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2006年9月4日 ホームページ『「日の丸・君が代の強制」と闘う人たちと勝手に連帯するレジスタンスの会』からの引越し完了しました。
「財源=税」問題を考える。(7)
消費税導入後の税制改悪(1)


 消費税導入という増税の大義名分は「高齢化社会のため」であったが、消費税が高齢化社会への対策に使われた形跡はない。消費税がその大義名分通りに使われれば、あの悪名高い後期高齢者医療制度などは全く不要だったはずだ。

 では、消費税は何に使われたのだろうか。消費税は一般財源に繰り入れられているのだから、それを特定することはできない。しかし消費税導入を契機に、総資本意志を全面的に取り入れて税制全般の改悪が推し進められてきた。むしろ消費税導入は税制度改悪のために導入されたのではないだろうか。消費税導入後の税制改悪の実態を見てみよう。(今回からは、『消費税によらない豊かな国ニッポンへの道』の第6章が教科書です。)

 公平で合理的な税制度の基本的理念は、従来は担税力に応じた「応能負担」であった。消費税導入後の税制改悪ではその理念を否定し、「税負担のフラット化が最も公平」と公平の解釈を変え、「応能負担」に代えて「応益負担」(受益者負担)を強引に打ち出してきた。これは、「既存税制の不合理な部分を殊更取り上げ、政府にとって都合のよい税体系に変え」ようとするものであった。(「部分より全体をおよぼす」という典型的な詭弁が臆面もなく使われている。)

 政府税制調査会などは、税負担をどう配分するかという考え方として、税負担が困難な人への個別調整を中心に置いたそれまでの考え方を捨て、垂直的公平(累進税率)から水平的公平(かつては同じ所得なら同じ税額という意味で使われましたが、所得額が違っても同じ税額という意味)へと、基本理念を一大転換させ、課税根拠のない「バランス論」や「広く薄く論」を前面に出してきました。

 公平という考え方にしても、税負担能力を基礎においた応能負担原則を重視し、企業活性化、国際競争力強化といった負担能力とは異なる次元での「公平」論ではなく、すべてのものに共通する客観性をもった公平概念を審議会の委員はもつ必要があります。

 これまでの制度の改廃理由を見ても、消費税導入後の反国民的改悪の数々は既存税制における創設趣旨を変更するための理由も述べずに一方的な考えを押しつけています。

 「公平・中立(活力)・簡素」という税制調査会の「理念」は、
「公平」とは、富める者も貧しき者も同額課税するフラット化をいい、
「中立」とは、所得の再分配や経済政策をほどほどにし、経済活動を重視する活力論です。
「簡素」とは、税率を適用する所得区分を少なくして高額所得者の税額を少なくすることをいっており、つまり「広く薄く」課税することを意味しています。

 さて、消費税導入後の税制改悪の実態を見ていくが、結論を先に言えば、消費税導入以来、一般庶民の税負担や社会保障負担(これは本来的には名を変えた税負担である)は増加の一途をたどってきた。その一方、高収益企業・高額所得者・大資産家への負担はどんどん軽減されていった。つまり、一般庶民の消費税・社会保障負担増は高収益企業・高額所得者・大資産家の負担減に使われたことが明らかになるだろう。

企業課税に見る高蓄積のしくみと実態

 自公政権は「企業の活性化」「国際競争力強化」を最重要政策課題とし、その大義名分のもと、全面的な規制緩和・多額の財政出動・高収益企業などへの大減税を繰り返してきた。その施策の結果、大企業はどれだけ儲けなのか、そしてその儲けはどこへ行ったのかを検証し、かつ高収益企業などへの大減税の仕組み(制度)を見てみよう。

消費税導入(1989年)以降の企業の内部留保額(儲けによる蓄積額)

全産業の内部留保額
1989年度 175兆9810億円
2006年度 411兆1077円
 235兆1267億円も増えている。この増加額は、この間の特例国債(赤字国債)増加額223兆1000億円を12兆267億円も超える莫大な額である。

 同じ期間における大企業(資本金10億円以上の企業)の内部保留額
1989年度 100兆3961億円
2006年度 228兆7578億円
 128兆3617億円も増えている。消費税導入時に比べ蓄積額の増加は約2.3倍になっている。

 全法人数に占める大企業の割合は、わずか0.28%である。消費税導入後に得た全産業の内部保留の55%を、そのわずかな大企業が独占していることになる。このことは法人間での較差が拡大していることを裏づけている。

 このように儲けの大企業への集中が進んでいる理由を富山さんは次のように分析している。(次回へ続く)

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