書」が掲載されている。この「後書」は示唆に富んだ内容の濃いものだ。その「後書」の中に記憶の片隅に追いやられていた名前を発見した。


 ドイツのブルジョア階級の博学な代表者たちと博学でない代弁者たちは、私の以前の諸著についてやりとげたと同じように、『資本論』をまず黙殺しようと試みた。この戦術がもはや時勢に向かないようになったと見るや、彼らは、私のこの書を批判するという口実で、「ブルジョア的意識を鎮静させるために」処方を書いた。だが、労働者新聞紙上には ― 例えば『人民国家(フオルクスシユタート)』紙上のヨゼフ・ディーツゲンの諸論文を見よ ― 傑れた戦士を見出した。彼らはこの人々にたいして、今日までまだ回答を与えていない。



 この発見がうれしかったのであえて記録したわけだが、またこの発見が三浦さんの次の著書を思い出させてくれた。
 ここから、資料として前提書のほかに「認識と言語の理論第1部」(剄草書房)と「弁証法・いかに学ぶべきか」(季節社)を加える。

 さて、「弁証法・いかに学ぶべきか」は「唯物弁証法は、誰が発見したのだろうか?」という問で書き始められている。哲学者たちは誰でも「マルクスとエンゲルス」と答えるに違いないと三浦さんは言う。しかしエンゲルスの「フォイエルバッハ論」には次のように書かれている。


この唯物弁証法は、爾来われわれのもっともよい道具となり、もっとも鋭利な武器となっているが、この唯物弁証法はわれわれだけが発見したのでなく、注目すべきことには、われわれから独立に、否、へーゲルとさえ関係なしに、ドイツの一労働者ヨゼフ・ディーツゲンによって発見されたのであった。



 さらにマルクスやレーニンもヨゼフ・ディーツゲンを賞賛している。
マルクス
『一労働者の独力の思惟になるものとしては、賛嘆に値いする思想をふくんでいる。』
レーニン
『独力で弁証法的唯物論を発見した、この労働者哲学者の中には、幾多の偉大なものがある。』

三浦さん自身も「ヨゼフ・ディーツゲンはわたしの教師である。わたしはそれを誇りとする。」と絶賛している。三浦さんもディーツゲンと同様、独学者である。なお三浦さんは1989年に亡くなられた。

 さて、レーニンはそのノートや論文にしばしばディーツゲンを記録しているが、ソ連の学者も日本の学者もそれらの文章を引用するとき、ディーツゲンという名だけを抹殺しているという。

 マルクスの「資本論」を無視しようとしたドイツのブルジョア学者やディーツゲンを無視している学者たちの心性の機微は、古田さんを無視し続けている日本の古代学者たちのそれと同じではないかと私は思う。そういえば吉本隆明さんもアカデミックな学者たちには無視され続けている。

 三浦さんは言う。


 マルクス・エンゲルス・レーニンの評価が正しいのか、それともいまの哲学者の態度が正しいのか?
 マルクス・エンゲルス・レーニンはなれ合いの仲間ぼめをやったのか、それともいまの哲学者が、ディーツゲンを理解する能力をもっていないのか?
 レーニン以後、哲学者によってディーツゲンが「死んだ犬」のように扱われているこの事実は、深くつきつめていく必要があると思う。一体どこに原因があって、この評価のくいちがいがうまれてきたかをたぐっていくと、学者はいかに評価すべきか・学問する者の態度はいかにあるべきかという、わたしたちにとって根本的な問題につながっていると考えられるからである。



 実はこの「根本的な問題」についての三浦さんの論考に唯物弁証法の「認識論」の基本的な考え方が書かれている。それを入り口として「認識論」の世界に入っていこうと思う。
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