2006年9月4日 ホームページ『「日の丸・君が代の強制」と闘う人たちと勝手に連帯するレジスタンスの会』からの引越し完了しました。
昭和の抵抗権行使運動(53)

テロリズムとは何か。


 テロリズム(テロ)とは一般には、「政治目的のために、暴力あるいはその脅威に訴える傾向。また、その行為」(広辞苑)を指す。従って、国家権力による人民への暴力も、国家による他国家への侵略圧政もテロである。そして、それらの暴力に抵抗する人民の闘いはレジスタンス(抵抗権行使活動)と呼ぶ。

 アメリカのイラク侵略はテロであり、イラク人民の抵抗はレジスタンスである。

 1960年5月19日、警官を導入して行った衆議院本会議における強行採決はテロであり、国会を包囲した人民の抗議デモはレジスタンスである。

 1960年6月15日~16日の流血事件では、警官隊・右翼のデモ隊への暴力はテロであり、学生たちの抵抗はレジスタンスである。このときは、警官隊・右翼が「過激派」であり、後の学生運動の過激化を誘引した根源はここにある。

 この後、強行採決は自民党の常套手段となり、警官隊による人民への攻撃も常態化していく。

(強行採決については
今日の話題:国会の「欺」事から見えてくる「ブルジョア民主主義」の正体


今日の話題:国会の「欺」事から見えてくる「ブルジョア民主主義」の正体(続き)
を参照してください。)

 藤田省三さんは、この流血事件をまのあたりに目撃し、また自らも警官隊の暴行により10ヶ所ほどの打撲傷を受けたという。その藤田さんが「6・15事件 流血の渦中から― この目で見た警察権力の暴力 ―」という文章を書き残している。そこから引用する。(傍点による強調文字を赤字で表記する。)

 警官隊は頑強なクツをはき、鉄帽をかぶり、コン棒を持っていた。私は全学連指導部のやり方には反対のものだが、しかし参加している数千人の学生は、とにかく、まったくの素手であった。学生の多くはシャツ姿であり、クツも運動グツ、なかにはハダシの学生もいた。互いに腕を組んで押すこと以外に学生の〝武力″はなかつた。 (中略)

 警察は私たち国民によって、合法的に武力を与えられているのだ。私たちは身体と生命を守るために合法的に武力を警察に託した。それゆえに、その武力が合法的に行使されるよう要求する権利がある。警官によって不法に行使された武力こそ、〝暴力″以外のなにものでもない。警官は明らかに〝暴力″を行使した。



 全学連主流派の国会構内突入闘争は、「議会民主主義の破壊」「はねかえり」「極左冒険主義」「トロツキスト」と、左右両方から集中砲火を浴びた。しかし、彼らは国会占拠、大げさな言い方をすれば、クーデターを企てたわけではない。このときの無武装・無防備の学生に国会占拠などできようはずがない。彼らの考えによれば「日本の人民が、国会の庭に入って院の前で抗議して何が悪いのか、悪いはずはない」。それは、警官を導入しての強行採決という「議会テロ」=「議会民主主義の破壊」への抗議として、まったく正当な行為である。

 このときの警官隊の暴力は明らかに過剰な行為である。それは、上層部からの直接の指示・命令がなかったとしても、岸信介ら支配者どもの人民に対する恐怖心の顕在化した結果であったと、私は思う。

『議会というものは、黒い選挙によって無自覚な国民の権利を資本が買い、議会という権利の剰余価値を産む機関を媒介にして法秩序が形成され、利潤のわずか一部分が不等質交換的に地元有権者にばらまかれるものにすぎない・・・・・・しかし、だからと言って、ただそれに背を向けているだけでは、権力の独占と集中は、敗戦による国家崩壊というような天荒地変のときまで改めることはできない・・・・・・少なくとも、資本が票を買い、買った票で人々を隷属化する、悪循環をどこかで断ち切ろうとする試みはしてみてもいい』
『一応我われは現在の議会制度を容認して、つまり多数決民主主義には反対しない立場から・・・・・・闘争をやってきた。容認することは絶対視することとは同じではなく、反対しないことはそれ以上の制度があり得ないと思っていることを意味しない。・・・・・・私たちは秩序を破壊したいために闘争するのではなく、虚偽の秩序をより本質的な秩序に替えたいために闘うのだ』(高橋和巳「我が心は石にあらず」)

 また私は、人民への暴圧の矢面に立たされ、凶暴化した警官たちが
「この野郎!」
「全学連め!」
とか
「皆ごろしにする!」
「殺せ、殺せ!」
などと叫びながら警棒を打ち振るったという光景に、分断支配された被支配者同士の悲しい不条理を思わないわけにはいかない。警官の多くは高卒の青年であり、被支配階級の子弟であった。そこにはまた、学者や大学生というエリートへの憎悪がなかったとは言えまい。右翼の末端団員についても、また然りである。

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