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昭和の抵抗権行使運動(24)

60年「改定安保」の問題点(2)


 60年「改定安保」の全文を求めてネット検索をしていたら、 「60年安保全文」 というサイトに出会った。順を追って全文の解読をしている。大変レベルの高い解読だと感心して読んだが、筆者(あるいはグループか)が全く分からない。無断で利用させてらう。

 まず正式名称から、51年安保の違いを指摘している。(以下、条文部分を青字で表記する。)

《正式名称》
日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約

 51年旧安保の正式名称は
「日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約」
である。改定安保では「相互協力」の語句が追加された。その理由は、

 日米が政治的経済的に相互協力すること

 安保は軍事同盟ではなく協力条約であること
を強調するためである。

 次に前文を
「政治的協力」
「経済的協力」
「国連憲章」
「日本の自衛権」
「極東の平和」
の五つの部分に分けて解読している。

《前文1 政治的協力>》

日本国及びアメリカ合衆国は、両国の間に存在する平和及び友好の関係を強化し、並びに民主主義の諸原則、個人の自由及び法の支配を擁護することを希望し、

 米国の同盟国の政治体制は、米国をモデルとした民主主義でなくてはならない。米国とは異なる政治体制の場合、非民主的政治として、早急に改めることを求められる。米国の民主主義とは本質的に、資本主義経済を擁護し、米国に軍事的脅威を与えないことである。換言すれば、米国の多国籍企業の自由な経済活動を妨害しないこと、米国の軍事外交活動に従うことである。

 日本は忠実な同盟国として、米国の軍事的活動、例えばベトナム(ホーチミン)、パナマ(ノリエガ将軍)、イラク(フセイン大統領)などの軍事活動においては、日本国憲法の解釈を拡大変更して、全面的支持を与えてきた。

 日米安保条約は、両国間の対等の同盟ではない。米国の政治・軍事力が強大であるため、日本が政治的軍事的に従属する同盟である。前文は、外見上は、日米の政治的協力という美辞麗句を並べつつ、内実は冷酷な国際秩序を維持するため、日本に政治的従属を強制できる、米国優位の巧妙な作文になっている。

《前文2 経済的協力》

また、両国の間の一層緊密な経済的協力を促進し、並びにそれぞれの国における経済的安定及び福祉の条件を助長することを希望し、

 日本が世界的な自由貿易の拡大の恩恵を受け、輸出産業が発展して1960年代には高度経済成長を達成できた。米国が最大の輸出市場であった。しかし、協力とは、日米の双務的な関係であり、日本が一方的に有利になったのではない。日本の鉄鋼・電器・衣料・小型自動車などは、米国を市場として大きく成長した。一方、米国企業の根幹を揺るがすような産業育成は厳しく規制され、日本企業は国際経済戦略で大きな痛手を受けた。例えば、大型乗用自動車・航空機・人工衛星・原子力発電所・コンピューターCPU・医薬品・国際金融など、付加価値の高い分野、将来性のある分野に、日本企業は参入できなかった。あるいは米政府によって限定的参入を余儀なくされた。

《前文3 国連憲章》

国際連合憲章の目的及び原則に対する信念並びにすべての国民及びすべての政府とともに平和のうちに生きようとする願望を再確認し、

 国際連合は英語で「The United Nations」である。つまり連合国、第2次大戦の米国側陣営のことである。世界全体のことでも、国家連合のことでもない。その連合国の戦勝宣言が、国連憲章である。以下は、国連憲章全文だが、翻訳がまずくて、とても理解できる文章ではない。なお、107条には旧敵国条項があり、国連決議なしでも米国は日本を軍事攻撃できると書いてあるらしいが、そのように断定できる日本語翻訳ではない。要するに次の前文も、107条も、凡人には理解できないということである。


《国連憲章》

 われら連合国の人民は、われらの一生のうちに2度まで言語に絶する悲哀を与えた戦争の惨害から将来の世代を救い、基本的人権と人間の尊厳及び価値と男女及び大小各国との同権に関する信念をあらためて確認し、正義と条約その他の国際法の源泉から生じる義務の尊重とを維持することができる条件を確立し、一層大きな自由の中で社会的進歩と生活水準の向上とを促進すること、並びにこのために、寛容を実行し、且つ、善良な隣人として互いに平和に生活し、国際の平和及び安全を維持するためにわれらの力を合わせ、共同の利益の場合を除く外は武力を用いないことを原則の受諾と方法の設定によって確保し、すべての人民の経済的及び社会的発達を促進するために国際機構を用いることを決意して、これらの目的を達成するために、われらの努力を結集することに決定した。
 よってわれらの各自の政府は、サンフランシスコ市に会合し、全権委任状を示してそれが良好妥当であると認められた代表者を通じて、この国際連合憲章に同意したので、ここに国際連合という国際機構を設ける。

第107条〔敵国に関する行動〕
この憲章のいかなる規定も、第二次世界戦争中にこの憲章の署名国の敵であった国に関する行動でその行動について責任を有する政府がこの戦争の結果としてとり又は許可したものを無効にし、又は排除するものではない。



《前文4 日本の自衛権》

両国が国際連合憲章に定める個別的又は集団的自衛の固有の権利を有していることを確認し、

 国家が軍事武装することは国際平和の1手段であり、国連憲章の精神にふさわしい。そのため、日本の自衛隊は合法的であるとされる。また、日本の防衛(個別的自衛権)と、他国と軍事協力すること(集団的自衛権)も、合法的であるとしている。

 このくだりについては、明らかに「憲法9条に反する」という説に私は諸手を挙げて賛同する。

 湾岸戦争、イラン戦争では、日本の自衛隊は米軍に補給活動をしたが、補給活動は武力行使をともなわないから憲法に違反しない、というのが自民党政府が弄した詭弁であった。しかし、戦争当事国への直接協力は戦闘行動に加担するのと同じ意味であり、日本の自衛隊の海外派遣はどんな場合でも憲法違反である。

《前文5 極東の平和》

両国が極東における国際の平和及び安全の維持に共通の関心を有することを考慮し、相互協力及び安全保障条約を締結することを決意し、よって次のとおり協定する。

 在日米軍が出撃する範囲が極東である。極東の地理的範囲は国際情勢によって変わり、日本の安全は極東の軍事情勢に左右されることになる。例えば、ベトナム戦争中、米軍は沖縄基地から、ベトナム空爆に出撃したので、ベトナムは極東に含まれた。

 米政府の想定としては、北朝鮮・中国の共産主義勢力が、日本・韓国・台湾に直接・間接の侵略行動をすることであった。極東とは地理的常識的では日本・韓国・台湾・中国だが、米軍の軍事的常識では、ベトナム、アフガニスタン、イラクも含まれる。

 小泉政権の詭弁では極東が客観的に存在するのではなく、在日米軍の軍事行動範囲が極東である。自衛隊の派兵圏も極東であり、その範囲は在日米軍の行動範囲ということになる。

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