FC2ブログ
2006年9月4日 ホームページ『「日の丸・君が代の強制」と闘う人たちと勝手に連帯するレジスタンスの会』からの引越し完了しました。
『続・大日本帝国の痼疾』(59)

自由民権運動(13)―都市民権派の潮流(3)


 これまでに都市民権派の活動のうち、結社(言論団体)を通したものと代言事務所の活動(弁護活動)を取り上げてきたが、都市民権派の活動にはもう一つの柱がある。中江兆民の仏学塾や福沢諭吉の慶応義塾、明法学舎などの私塾の教育活動がそれである。それらの私塾は近代政治の理論と法律の知識にくわしい若き活動家・理論家を養成し、輿論を指導する役割を担った。結社・代言事務所・私塾を三本の柱とする「都市民権派の潮流」が地方の在村的潮流と合流するところに、質量ともに備えた1880年代の民権運動のめざましい活動の根拠があった。

 私塾については、よく知られのていなかった中江兆民の仏学塾の教科内容を示す資料が、教科書Cに紹介されている。明治初期の背年たちが志を燃やして、どのような勉学にいそしんでいたのか、その意気込みと高い志が忍ばれる。珍しい資料なので、転載しておく。




明治15年9月改正 仏学塾規則

教旨
一 本塾ハ仏蘭酉書和漢書ヲ以テ法学文学ノ
二科ヲ教授ス

学科課程
一 本塾ノ課程ヲ四ヶ年トシ随テ生徒ノ階級
ヲ四等ニ分ツ此四年ノ課程ヲ卒ル者ヲ放外卒
業生トシ別二課ヲ設ケテ各自好ム所ヲ講究セ
シム

教科細目

 第一年前期
一 読方         第一読本 毎日
  文法上ノ停節ヲ教へ且単語ヨリ漸ク一句
  一章ニ及ポシ其発音ヲ正フセシム
一 会話              毎日
  簡短ナル会話ヲ黒板ニ記シ生徒ヲシテ之
  ヲ書写セシメ後ニ其解釈ヲ与ヘ翌日迄ニ
  暗記シテ教師ノ問ニ答へシム
一 文法       ノエル小文典 毎日
  巻首ヨリ其素読ヲ授ケ幷セテ詞ノ品
類区別ヲ黒板ニ記シ或ハ生徒ヲシテ之ヲ記セ
シメ其単複変化等ヲ教示シ且動詞暗誦ヲ為サ
シム
一 漢書
  明清律大宝令文章軌範等ノ講義
            下同ジ 一週三回
  日本支那法律書若クハ文集ノ講義ヲ授ク
  下傚之

 第一年後期
一 講読         第一読本 毎日
  素読ヲ授ケテ其疑義ヲ教解シ翌日之ヲ教
  師ノ前二復読セシム
一 歴史 古代希臘ノ部
       ダニエル万国史訳読  毎日
  生徒ヲシテ自ラ訳読セシメ教師側ラニ在
  テ其疑義ヲ講説ス
一 和漢書           一週三回

 第二年前期
一 歴史 羅馬中古ノ部
  万国史講義         一週三回
一 同
  ボルテール査理第十二紀輪講 一週一回
一 法律 公法行政ノ部
  ポンス現行法講義      一週二回
一 法律
  法理論第一巻輪読      一週二回
一 同
  モンテスキー万法精理論輪講 一週二回
一 和漢書           一週三回

 第四年後期
一 哲学       哲学講義 一週二回
一 法律
  ジュールタン法理論第一巻アンボルト政
  府ノ限界
  ルーソー民約論 輪読    一週二回
一 同
  万法精理輪講        一週二回
一 和漢書           一週三回

卒業科書
一 ルーソー教育論
  グユイヨー英儒道義論
  ミル自由之理
  スペンセル世態緒論
  其他生徒各自ノ好ム所二随ヒ政理道義文
  学ニ関スル典籍ヲ輪講若クハ輪読ス

(上記をまとめた「教科一覧表」を略す)

別科夜学
一 歴史     講義 毎日午後七時ヨリ
一 法律 民法      講義 一週二回

(以下、規則類を略す。
講義などは1回1時間30分と定められている。)


スポンサーサイト



 コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
 トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://adat.blog3.fc2.com/tb.php/1034-314be6b8
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック