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映画「実録・連合赤軍」・若松監督のメッセージ


 ゴンベイさんから次のようなコメントをいただきました。

「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程
 思想を論ずるという立場から離れるのでしょうが、『鈴木邦男さんの「全共闘」評』内での日本テレビのドラマ「東大陥落-40年目の真実」と同様に映画評があればお聞かせいただきたい。」

 残念ながら、この映画を私は見ておりませんので批評できません。代わりに、「この映画はどうしても撮りたかった」という若松孝二監督ご自身のコメントを紹介しようと思います。月刊誌『創』(2008年7月号)インタビュー記事「国が喜ぶような映画ばかり作るから映画界がだめになるんだ」からの抜粋です。

―連合赤軍事件をどうしても撮りたい と思ったのはどうしてですか?

 1960年代から70年代というのは一番重要な時代だと、僕は思ってるんです。みんな言いたいことが言えたし、国家に反抗もできたし、石を投げることもできましたからね。今それが何もできない時代になってしまった。しかも過去の歴史が覆い隠されようとしているでしょう。今の若者なんてその時代のことをほとんど知らないですよね。

 僕は『時効なし。』って本も出しましたけど、フィルムには時効がないんで、50年後、100年後にこの映画を観たときに「60年代、70年代というのは若者がよく頑張ったんだな」っていうことを知って欲しいんです。

 ちょうどあさま山荘事件を契機にみんな運動をやめて企業戦士になっていくわけじゃないですか。そういう人たちが年をとって、それを隠そうとする。まして、学校の教科書なんて教えるわけがない。若者がなぜあの時代にあのような価値判断を下したか、なぜあのような闘争が起きたかというのは、どうしても映像として残しておかないといけない。

 しかもそれを描くには、やっぱり60年安保から始めないといけないんですよ。ベトナム戦争、学費値上げ反対闘争、原点はそこですよ。それがどういう経緯で連合赤軍事件にまでいたるのか。前半ではニュースフィルムもたくさん使ったし、登場する活動家も全員実名で、ほぼ真実に近いところを映画に描きこんだつもりです。役者が演じてはいますが、描かれているのはほぼノンフィクションです。

 何年か前に『突入せよ! 「あさま山荘」事件』っていう、本当に腹の立っ映画がありましたが、あれは警察がどれだけ正しかったかという映画です。たてこもった若者たちを強盗犯と同じに描いている。

 僕は今回の映画では警察は描かずに、活動家たちの側から撮ろうと思ったのです。どっちの味方もしてなくて、「機動隊がいい」とも言わないし、「学生がいい」とも言ってない。

 ただ、あの時、あさま山荘の中で何が起きていたかを当事者に聞いているのは、日本の映画界では僕と足立正生しかいない。パレスチナで例えば坂東国男に、あの中でどういうことがあったか、みんなの精神状態がどうだったのかっていうことを聞いていますから。

 なぜ彼らが「総括」と称して同志で殺しあったのか。それは今度の映画を観ればわかります。私に言わせれば、あれはヤクザの世界と同じなんです。はっきり言って、深作欣二の『仁義なき戦い』ですよ。しかも幹部がいなくなってチンピラばっかり残った団体だから、そこで必ず誰か指導者が出てくる。それを守ろうとすると、それは権力になってくるんです。粛清というのは、やられた方だけじゃなくて、やった方も哀(かな)しい。だから最後の落とし前は、権力に銃口を向けるしかなかったんですよ。

 でも日本の近代史の中で、国家に銃口を向けたのはあの事件しかないですからね。2・26事件は国家に銃口を向けませんでしたから。明治維新ぐらいでしょ。だからそういう歴史的事件を誰も本格的に描こうとしないし、誰も語ろうとしないのはおかしいですよ。

 そういう映画だからこそ、文化庁は助成金をくれないんでしょうが、もっと腹が立つのは映倫ですよ。映倫は本だけ読んで「これは一般映画じゃないですね」って言ったんですよ。僕は烈火のごとく怒ったけどね。冗談じゃないよ。この映画は粛清のシーンはあるけど暴力的ではないし、テレビに出してもおかしくない映像です。



 映画『突入せよ! 「あさま山荘」事件』は、2002年に佐々淳行の著書『連合赤軍「あさま山荘」事件』をもとに作られました。佐々は東大安田講堂事件や浅間山荘事件を担当指揮した人物ですから、その著書が警察べったりの自慢話になることは容易に想像できます。そんな本を原作に作られた映画なら、そのできばえは推して知るべしでしょう。若松さんはこの映画を見て、「もう少し若かったら映画館に爆弾を投げ込んでいた」「権力側からの視点でしか、描いていない」と激怒したそうです。

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