2006年9月4日 ホームページ『「日の丸・君が代の強制」と闘う人たちと勝手に連帯するレジスタンスの会』からの引越し完了しました。
昭和の抵抗権行使運動(12)

再建全学連の闘い


 1956年、国立大学授業料値上げ阻止闘争が爆発し、七中委の没政治主義的路線は半年後に、運動主体の一般学生によって否定された。2月2日、東大教養学部学生2300名を先頭に全都4000名の学生は国会陳情デモを敢行し、七中委以後の混迷と沈滞をうち破る第一歩を開始した。

 この闘いの高揚を背景にして1956年4月に開かれた全学連の八中委は学生運動史上重大な質的転換をなすものであった。それを受けて6月に開催された第9回大会は「第二創世紀の開始=全学連第二結成大会」とも言われる画期的な大会であった。

 大会は、過去5年間の学生運動の混迷と停滞を卒直に自己批判し、「平和擁護闘争」を第一義的任務として掲げ、
原水爆禁止
軍事基地反対
中ソ国交回復
再軍備反対
憲法擁護
を主課題とし、
「平和と民主主義、よりよき学生生活のために」
を統一スローガンにして、戦闘的学生運動の再建に向けて第一歩をふみだした。八中委―九回大会で確立された運動路線は次のような特記すべきものであった。

「もし、全学連・自治会が正しい情勢分析の下に正しい方針を大胆に提起していけば、必ず日本の学生は立ち上るであろうし、このことによって、自らの利益を守るであろうこと、そしてこの闘いの中でのみ全学連・自治会は強化されるであろう……」(「全学連第9回大会一般報告及び一般方針」56年6月)

 この戦闘的学生運動論は創成期の「層としての学生運動論」を継承・発展させたものある。そして、この運動論をふまえた「八中委-九大会路線」は次のように表明された。

「我々は、この(当面する学生運動の)課題を遂行する上で、国民各層との提携を強化しなければならない。何故ならば我々学生の基本的要求である平和と民主主義とよりよき生活の実現は、単に学生のみならず全国民の願いであり、我々のめざす運動は、同じ目的に向って進む国民各階層の運動との提携なしには、強力になり得ないからである。……若し学生運動が正しい方針をもち、(正しく)展開されるならば、それは国民各層の運動に大きな影響を及ぼすことができるであろうし、又なさねばならないということである。理性と情熱をもった学生の行動は平和と民主主義を守る国民の運動の中で、先進的役割を果し得るということである」(同上)

 この「国民各層との提携」、「学生の先進的役割」という「八中委―九大会路線」は、日本の戦闘的学生運動論の基本路線を敷設したものと位置づけられる。その後の学生運動に継承発展させられていく。

 この再建全学連がとり組んだ最初の闘争課題は砂川基地拡張阻止闘争だった。全学連は、全国から3000名を現地動員し、農民・労働者と提携してその最先頭に立って闘い、遂に基地拡張を実力闘争によって阻止した。この砂川闘争の勝利によって、学生運動は「奇跡的な前進」を果たした。長い混迷の時代から脱却し、理論的にも、実践的にも飛躍に向けて大きく踏み出すきっかけとなった。

 だが、学生運動がこの歴史的転換と飛躍を獲得しつつあるとき、またしても、その組織内部に運動路線をめぐる重大な対立が発生した。対立は現地指導部と書記局残留指導部のあいだで発生した。

 現地指導部は、のちにこの闘争の勝利の要因を次のように総括している。

「現地動員方式の採用と、暴力に屈せずあくまで測量予定地を守りぬいた闘いが、勝利を実現するうえで決定的役割を果した」(「全学連10回大会一般報告」)

 これにたいして残留指導部は、その勝利は「内外の民主勢力の圧力の成果」であるが、「広範な学生を結集しえなかったことの弱さ」を総括すべきだと主張した。

「砂川闘争は極左冒険主義で、オーソドックスな闘争ではなかった。全学連の砂川闘争は社会党の手のひらでおどった、孫悟空の闘争で、社会党に利用されたもので、勝利ははじめからわかっていた」(同上)。

 この両者の対立は、たんに砂川闘争の評価にとどまらず、「情勢の評価、平和擁護闘争についての基本的理解……国鉄運賃値上げ反対闘争の方針、全学連の民主的運営についての原則的理解、学生戦線の統一、国民戦線の統一についての見解」(同上)にまで及び、さらには「ジグザグデモかオンパレードか」「ストライキか授業放棄か」「突出した闘争か幅広イズムか」という闘争戦術の細部にまで及んだ。

 こうして、戦後学生運動の創成以来絶えずくりかえされてきた学生運動をめぐる日共党内の党派闘争は、やがて反対派中執罷免を経て全面化した。そして遂にそれは、非和解的な対立へと発展し、最終的決着をつけざるをえない時点に差しかかつてきたのだった。

スポンサーサイト
 コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
 トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://adat.blog3.fc2.com/tb.php/1092-5ea6525f
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック