2006年9月4日 ホームページ『「日の丸・君が代の強制」と闘う人たちと勝手に連帯するレジスタンスの会』からの引越し完了しました。
昭和の抵抗権行使運動(46)

〔ドキュメント〕6・15国会流血事件(1)


 6月15日の闘争を「国会突入闘争」と呼ぶのは、全学連主流派あるいはブントの活動に焦点を置くときの呼称であり、この時の事件を国会包囲デモ全体の立場から見るときは「6・15国会流血事件」と呼ぶのが適切だろう。

 さて、この日一体何が起こったのか。私はそれを詳細に知りたいと思う。「朝日ジャーナル」(1960年7月3日号)の記事「6・15流血事件の記録」(以下「記録」と略す。)を用いて、その事件の詳細を追ってみよう。

 この事件の詳細を特集するにあたって、「記録」は次のように述べている。

 6月15日の国会流血事件は,形式的には学生たちが国会の構内て抗議集会を開きたいというのに対する警官隊の阻止によるものてあった。だが、その結果は,重軽傷1000人を越え1人の死者を出すという,もっとも不幸なものとなった。のみならず,アイク訪日は中止され,事件は世界を驚かし,わが国の政治動向に大きな影響を与えた。そして,6月15日は安保問題から議会主義擁護に続くたたかいの重要な日付となった。

 だが,この事件の善悪を論じ、論評する前に、まず当日の詳細正確な全貌を知る必要があろう。編集部はできうるかぎりの努力で当日の全容の復元につとめた。



 また「あとがき」では次のように述べている。

 この記録作製にあたっては、本社政治部、社会部員の協力を得たほか、本誌編集部を総動員して約80人の人にインタビューし、多方面の資料にもとづいて、できうるかぎり客観的な記述につとめました。しかし時間的制約と異常事態での記憶の不正確さなどにより、100%完全なものとは断言できませ ん。なお完ぺきを期するために、読者の皆さんをはじめ、現場にいた方たちや当局者側のご教示により補完したいと思っておりますので、ご協力をお願いします。  (編集部)



 60年7月10日号では「現場にいた方たちや当局者側の」投稿が掲載された。警察当局や右翼からの反論・異論もあるが、大方の証言は、この「記録」がおおむね正確であることを裏付けている。この「記録」は、たぶん、他にはない貴重な記録だと思う。ブログに書きとめておく価値があるだろう。

 では、事件を追ってみよう。

15日午後
国会周辺


 この日の東京は、気温25度・湿度59で曇り空だった。

 国会は正門の中央だけを締めていた が、他の通用門は全てあけっ放してあった。いつものバリケード車は、官邸へ抜ける道路わきで、十数台がひっそりと待機していた。正門前を、何組ものデモ隊が過ぎていった。

 正午近く日比谷から出てきた都労連の12000人がフランス・デモをくりひろげながら行進した。それは、道路いっぱいの36列にひろがり腕も組まず、気勢もあげず、ただ静かに歩いて国会裏からアメリカ大使館へと流れていった。

 アベックが、「岸さんやめて」と書いた小さなプラカードを二人で持ってデモっていた。

 国会裏の衆議院議員面会所に設けられた請願所では、ヨチヨチ歩きの子どもをつれた母親もいた。子どもを肩ぐるまにした父親もいた。

 にわか露店では、「アンポハンタイ、アイスクリーム」とデモ隊に呼びかけていた。時たま、ボン、ボンと音がした。それは赤坂の山王祭りの花火の音であった。

 「新安保反対キリス者会議」の300人は、16時30分に日比谷野外音楽堂を出発した。彼らは賛美歌を歌いながら行進した。

 キリスト者会議の前には「安保改定阻止新劇人会議」の一団が「しあわせの歌」をうたいながら行進していた。

 新劇人にはさまれて、300人ほどの一般人自由参加者がつづいていた。

15日17時前後10分~30分
参議院第二通用門外


 17時10分ころ、このデモ隊は国会正門前から右に折れ、参議院第二通用門前の三差路にかかろうとしていた。

 国民会議の神奈川県代表のデモ隊は、新劇人、キリスト者会議と並行して、これも三差路を国会裏に折れようとしていた。

 同じ時、平河町方面から全学連反主流派のデモ隊がきて三差路を右折して、やはり国会裏へ向かっていた。教育大学、一橋大学が過ぎ、そして後尾の早稲田大学の一団はほぼ三差路を回り切っていた。

 同じ時、法政大学のデモ隊は社会党本部から国会図書館わきを通ずる小さい道を進んで三差路に頭を出して停止していた。

 こういう状況で、突然、右翼のなぐりこみが起こったのである。

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