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2006年9月4日 ホームページ『「日の丸・君が代の強制」と闘う人たちと勝手に連帯するレジスタンスの会』からの引越し完了しました。
権力と反権力の現在(9)

魅力あふれる指導者・ワレサ


   吉本さんは、「われわれは臆病者ではない…」(1980年12月31日のインタビュー)、「ワレサは訴える」(加藤珪訳)から、「連帯」委員長ワレサの見解と構想のうち大切なものとして、次のような文章を引用している。


 〈連帯〉の組織は国家、党、企業管理者から独立した非政治的(ヽヽヽヽ)な労働組合連合であり、政党ではない。それぞれの労働者は政治そのほかについて自由な見解をもつ権利があるが、これは労働組合運動の外部でなされるべきものである。


 ポーランドにおける教会は、歴史的にいって、いつも圧制者に屈服しない唯一の存在であった。教会の見解は尊重されなくてはならない。


 ポーランドは強力で清潔な軍人内閣を必要としている。ヤルゼルスキイ内閣が軍人の強力な統治能力と規律と、きれいな手で強力な政策を行うべきである。ただしかれの政府が敵対行為を仕かけてくれば〈連帯〉は戦う。


 ヤルゼルスキイが失敗し、なおかつソ連がそれでも介入しなかったなら〈連帯〉は国家の政治権力を掌握する用意がある。

 続いて吉本さんは、ワレサの構想と思想、さらにその人となりを次のように描いて絶賛している。

 ワレサの発言には具体的な構想はなにも語られていない。だが基本的なモチーフは明晰に示されている。農民と急進的な知識人の早急さを批判しながら〈連帯〉の運動を労働者の利益と権利の擁護にかぎって、そこから逸脱しないというワレサの基本的な姿勢ははっきり示され、いささかのためらいもみられない。

 自主的な労働組合運動のさ中に、激動が生みだしたこの労働運動の指導者は、特異な理念をもち、本など一冊も読んだことがないと放言する素直でむき出しの資質をもっている。そしてたしかに「クーロンやシューマ、モチルスキなどよりも百倍も重要な指導者」(アントニ・マチエレビチ 「われわれは時間が必要である」)の資質を具えているようにみえる。

 ワレサの資質は、ひ乾びた左翼官僚や箸にも棒にもかからぬ政治的すれっからしのあいだからほ決して生れてはこない。いわゆる左翼的常識にあてはまっていない。

 かれはインタビュアーに「この栄光、あなたの肩にかかってきたこの力の大きさを考えると、『神よ、これは私には荷がすぎます。私には耐えられません』といいたくなることはありませんか?」と訊かれて「おおありさ。マリア様はご存知だ。私は疲れている。ひどく疲れている。体だけじゃない。私は眠れない。心臓がよくないんだ。ドキドキしたり、痛くなったりする。内面も ― 魂も疲れているんだ。こんな生活は私には向いていない。ネクタイをつけなければならないような人と会ったり、行儀よく振舞ったり、推薦のことばに耳を傾けたり。これをしてはいけない、あれをしてはいけない、笑ってください、とくる。ネクタイは首をしめつける。私はつけていられないんだ。それに、そんな気にならないのに、いったいどうして笑わなくちゃいけないんだ?」(「ワレサは訴える」)。こういうことを素直に平気で語っている。わたしたちはこういう魂の公然たる自在さを、レーニン以外の左翼からかつて聞いたことはない。



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