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2006年9月4日 ホームページ『「日の丸・君が代の強制」と闘う人たちと勝手に連帯するレジスタンスの会』からの引越し完了しました。
「財源=税」問題を考える。(6)
消費税の問題点


 消費税が導入されたとき、消費税の弊害や問題点がいろいろと指摘された。それが、消費税が当たり前のように定着されてしまった今、消費税の弊害や問題点はほとんど取り上げられることもなくなった。消費税の問題にかぎらない。時間がたてば国民は忘れるさ、と為政者たちはタカをくくっている。そして、だいたいその通りになっている。

 いま、マスコミでは、消費税そのものについての議論は全くなく、消費税率アップいたしかたなしとの論調が大手をふるってまかり通っている。そして、おおかたの国民もそれに同調する風潮が作られつつある。改めて消費税の弊害や問題点について復習しておかねばなるまい。

 消費税導入以前に、個別消費税として物品税や遊興飲食税という税金があった。これらは奢侈品課税であり、生活に直接必要のない贅沢な品物を購入したり、高価な飲食やサービスを受けた場合など、贅沢な品物やサービスへの課税であり、高額な支払いができる金持ち、生活に余裕のある人の担税力(支払能力)に着目したものである。もちろん、ガソリン税や酒税など、対象が金持ちとはかぎらない物品税もある。(私はかなりの酒税を納めている。)また、たばこ税のようなペナルティ(罰則)的な側面をもつものもある。

 これに対して一般消費税は、上記の物品税とは根本的に異なり、基礎的生活物品にまで課税される生活費課税です。生活必需品を含めた「消費」そのものに課税するというのだ。

 「消費」(物を買ったりサービスを受けたり)するのに、とうぜん先立つものは「お金」である。私たち一般庶民はその「お金」を労働によって得ている。その得た「お金」を払うことによって物を得、サービスが受けられることになる。つまり「消費」とは「所得」の処分形態であり、所得がなければ「消費」はできないのだから、「消費」自体が担税力(税金の支払能力)を持っているわけではない。消費税導入時の税制調査会は「消費に担税力を見出す」との勝手な見解を述べ、その課税根拠について説明していた。富山さんは「これほどことの真実を見失った(曲げた)理屈(理論)はありません。」と怒りをあらわにしている。

 ところで私たちは、消費をするための前提となる所得を得た段階で所得税を課税されている。そしてその所得で物品を購入する際にまた消費税という税金が課税される。これは完全な二重課税である。ガソリンや酒やたばこなどは個別物品税を含めた価格にさらに消費税が課税される。これは三重課税だ。

 現行税法では、二重課税の防止という名目で税額控除という負担緩和措置があります。例えば、それは企業から受ける配当所得に対する措置がそうです。これは会社が上げた利益に対し法人税が課税され、その残りの利益のうちから配当を株主に支払っているので、所得税の確定申告で配当所得をそのまま課税対象とし税金を取るのは二重課税であるから、その重複部分を調整するという考え方によるものです。

 しかし、よく考えてほしいのですが、配当所得は「所得」であり、他の勤労所得(事業・給与所得)より担税力はすぐれてあるという性質のものです。担税力のない消費には「担税力を見出し」、担税力のある配当所得にはなぜ負担調整をしなければならないのでしょうか。

 担税力の有無を別にしても二重課税には違いがなく、消費に対する課税も調整すべきではないでしょうか。とりわけ配当所得は金持ちに多く、消費税は貧しいものほど高い負担を負わされています。 「生活破壊税」ともいわれている一般消費税は課税の根拠がなく、本来あってはならない税金であり、選択ができ、生活に余裕のある人が払える形の個別消費税に戻すことがベターな制度といえます。

 ヨーロッパの付加価値税の歴史をみますと、その創設時の必要性は戦費調達と戦後処理が理由であり、戦費調達目的は日本も同様で、間接税共通のものです。「資本主義最後の税金」と導入時は叫ばれていましたが、最近では消費税「そもそも論」も問われることが少なくなり、話題の焦点は税率の引き上げの是非に傾注しています。それでは「のど元過ぎれば熱さ忘れる」のたとえに通じますし、社会保障財源という仮面に引き込まれてしまうのではないかとの懸念をいだかざるを得ません。

 一般消費税は、ヨーロッパモデルの付加価値税を模倣して導入されたものだった。(自公)政府は日本の消費税率はヨーロッパ諸国と比べて低いと喧伝してきた。税負担の国際比較の場合も政府は、自分の主張に沿った部分のみを拾いあげて資料を作り、国民に発表している。いや、国民を欺いている。では、その本家本元のヨーロッパにおける一般消費税の実際はどうなのだろうか。

イギリスの場合
 標準税率は17.5%と日本の約3倍強である。しかし、税率が3段階に分かれている標準税率17.5%・軽減税率の5%、それにゼロ税率というものがある。軽減税率5%が適用され るのは、家庭用燃料と電力で、ゼロ税率の対象は広く、食料品、水道水、新聞、雑誌、書籍、国内旅客輸送、医薬品、居住用建物の建築、障害者用機器など生活に直接かかわるものや医療、教育、住宅などナショナルミニマム(最低保障)にかかわるものが消費税の対象からはずされている。

 消費税は生活費課税で、逆進的負担(貧しい者ほど高負担になる)であり、生活破壊税とも呼ばれている。イギリスではその重要部分がゼロ税率か軽減税率適用となっている。日本政府はこういう点にはほおかぶりをしている。

 私は今までは「税」については大きな関心を持たなかった。(いいかえれば、政府の発表を鵜呑みにしていた。)従って税制についての基礎知識も、全くと言ってよいほど持っていなかった。例えば、「基幹税」と「補完税」という概念も初めて知った。次のようである。

 税は新たに取得した所得への課税が基本であり、それを基幹税と言う。所得税、法人税がそれにあたる。
 そして、所得課税で補足されない部分を補完するという意味合いの税を補完税と言う。相続税・贈与税などの財産税がそれにあたる。

 さて、本質的に負担能力を持たない消費税を基幹税とするのは大きな間違いである。にもかかわらず、日本では、本来は補完税であるべき消費税が基幹税となっていて、法人税・所得税に次いで消費税が第3番目の歳入額となっている。それに対してイギリスでは、消費税率は日本の3倍強にもかかわらず、税収割合は日本より低い位置になっているという。イタリアも日本の4倍の税率だが、税収割合は日本より若干多い程度である。

 欧州連合(EU)は2008年11月20日、「欧州経済回復計画」を加盟国に提案している。それには、個人消費を後押しするために付加価値税の税率を引き下げることが盛り込まれている。イギリスやフランスも相次いで付加価値税の税率引き下げを打ち出している。

 日本においても食料品など基礎的生活物資の消費税をゼロ税率にすることにより、消費を上昇させる効果は間違いなく生じます。そして、そのことが若干でも所得格差を是正することにもつながることは間違いありません。

 消費税の不合理是正として当面おこなうべきことは、輸出に対する免税措置を廃止し原則課税とすること、大企業優位の課税売上高95%ルールを原則どおり課税・非課税に区分し原則課税することです。それだけでも相当な税収が確保され、社会保障財源として有効活用できます。

 前出の竹崎孜氏の著書によれば、消費税率が25%と最も高いスウェーデンでは、高い税率であることに国民からは反発が示されないとのことです。課税が国民の痛みとならぬ配慮があらかじめなされており、政策を通じた税金の還元が続いているから、単純な反対は出ないとのことです。また、「国民(基礎)年金は"暮らせる年金"の役割を果たしており、消費税負担が高い低いという問題ではなく、政府が長年にわたって所得格差や不平等の対策に取り組んできたことで消費税への批判は出ていない」と政府当局が説明していることも、紹介しています。

 この教訓は、日本も学ばねばなりません。ナショナルミニマム(最低保障)が不十分である日本の現状では、まず生活できる水準にまで収入を引き上げる体制を作ることです。

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