2006年9月4日 ホームページ『「日の丸・君が代の強制」と闘う人たちと勝手に連帯するレジスタンスの会』からの引越し完了しました。
昭和の抵抗権行使運動(10)

所感派全学連の誕生


 全学連は、10月の反レ・パ闘争の成果をうち固めるために第5回大会開催を予定した。しかし、日米支配階級は占領政策違反を口実にして大会開催を禁止した。結局、大会が合法的に開催されたのは、その1年半後の1952年4月、単独講和発効後だった。そしてその大会で、創成期第三期の国際派全学連はその主導権を所感派に明け渡すことになる。そこまでの経緯をたどってみよう。

 国際派全学連の反レ・パ闘争の死闘の過程において、日共中央指導下の学連内反対派は「反ファッショ民主民族戦線」を対置して敵対した。当時の所感派理論を代表する藤尾論文は次のように述べている。

「今や分派の反帝闘争はマルクス・レーニン主義と縁もゆかりもない一種の経済主義に堕した。そしてまた、今こそ中共の教えるように、党と大衆との結合、多数者のかくとく、民主統一戦線の強化をはかり、党を守り、自治を守るために、この分派を容赦なく粉砕することは、緊急の任務になっている。……画一的闘争による鋭利な刃物のような闘争ではなく、鉛のように統一して力量ある闘争を組むことが重要であること、真に大衆とともに、教室やサークルで、党員が日常的生活の中で直面する諸問題を基礎にして学生を組織することが偉大な力となること」(藤尾守「当面の学生運動の重点」『前衛』50年8月)

これに対して、全学連主流派は「層としての学生運動論」を堅持し、「日本学生運動における反帝的伝統の堅持と発展のために」(武井昭夫『学生評論』50年10月)をもって全面的な反論を加えた。学生運動はこの戦闘的指導理念のもとで、更なる飛躍の姿勢を表明した。

 ところが、国際派全学連は、日共の分裂状況に対する「スターリン判決」(1951年8月 所感派を正しいと裁定)というコミンフォルムのもつ国際権威主義のまえに屈服してしまった。それは国際派の歴史的限界性を露呈したものであり、日本人民の抵抗権行使運動が一枚岩の公認前衛党の呪縛から離脱していくためには、なお数年間の苦闘が必要であった。

 さて、その1951年は、マッカーサーの年頭の辞「集団安全保障と対日講和」で幕を開けた。それに抗する世界平和評議会第一回総会は「ベルリンアピール」を採択すた。これをうけた全学連は、集会・デモ禁止という戒厳令下で、新しい「反帝闘争」としての「全面講和投票運動、平和署名運動」に着手しようとした。

(注)ベルリン・アピール
 このアピールは冒頭で「われわれは、世界戦争の危険を生み出す原因についてどのような意見をもつにせよ、世界幾億の人びとの望みにこたえ、平和を強化し、国際安全を保障するために、米、ソ、中、英、仏の五大国による平和協定の締結を要求する。」とのべている。そして五大国間の平和協定の締結を要求す署名運動の展開を決定した。その運動には6億1200万結集したと言われている。


 ところで、所感派は四全協(2月)で分派批判とともに軍事方針を決議している。なんと、日常要求主義とは180°異なる方針を打ち出したのだった。そして51年8月、その決議をコミンフォルムがを支持するに及んで、国際派は総崩れとなった。それに勢いづいた所感派グループは、道学連(11月)、都学連(12月)、関西学連(12月)において全学連中執不信認決議を行い、さらに52年3月、全学連第1回拡大中央委員会において武井執行部に代わって玉井仁執行部を選出した。この新執行部は次のように勝利宣言を発した。

「過去二年間に亘って学生戦線を分裂させ、学生を他の国民諸階層から切りはなすことに躍起になっていた中執内部の一部悪質分裂主義者は、全国各地の代表によって徹底的に批判され遂に学生戦線から追放され、全学連は全国学生の要求によって、全学生と全国民の手にとりもどされた」(全学連第一回拡中委「全学連第一回拡大中央委員会を終るに当り、全国学生に訴える」52年3月)

 そして4月の第5回大会をもって、所感派全学連(第4期)が正式に誕生した。以後3年間学生運動は、日共51年綱領路線(反帝反封建)のもとで、血のメーデー、破防法反対闘争、山村工作隊、地域人民闘争、基地闘争、帰郷運動、総点検・査問、テロ・リンチ事件、歌えや踊れ運動など左右両極へのブレのなかでの苦闘を強いられることになった。

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