2006年9月4日 ホームページ『「日の丸・君が代の強制」と闘う人たちと勝手に連帯するレジスタンスの会』からの引越し完了しました。
「財源=税」問題を考える。(4)
小泉悪政の推進機関「経済財政諮問会議」


 各種審議会の中で特に、総資本意志を全面的に取り入れて、得意になって国民生活破壊のつゆ払い役を果たしたのが内閣府の諮問機関である経済財政諮問会議(以下、経財会議と略す。)であった。

 経財会議は、中央各省の再編に伴って設けられた機関で、森内閣時にスタートした。しかし、森内閣時にはほとんど機能していなかった。これを引き継いで、小泉内閣が全面的に活用する。小泉内閣は、予算編成(経済財政政策)の基本骨格を決める権限、いわば国家運営の基本の決定権をそれまでの財務省から奪い取って経財会議に移した。そこで、いわゆる「骨太方針」と呼ばれている「経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針」が作られた。

 経財会議のメンバーの11人で、4割以上は民間有識者にしなければならないとされている。総理を議長とし、閣僚5人(内閣官房長官・経済財政政策担当大臣・総務大臣・財務大臣・経済産業大臣)・民間人5人という構成になっている。ところが民間有識者5人が曲者である。その内訳は財界人2人・学者2人・日銀総裁である。4名の民間有識者の顔ぶれを見ると(先の2人が財界人、後の2人が学者)

小泉内閣時
奥田碩・牛尾治朗・本間正明・吉川洋

安倍内閣時
御手洗冨士夫・伊藤隆敏・丹羽宇一郎・八代尚宏

福田内閣時
張富士夫・三村明夫・岩田一政・吉川洋

 財界トップ・財界有力者と、学者はいずれもいわゆる御用学者。結論ははじめっから決まっているようなものだが、念のためその政策決定過程を概観しておこう。

 まず日本経団連が政府に対し「提言」をおこなう。→その「提言」を受けて審議の初回に民間議員の4人が共同で審議方向を提案する。→閣僚はそれに同調し、審議に入る。
 つまり、日本経団連の「提言」に即して民間議員が共同提案をおこない、まとめにあたってもその方向をやはり民間議員が共同提案する。いずれも民間議員が審議をリードしていく形をとっている。審議結果はほぼその線でまとめられる。なんのことはない、財界の財界による財界のための審議である。

 そこでまとまったものは、ほぼ無修正で閣議決定という段取りで政策が決められていく。それが法案化され、国会に提出される。あとは強行採決あるのみ。この審議会も、民間の意見を取り入れたというポーズを取るための欺式に過ぎない。この経財会議の問題点を、富山さんは次のように指摘している。
 国のもっとも重要な政策会議であるこの経財会議と規制改革会議には労働組合も排除されており、真の国民の代表が1人も入らない中で重要な政策が決められているのです。そして、日本経団連の「提言」の基本的要望などかなりの部分が政策化され実現されていくのです。

 このプロセスについて竹中平蔵氏は次のように「喝破した」ことが、五十嵐仁著『労働再規制―反転の構図を読みとく』(筑摩新書)に紹介されています。それは、「事前の『裏戦略会議』で入念に仕込んだ民間議員(の提言)をペーパーで切り込み、議論が二歩前進、一歩後退しながら熟してくると「竹中取りまとめ」で後戻りできないようにピン留めする。最後は『小泉裁断』で決着する。この3点セットで抵抗する各省や閣僚を追い込み、諮問会議を官邸主導の政策決定メカニズムのメーンエンジンとしてフル稼働させた(清水真人『経済財政戦記』49頁)」です。

 しかし、よく考えてみますと、これら政策決定については国会がこれまで担っていたものであり、自民党議員の中からは「俺たちは何なんだ」との声が出ていると伝えられています。また御手洗日本経団連会長が「提言」を実現させるために毎日のように政府機関に電話をしているとの話や自民党税制調査会の幹部に御手洗会長が電話した際に、「そんなことばかり言っていると国民は黙ってはいませんよ」と諭されたという報道がされています。

 経財会議は内閣府の諮問機関であり、内閣府は行政機関です。その行政府が立法府の国会の審議権を侵害して政策決定をしているという構図です。それは明らかに、立法・司法・行政の三権分立を規定している憲法にもとることにもなり、憲法違反とも考えられます。

 とりわけ問題にしなければならないのは、これらの審議会の多くは真の国民代表を参加させておらず、財界、大企業の役員により審議・決定し、その中身は反国民的報告や答申となって政策化されていることです。それは、民主主義に反し、問われなければなりません。この構図は、まさに財界などごく一部の階層が、日本を私物化しているものといえるのではないでしょうか。

 三権分立は議会制民主主義(ブルジョア民主主義)の根幹であり、その最も良質の部分である。最高裁判事を筆頭に圧倒的多数の裁判官は、憲法判断を迫られるような事例では行政追認の判決しか出せない。司法はとうに劣化している。その上に立法府(議会)までが行政府(政府)の支配下に入れば、ブルジョア民主主義の根幹が崩れたことになる。

 この状況は「ブルジョア民主主義国家」→「専制国家」という後退のへの一歩手前であることを示している。しかし、このような観点から現況を論じている人は、私の知る限り、佐藤優さんだけである。(8月31日付東京新聞夕刊コラム「放射線」)
権力党

 昨日の衆院選で、民主党が圧勝した。しかし、筆者はこれを民主党の勝利とは考えない。それでは誰が勝利したのだろうか? 筆者は、真の勝利者は小泉純一郎元首相と考えている。 2001年4月の自民党総裁選で、小泉氏は「自民党をブツ壊す」という公約をかかげた。その公約が8年4カ月後に実現したのである。権力は空白を嫌う。自民党が崩壊した隙間を、民主党が埋めたにすぎない。その結果、真の「権力党」が生まれた。

 政党を英語で「ポリティカル・パーティー」というが、パーティー(PARTY)には部分という意味がある。社会にはさまざまな利害対立がある。その社会の部分を代表するのが政党だ。部分の代表者が議会で討論し、合意を形成するというのが議会制民主主義の基本だ。

 ただし、権力党はこのような政党ではない。権力党は部分の代表ではなく全体の代表であるという自己意識をもっている。

 具体例ではソ連共産党がこのような権力党だった。権力党は事実上、国家と同じ機能を果たす。これは民主主義にとって危険だ。

 政党は、民の側から形成された社会団体である。政党の機能は、合法的な暴力を独占する国家の活動をチェックし、その暴走を抑制することにある。ところが全体の代表を志向する権力党の場合、国家と一体化してしまうので国家に対する批判機能が低下する不安がある。民主党に対する世論のチェックがこれから重要になる。

 今回の選挙結果について、今のところ財界は事の真相を把握できず、ただただ戸惑っているばかりのようだ。(今朝の東京新聞の記事「戸惑う経団連 民主対応で臨時会合」)

 民主党が圧勝した総選挙結果を受け、自民党と蜜月時代を築いてきた日本経団連が、新政権にどう向き合えばよいのか苦慮している。御手洗冨士夫会長は「経団連の姿勢、行動形式は変わらない」と平静を装ったが、新政権との距離感はつかめていないのが実情だ。 (花井勝規)

 2日午前、東京・大手町の経団連会館で、御手洗会長が急きょ招集した臨時幹部会議が開かれた。15人の副会長のうち約十0人が駆けつけ、病気療養で主要行事を4カ月間休んでいた中村邦夫副会長(パナソニック会長)も出席した。

 「正しいと思うことを堂々と(新政権に)言っていくしかない」「(民主党政権へ)急旋回はできない。慎重にいこう」。自由討論の形で行われた会議では、基本原則の確認に時間が費やされた。「まだ政権が発足していないし、(鳩山次期首相の)所信表明の中身も見えない」(御手洗会長)ためだ。

 だが、温室効果ガスの削減目標をめぐっては、「もし(国際的に)約束でもされたら、一大事だ」といった意見が出た。民主党は2020年までに1990年比25%削減を目指すとの方針を掲げている。これに対し経団連など産業界は、目標が高すぎるとして強く反対している。

 首相となる鳩山由紀夫氏は今月22日、ニューヨークの国連本部で開かれる気候変動ハイレベル会合に出席する方向。この際、鳩山氏が具体的な削減目標を口にすれば、「国際公約になりかねない」と経団連側は懸念する。

 産業界からは鳩山氏の"口封じ"を経団連に期待する声が強まっており、幹部会議では「公式、非公式、個人などあらゆるルートで民主党にお願いしよう」との声が出た。ただ、幹部の中には「308議席を獲得した政党と正面からぶつかれば国民を敵に回しかねない」との異論もあり対応は揺れている。

 現在の状況が自らが掘ってきた墓穴であることにも気がつかず、従って反省の言葉は一言もない。ただただ儲けだけを追い求めている経営バカであることをさらけ出している。

 この関連記事に御手洗経団連会長へのインタビュー記事が併載されている。一部引用しておく。

―民主党の経済対策については。

「民主党の公約は所得再配分で市場を刺激し内需拡大を図るものだが、少子高齢化の中では限界がある。外需も視野に入れ、内外需バランスの取れた政策を期待したい。アジアとの経済統合推進など外需を取り入れた成長戦略はあると思う」

―民主党の中には経団連の名を挙げ、政・官・財の癒着構造を指摘する議員もいる。

「別に癒着しているとは思っていない。癒着と呼ばれるような時代は三十年前に終わっている

 こりゃ、だめだ。
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